こんにちは、フルスタックエンジニアのryuです。
今回の記事では、Google Cloud(旧GCP)の無料枠を使ってサーバーを試す方法について解説します。
Google Cloudには、新規ユーザー向けの無料トライアルと、毎月一定量まで無料で使えるFree Tierがあります。以前の記事で紹介したf1-microやAlways Freeの情報は現在では古くなっています。
2026年8月時点では、新規ユーザー向けに90日間有効な300ドル分の無料クレジットが用意されており、Free Tierでは条件を満たせばCompute Engineのe2-microを毎月1台分まで無料で利用できます。
ただし、リージョンやディスク容量、ネットワーク転送量などにも無料枠の条件があります。
この記事では、現在の無料条件と注意点を初心者向けに解説します。
無料でサーバーを試したいならGoogle Cloudも選択肢¶
クラウド上でLinuxサーバーを作ってみたい場合、Google CloudのCompute Engineを利用できます。
Compute Engineは、AWSでいうEC2に近い仮想マシンサービスです。
ブラウザ上のコンソールからLinuxのVMを作成し、SSHで接続してコマンドを実行できます。
Linuxやクラウドを勉強するだけならローカル環境でも十分ですが、実際のクラウド上にVMを作ると、IPアドレス、ファイアウォール、SSH、ストレージなどの知識も一緒に学べます。
【関連記事】Linuxの学習環境から整理したい方は、Linuxの学習環境はどうやって準備したらいいの?も参考にしてください。
Google Cloudの無料枠は2種類ある¶
現在のGoogle Cloud無料プログラムは、大きく分けると次の2つです。
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| 無料トライアル | 新規ユーザー向け。90日間、300ドル分のクレジット |
| Free Tier | 対象サービスを毎月一定量まで無料で利用できる |
以前はAlways Freeという呼び方が使われていましたが、現在のGoogle Cloud公式ではFree Tierとして案内されています。
それぞれの違いを確認してみましょう。
無料トライアルは90日間・300ドル分¶
新規ユーザーがGoogle Cloudへ登録すると、条件を満たす場合、90日間有効な300ドル分の無料クレジットを利用できます。
このクレジットはCompute Engineだけではなく、対象となるGoogle Cloudサービスの検証にも利用できます。
たとえば、無料枠より少し大きなVMを短期間だけ動かしたり、Cloud SQLやCloud Runなどを試したりするときにも使えます。
無料トライアルでは支払い方法の登録が必要ですが、Google Cloud公式では、有料アカウントへ手動でアップグレードしない限り、トライアル終了後に自動で請求されることはないと案内されています。
300ドル分を使い切るか、90日が経過すると、アップグレードしていない無料トライアルの請求先アカウントは終了し、関連するリソースも停止します。
Free Tierは期限ではなく毎月の利用上限¶
Free Tierは、対象サービスを毎月一定量まで無料で利用できる仕組みです。
無料トライアルの90日間とは別のものです。
たとえば、Google Cloud公式ではCompute Engineについて次の無料枠が案内されています。
| 対象 | 無料枠 |
|---|---|
| VM | e2-micro 1台分/月 |
| 永続ディスク | Standard Persistent Disk 最大30GB/月 |
| アウトバウンドデータ転送 | 最大1GB/月 |
ここで重要なのは、どのリージョンでも無料になるわけではないことです。
Compute EngineのFree Tierで無料対象となるe2-microは、米国の対象リージョンで利用する必要があります。
無料枠の対象条件は変更される可能性があるため、VMを作成する前にGoogle Cloud公式のFree Tierページを確認してください。
f1-microではなくe2-microが現在の無料対象¶
以前の記事では、次のように紹介していました。
GCP Compute Engine
→ f1-microインスタンスの使用は無料
現在はこの情報が古くなっています。
2026年8月時点のGoogle Cloud公式では、Compute EngineのFree Tierとして1か月あたり1台分のe2-microが案内されています。
そのため、古い記事を参考にしてf1-microを探しても、現在の無料枠とは一致しません。
無料枠や料金は変更されるため、VM作成前に公式の料金ページを確認しましょう。
Google CloudとAWSの無料枠は単純比較できない¶
以前の記事では、
AWSは750時間を超えると課金されるので、長期間ならGoogle Cloudがおすすめ
と紹介していました。
しかし、現在はAWS側のFree Tier制度も変更されているため、この比較はそのまま使えません。
Google CloudとAWSでは、無料トライアルの期間、クレジット、無料対象のサービス、アカウント作成時期による制度などが異なります。
そのため、単純にどちらが得と決めるより、自分が試したいサービスが無料枠の対象かで選ぶ方が分かりやすいです。
Google CloudのCompute Engineを試したいならFree Tierのe2-micro、AWSのEC2を学びたいならAWSの現在のFree Tier条件を確認して利用しましょう。
【関連記事】AWS側の課金で失敗した例は、EC2の無料枠を超えて課金されてしまった話でも紹介しています。
Google Cloudを無料で始めてみよう¶
では、Google Cloudを始める流れを確認します。
Google Cloudの画面は定期的に変更されるため、以下のスクリーンショットは記事作成当時のものです。
現在の画面ではボタン名や配置が異なる場合がありますが、登録の大きな流れは同じです。
Google Cloudに登録する¶
Google Cloudは、以下の公式サイトから利用できます。

