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「勉強する時間がない」を卒業する。働きながらインフラを学ぶ社会人の時間術と続け方

| #インフラ #独学 #学習方法
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こんにちは、インフラエンジニアのryuです。

「インフラを勉強したいのに、仕事が終わるとクタクタで、机に向かえないまま一日が終わる」。そんな経験は、ありませんか。

参考書は買った。ロードマップも眺めた。でも、肝心の勉強時間が確保できない。気づけば数週間、テキストを開いていない。

これは、あなたの意志が弱いからではありません。むしろ、働きながら学ぼうとしている人のほとんどが、同じ場所でつまずいています。

今日は「何を勉強するか」ではなく、その一歩手前でつまずく「いつ・どうやって続けるか」を一緒に考えていきます。少ない時間でも、ちゃんと前に進むための時間術と続け方の話です。

そもそも、社会人はどれくらい勉強しているのか?

まず、少し安心してほしいデータから紹介させてください。

総務省の「令和3年社会生活基本調査」によると、過去1年間に何らかの学習・自己啓発・訓練を行った有業者(仕事を持つ人)の割合は、41.9%でした。

言い換えると、働いている人のうち、およそ6割は1年を通してほとんど自主的な勉強をしていない、ということです。

さらに国際比較を見ると、もっと極端な数字が出てきます。パーソル総合研究所の「グローバル就業実態・成長意識調査(2022年)」では、勤務先以外で「特に何も学習・自己啓発をしていない」と答えた人の割合が、日本は52.6%。調査対象となった世界18の国・地域の中で、もっとも高い数字でした。

つまり、日本の社会人の半数以上は、業務時間の外ではまったく学んでいない、という現実があるわけです。

これは、裏を返せば「大きなチャンス」

なんだか暗い話に聞こえたかもしれません。でも、これを学ぶ側の視点で読み替えると、景色が変わります。

半分以上の人が勉強していないのなら、少しでも継続できた人は、それだけで上位に立てるということです。

インフラエンジニアは、経験と知識がそのまま市場価値に直結する仕事です。毎日わずかでも積み上げた人と、何もしなかった人の差は、1年後・3年後に、はっきりとした形で開いていきます。

だから、必要なのは「猛勉強」ではありません。少ない時間でも止まらずに続ける仕組みです。ここからは、その作り方を具体的に見ていきましょう。

「まとまった時間」を待つ人が、いちばん損をする

勉強が続かない人には、ある共通点があります。それは「ちゃんとやるなら、まとまった時間で腰を据えてから」と考えていることです。

一見、まじめな姿勢に見えます。でも実際には、その「ちゃんとやれる日」は、仕事や予定に押し流されてなかなか訪れません。結果として、勉強そのものが先送りされ続けてしまいます。

インフラの学習は、範囲が広く、一度で全部を理解できるものではありません。ネットワーク、Linux、クラウド、セキュリティと、覚えることは山ほどあります。だからこそ、完璧な条件を待つより、不完全でもいいから今日の10分を積む人が、結局いちばん遠くまで行きます。

時間は「作る」より「見つける」もの

「勉強時間を作ろう」と意気込むと、たいてい失敗します。

なぜなら、まとまった2時間を新しく生み出そうとするからです。仕事や家庭のある社会人にとって、空白の2時間はそう簡単には現れません。「時間ができたら勉強しよう」は、永遠に来ない予定を待つのと同じです。

発想を変えましょう。時間は、新しく作るのではなく、すでにある一日の中から見つけ出すものです。

まずは自分の一日を「棚卸し」する

だまされたと思って、昨日一日の時間の使い方を思い出してみてください。通勤電車、昼休みの後半、夕食後にスマホを眺めていた時間。そこに、意外と多くの「スキマ」が隠れています。

スキマ時間は、長さによって向いている勉強が違います。無理に「全部で机に向かう勉強」をしようとせず、時間の長さに合わせて中身を変えるのがコツです。

スキマの長さ 向いている学習 具体例
5〜10分 用語・概念の確認 通勤中にpingDNSの役割を思い出す
15〜30分 手を動かす練習 Linuxコマンドを1つ、実際に打って試す
30〜60分 まとまった理解 ネットワークの章を読み、図を書いてみる

大切なのは、5分のスキマに「1時間かかる勉強」を当てないこと。逆に、まとまった時間を「用語の暗記」だけで使ってしまうのも、もったいない使い方です。

コツは、スキマの長さごとに「やることリスト」をあらかじめ決めておくことです。5分ならこの単語帳、15分あればこのコマンド練習、というふうに用意しておく。すると、スキマができた瞬間に「何をやろう」と迷わず、すぐ学習に入れます。

