InfraAcademy

InfraAcademy Blog

S3・EBS・EFSの違いは?CLF-C02で迷いやすいストレージの選び方を、練習問題8問で確認

著者: ryu | #aws #s3 #クラウドプラクティショナー
Linuxをブラウザで試してみる

Linux・ネットワーク・AWSを、環境構築なしで実践学習できます

この記事を共有

こんにちは、インフラエンジニアのryuです。

AWSクラウドプラクティショナー(CLF-C02)の問題で、S3とEBSとEFSのどれを選べばいいのか迷ったことはありませんか?

3つともデータを保存するサービスなので、名前だけで覚えようとすると、選択肢を見たときに手が止まってしまいます。

この記事では、S3・EBS・EFSの違いを、試験で問われやすい観点に絞って整理します。あわせて、インスタンスストアやS3 Glacierのように一緒に出てくるサービスにも触れます。

後半には、ストレージの選び方を確かめるオリジナルの練習問題を8問用意しました。1問ずつ正解と解説を付けています。

ストレージの問題は試験のどこで出る?

CLF-C02には4つの出題分野があります。ストレージのサービスがいちばん多く出てくるのは、分野3のクラウドテクノロジーとサービスです。

分野 配点 ストレージとの関係
1. クラウドのコンセプト 24% 容量を事前に決めなくてよい、という考え方
2. セキュリティとコンプライアンス 30% データの暗号化、バックアップの責任
3. クラウドテクノロジーとサービス 34% ストレージサービスの種類と使い分け
4. 請求、料金、およびサポート 12% 料金のかかり方、ストレージクラスの選び方

試験ガイドの分野3には、AWSのストレージサービスを特定するタスクがあり、オブジェクトストレージ、ブロックストレージ、ファイルストレージの使い分けが挙げられています。

試験の全体像は『CLF-C02の勉強方法』でまとめているので、まだ読んでいない方は先に目を通しておくと流れがつかみやすいです。

S3・EBS・EFSの違いとは?

まずは、3つのサービスを一言で確認しておきます。

S3は、ファイルをオブジェクトとして保存するストレージです。EC2が無くても単体で使えて、インターネット経由で読み書きできます。

EBSは、EC2に付けて使うディスク(ブロックストレージ)です。EC2から見ると、パソコンにつないだハードディスクと同じように扱えます。

EFSは、複数のEC2から同時に使えるファイル共有(ファイルストレージ)です。Linuxのサーバーから、NFSという方式でマウントして使います。

3つの違いは、データをどんな形で保存しているかから来ています。ここからは、試験で差がつく3つの観点で比べていきます。

観点1:保存のしかたとつなげ方

いちばん大事なのは、オブジェクト・ブロック・ファイルという保存のしかたの違いです。

項目 S3 EBS EFS
種類 オブジェクトストレージ ブロックストレージ ファイルストレージ
使い方 APIやHTTPSで読み書き EC2にアタッチしてディスクとして使う EC2からNFSでマウントする
EC2との関係 EC2が無くても使える 基本は1台のEC2に付ける 複数のEC2から同時に使える
置かれる範囲 リージョン 1つのアベイラビリティーゾーン(AZ) 複数のAZ(1つのAZに置く種類もある)
主な用途 画像・動画、バックアップ、静的サイト OSの起動ディスク、データベース 複数台で共有するファイル

EBSは1つのAZの中にあるので、同じAZのEC2にしかアタッチできません。別のAZやリージョンで使いたいときは、スナップショットを作ってそこから新しいボリュームを作ります。

EBSには、Multi-Attachという機能で1つのボリュームを複数のEC2に付ける方法もあります。ただ、対象は一部のボリュームタイプに限られ、同じAZの中だけです。CLF-C02の範囲では、EBSは基本的に1台のEC2に付けるもの、と覚えておけば十分です。

EFSは、AWSのドキュメントでもNFSv4.0とNFSv4.1に対応したファイルシステムとして説明されています。Linuxのサーバーで使うものなので、Windowsのサーバーでファイル共有をしたい場合は、Amazon FSx for Windows File Serverを選びます。

観点2:データが残るかどうか

もう1つよく問われるのが、EC2を止めたときにデータが残るかどうかです。

ここで一緒に出てくるのが、インスタンスストアです。インスタンスストアは、EC2が動いている物理的なホストに直接付いている一時的なディスクです。

項目 EBS インスタンスストア
EC2を再起動したとき 残る 残る
EC2を停止したとき 残る 消える
EC2を終了したとき 設定しだい(ルートボリュームは標準で削除) 消える
料金 用意した容量に応じて別にかかる インスタンスの料金に含まれる
向いている用途 残しておきたいデータ キャッシュなど、消えてもよい一時的なデータ

インスタンスストアは、停止や終了でデータが消えてしまいます。AWSのドキュメントでも、長く残したい大切なデータは、EBSやS3、EFSに置くようにすすめています。

EBSのボリュームは、EC2とは別に存在するので、EC2を止めてもデータは残ります。EBSのバックアップの取り方は『EC2のバックアップと復旧の方法』で、スナップショットを使った手順を紹介しています。