Googleアカウントでログインし、画面の案内に沿って無料トライアルの登録を進めます。

現在の画面では表示内容が異なる場合があるため、実際のコンソールに表示される説明を確認しながら進めてください。
本人確認と支払い方法を登録する¶
無料トライアルでは、本人確認や不正利用防止のため、名前、住所、支払い方法などの入力が求められます。
以前の登録画面では、電話番号による認証が表示されていました。

支払い情報の登録画面では、利用形態に合わせてアカウント情報を入力します。

最後に支払い方法など、画面で求められる情報を入力します。

ここで心配になるのが、カードを登録したら勝手に請求されるのではないかという点です。
無料トライアルの状態では、Google Cloud公式によると、有料アカウントへ手動でアップグレードしない限り利用料金は請求されません。
ただし、有料アカウントへアップグレードした後は、300ドルのクレジットやFree Tierを超えた利用分が課金対象になります。
自分の請求先アカウントが無料トライアルなのか、有料アカウントなのかを確認しておきましょう。
Compute Engineを無料枠で使うときの注意点¶
無料枠を使ってLinuxサーバーを作る場合、e2-microを選べば終わりではありません。
無料対象の条件をすべて確認する必要があります。
対象リージョンを確認する¶
Compute EngineのFree Tierでは、対象となる米国リージョンでe2-microを利用します。
日本リージョンで同じVMを作れば、同じ無料枠が適用されるとは限りません。
学習目的で完全無料に近い形を狙うなら、VM作成時にリージョンも確認しましょう。
ディスク容量も無料枠がある¶
VM本体だけではなく、ディスクにも料金があります。
Free TierではStandard Persistent Diskに無料利用枠がありますが、容量を増やしたり、対象外のストレージを選んだりすると料金が発生する可能性があります。
VMだけを見て0円だと思わないようにしましょう。
ネットワーク転送にも注意する¶
Webサイトを公開すると、外部へデータを送信するネットワーク転送が発生します。
Compute EngineのFree Tierにはアウトバウンドデータ転送の無料枠がありますが、上限があります。
画像や動画を大量に配信するサイトを公開すると、VM自体は無料枠でも別の部分で料金が発生する可能性があります。
予算アラートを設定しておく¶
クラウドを学習するときは、無料枠だけを信じるのではなく、予算とアラートを設定しておくのがおすすめです。
Google CloudのCloud Billingでは、予算を設定して、一定の金額に近づいたときに通知できます。
たとえば、学習用途なら少額の予算を設定し、想定外の利用が発生していないか確認します。
ただし、予算アラートは利用を自動的に停止する仕組みではありません。
通知が来たら、Billing画面からどのサービスで料金が発生しているのか確認しましょう。
クラウド学習では、サーバーを作る技術だけではなく、料金を確認して不要なリソースを削除するところまでが学習だと思っておくと安心です。
Linuxを学ぶだけなら無料枠にこだわらなくてもいい¶
Google Cloudの無料枠は便利ですが、Linuxコマンドを覚えるだけなら、必ずクラウド上にVMを作る必要はありません。
最初はブラウザ上のLinux環境やローカルの仮想環境で、
pwd
ls -la
cd /tmp
mkdir practice
といった基本操作を練習するだけでも十分です。
Linuxの操作に慣れてからGoogle CloudやAWSでVMを作ると、クラウド側の設定に集中できます。
InfraAcademyでは、Linuxやネットワーク、AWSなどをブラウザ上で実際に操作しながら学習できます。
Linuxの基礎から始めたい方は、Linux入門講座をご覧ください。
クラウドを学ぶ前にIPアドレスやルーティングを理解したい方は、ネットワーク講座もおすすめです。
AWSを実際に学習したい方は、AWS講座も用意しています。
【関連記事】クラウドエンジニアを目指す場合の学習順序は、クラウドエンジニアになるための学習ロードマップでも解説しています。
Google Cloudの無料枠まとめ¶
今回の記事では、Google Cloudの無料トライアルとFree Tierについて解説しました。
2026年8月時点では、新規ユーザー向けに90日間・300ドル分の無料クレジットがあり、Free Tierでは条件を満たせばCompute Engineのe2-microを1か月あたり1台分まで利用できます。
以前のf1-microやAlways Freeという情報は古くなっているため、現在の公式情報を確認して利用しましょう。
また、無料対象になるのはVMだけではありません。
リージョン、ディスク、ネットワーク転送などにも条件があるため、無料枠の範囲を理解せずに使うと料金が発生する可能性があります。
最初は小さな環境でサーバーを作り、SSHで接続してLinuxを操作し、最後に不要なリソースを削除するところまで試してみてください。
クラウドは実際に触ることで、サーバー、ネットワーク、ストレージ、料金の仕組みが少しずつつながって理解できるようになります。