この「迷わなさ」が、社会人の学習ではとても効いてきます。短い時間は、何をやるか考えているだけで溶けてしまうからです。準備しておいた分だけ、実際に手を動かせる時間が増えていきます。

「30分ブロック」を先に予定へ入れてしまう

見つけたスキマは、そのままだと結局スマホに消えていきます。そこで、勉強を「予定」として先に確保してしまいましょう。

おすすめは、30分をひとつの単位にすることです。人間の集中は、だらだら続けるより短く区切ったほうが保ちやすいと言われています。「25分集中して5分休む」というポモドーロ・テクニックが有名ですね。

具体的には、こんなふうにカレンダーへ書き込みます。

# 週の学習ブロック(例)
月〜金  07:20-07:50  通勤前の30分:手を動かす練習(Linux / ネットワーク)
月〜金  12:40-12:55  昼休みの15分:前日やった内容を思い出す(復習)
土      10:00-11:00  週末の60分:1週間の総まとめ+新しい章へ

ポイントは、「やる気が出たらやる」ではなく、「この時間になったらやる」に変えることです。意志の力に頼らず、時間割に頼る。これだけで、継続率は大きく変わります。

何を学ぶかの順番でまだ迷っているなら、先に未経験からの3ヶ月学習計画で全体像を決めてしまうと、この30分に何を入れるか悩まずに済みます。

夜にがんばれないなら、朝に「先取り」する

もう一つ、社会人にありがちな落とし穴があります。それは、勉強を一日の最後に回してしまうことです。

仕事で頭を使い切ったあとの夜は、集中力も意志の力も残っていません。そのタイミングに「今日こそ勉強するぞ」と決めても、続かないのは当然なのです。

そこでおすすめなのが、勉強を朝や昼など、まだ頭が元気なうちに先取りしてしまうことです。たとえば、始業前の30分や通勤中の時間を学習にあてる。夜にやる予定をゼロにしておけば、「疲れてできなかった」という罪悪感からも解放されます。

どうしても夜しか時間が取れない人は、夜は負荷の軽い「復習」だけにして、頭を使う「新しい理解」は朝に回す。時間帯と学習の中身を分けるだけで、同じ30分の密度がぐっと上がります。

短い時間でも「忘れない」学び方

「せっかく勉強しても、次の日には忘れている」。これも、多くの人が挫折する理由です。

でも、忘れるのは当たり前です。人間の記憶は、覚えた直後からどんどん薄れていきます。問題は忘れることそのものではなく、忘れたまま放置してしまうことにあります。

短い勉強時間を「積み上がる時間」に変えるには、記憶の仕組みに沿った学び方をするのが近道です。ここでは、研究でも効果が確かめられている2つの方法を紹介します。

その1:間隔をあけて復習する(分散学習)

同じ内容を一度にまとめて詰め込むより、日をあけて何度か復習したほうが、記憶は長く残ります。これは「分散学習」と呼ばれ、多くの学習研究で一貫して支持されている考え方です。

社会人の学習と、実はとても相性が良い方法でもあります。まとまった時間が取れないからこそ、「昨日やった内容を今日15分だけ思い出す」というやり方が、自然と分散学習になるからです。

忘れかけたころに、もう一度思い出す。この「思い出す負荷」こそが、記憶を長期の引き出しへ移してくれます。

だから、昼休みの15分は新しいことを詰め込む時間ではなく、前日の内容を軽く振り返る時間にあてる。これだけで、勉強した内容が驚くほど定着します。

その2:読み返すより「思い出す」(テスト効果)

もう一つ、ぜひ知っておいてほしいのがテスト効果(想起練習)です。

これは、テキストをもう一度読み返すよりも、いったん本を閉じて「何が書いてあったか自分で思い出す」ほうが、記憶に強く残るという現象です。

2つの学び方を比べると、その差がよくわかります。

学び方 やっていること 記憶への残りやすさ
再読中心 同じページを何度も読む 分かった気になるが残りにくい
想起中心 本を閉じて思い出す・書き出す 手間はかかるが強く残る

再読は、ラクで「勉強した気分」になれます。でも、頭を使っていないぶん、記憶には残りにくい。一方、思い出す作業はしんどいですが、その負荷こそが定着を生みます。

インフラの勉強でいえば、「サブネットマスクって何だっけ」と本を閉じて自分の言葉で説明してみる。うまく言えなければ、そこが弱点です。この一手間が、限られた時間を最大限に活かしてくれます。

やり方は、難しく考えなくて大丈夫です。テキストを一段落読んだら、いったん目を閉じて「今のところを人に説明するなら?」と自問する。あるいは、ノートに何も見ずに要点を書き出してみる。それだけで、想起練習になります。

移動中でスマホしか使えないなら、頭の中で「DNSは何をしてくれる仕組みだっけ」と問いを立てて、自分で答えてみるだけでも構いません。道具はいりません。思い出そうとする、その負荷そのものが記憶を鍛えてくれるからです。

インフラ学習を「続く仕組み」に変える3つの工夫

時間の見つけ方と、忘れない学び方が分かってきました。最後に、それを長く続けるための、インフラ学習ならではの工夫を3つ紹介します。

一つ目は、早い段階で手を動かす環境を持つことです。読むだけの勉強は飽きやすく、続きません。無料で作れる自宅の練習環境があると、学びが一気に楽しくなります。作り方は自宅で作るインフラ学習ラボにまとめてあるので、参考にしてみてください。まずはLinuxコマンドの基本を、1日1つ実際に打ってみるところからで十分です。

二つ目は、学びを記録に残すことです。学んだことをメモやノートに書き出すと、それ自体が「思い出す練習」になり、後から振り返る資産にもなります。インフラの現場では変更履歴を残す文化があるので、その練習も兼ねてGit/GitHubの基本から学習記録を残していくと、一石二鳥です。

三つ目は、ゴールから逆算して迷わないことです。「今日は何をやろう」と毎回考えるのは、それだけで気力を消耗します。あらかじめ道筋が決まっていれば、30分をすぐ学習に使えます。

その道筋づくりに役立つのが、InfraAcademyのロードマップです。たとえばネットワークのロードマップを開けば、初心者がどの順番で何を学べばいいかが整理されています。全体像を先につかみたい人は、インフラエンジニアの学習ロードマップもあわせて見ておくと安心です。

続けるコツは、気合ではなく「毎回の判断を減らすこと」。何を・いつ・どこでやるかを先に決めておけば、あとは実行するだけになります。

つまずいても、やめなければ負けではない

どんなに仕組みを整えても、忙しくて手が止まる週は必ずあります。それでいいのです。

大事なのは、途切れたときに「もうダメだ」と全部やめてしまわないこと。1日サボっても、次の日にまた30分だけ戻ってくればいい。勉強は、完璧に続けた人ではなく、やめなかった人が最後に到達します。

ここで役立つのが、いきなり元のペースに戻そうとしないことです。数日空いてしまったら、まずは5分だけ、前にやった内容を思い出すところから再開する。ハードルをうんと下げておけば、止まった学習にもう一度火をつけやすくなります。

完璧なペースを守ろうとするほど、一度崩れたときのダメージは大きくなります。それよりも「多少でこぼこでも、月単位でならちゃんと進んでいる」くらいの緩さのほうが、社会人の学習は長続きします。

AWSのように奥が深い分野で、なぜ初心者がつまずくのかを知っておくのも、立ち直りを早くしてくれます。気になる人はなぜ初心者はAWSの勉強で挫折するのかものぞいてみてください。

まとめ

今日は、働きながらインフラを学ぶための時間術と続け方をお話ししました。最後に要点を振り返ります。

社会人の半数以上は業務外で勉強していない。だからこそ、少しでも続けられた人が抜け出せます。時間はまとめて作るのではなく、一日のスキマから見つけて、30分ブロックとして先に予定へ入れてしまう。

そして、短い時間を無駄にしないために、間隔をあけて復習する分散学習と、読み返すより思い出すテスト効果を使う。あとは、手を動かし、記録に残し、ロードマップで迷わない。この3つで、学習は「続く仕組み」に変わります。

一気に変わろうとしなくて大丈夫です。まずは明日の朝、たった30分。そこから、あなたのインフラエンジニアへの道は動きはじめます。一緒に、少しずつ積み上げていきましょう。

参考記事

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この記事を書いた人

ryu

InfraAcademy運営 / エンジニア

エンジニア歴10年。Linux、ネットワーク、クラウドを中心に、実務で役立つインフラ技術を初心者にもわかりやすく解説しています。

X: @ryu63614894

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