観点3:料金のかかり方と容量

料金のかかり方も、3つで違います。

項目 S3 EBS EFS
容量を事前に決めるか 決めない 決める(ボリュームのサイズ) 決めない
料金の基本 保存した量+リクエスト数など 用意した容量 保存した量
容量の増え方 置いた分だけ自動で増える 自分でサイズを変更する 置いた分だけ自動で増える

EBSは、実際に使っている量ではなく、用意した容量に対して料金がかかります。100GBのボリュームを作って10GBしか使っていなくても、100GB分の料金です。

S3は、1つのオブジェクトの大きさは最大5TBまでですが、全体の容量に上限を決める必要はありません。また、イレブンナイン(99.999999999%)の耐久性を持つように設計されていることも、試験でよく出てくるポイントです。

S3には、使い方に合わせて選べるストレージクラスがあります。

# S3の主なストレージクラス(よく使う順のイメージ)
S3 Standard              … よく使うデータ。標準のクラス
S3 Intelligent-Tiering   … アクセスの頻度が読めないデータ。自動でクラスを移す
S3 Standard-IA           … あまり使わないが、すぐに取り出したいデータ
S3 Glacier 系            … アーカイブ用。保存料金が安いぶん、取り出しに条件がある

Glacierの中にも、すぐに取り出せるものから、取り出しに時間がかかるかわりに保存料金がいちばん安いDeep Archiveまで、いくつかの種類があります。

練習問題でストレージの選び方を確かめよう

ここまでの内容を、オリジナルの練習問題で確認してみましょう。問題はすべてこの記事のために作ったもので、実際の試験問題ではありません。

S3の基本的な問題は『CLF-C02の練習問題10問』でも扱っています。今回は、それとは別の問題です。

問題1

ある会社では、Linuxで動く複数のEC2インスタンスから、同じファイルを同時に読み書きしたいと考えています。インスタンスは複数のアベイラビリティーゾーンに分かれています。最も適したサービスはどれですか。

  • A. Amazon EBS
  • B. Amazon EFS
  • C. インスタンスストア
  • D. Amazon S3 Glacier Deep Archive

正解:B

EFSは、複数のEC2からNFSで同時にマウントできるファイルストレージです。複数のAZにまたがって使えます。EBSは基本的に1台のEC2に付けるもので、別のAZのEC2にはアタッチできません。

問題2

EC2インスタンスでデータベースを動かすために、OSから直接ディスクとして使える、低いレイテンシーのストレージを用意したいと考えています。インスタンスを停止してもデータは残す必要があります。最も適したサービスはどれですか。

  • A. Amazon EBS
  • B. Amazon S3
  • C. インスタンスストア
  • D. AWS Storage Gateway

正解:A

EBSは、EC2にアタッチして使うブロックストレージで、インスタンスを停止してもデータが残ります。インスタンスストアもディスクとして使えますが、停止するとデータが消えるので条件に合いません。S3はディスクとしてマウントするものではなく、APIで読み書きするオブジェクトストレージです。

問題3

EC2インスタンスで、処理の途中に作る一時的なキャッシュを置く場所を探しています。インスタンスを停止したときにデータが消えてもかまわず、追加のストレージ料金をかけたくありません。最も適したものはどれですか。

  • A. Amazon EFS
  • B. Amazon S3 Standard
  • C. インスタンスストア
  • D. Amazon EBS

正解:C

インスタンスストアは、インスタンスの料金に含まれる一時的なストレージです。停止や終了でデータは消えますが、キャッシュのように消えてもよいデータには向いています。EBSやEFS、S3は、保存した量や用意した容量に応じて別に料金がかかります。

問題4

法律で決められた期間、取引の記録を保存しておく必要があります。めったに取り出すことはなく、取り出すときは数時間かかってもかまいません。保存の料金をできるだけ安くしたい場合、最も適したものはどれですか。

  • A. Amazon EBS
  • B. Amazon S3 Standard
  • C. Amazon EFS
  • D. Amazon S3 Glacier Deep Archive

正解:D

S3 Glacier Deep Archiveは、長期保存のアーカイブ向けのストレージクラスで、S3の中で保存料金がいちばん安く設定されています。そのかわり、データの取り出しには時間がかかります。めったに取り出さない記録の長期保存という条件に合っています。

問題5

EC2インスタンスに付けているEBSボリュームのバックアップを取り、障害のときに同じデータのボリュームを作り直せるようにしたいと考えています。最も適した方法はどれですか。

  • A. EBSスナップショットを作成する
  • B. データをインスタンスストアにコピーする
  • C. インスタンスを停止して、そのままにしておく
  • D. Amazon CloudFrontに配信の設定をする

正解:A

EBSスナップショットは、ある時点のEBSボリュームのバックアップです。スナップショットから新しいボリュームを作れるので、別のAZで作り直すこともできます。インスタンスストアは停止で消えるので、バックアップ先には向きません。

問題6

Windowsで動く複数のEC2インスタンスから、SMBという方式でファイルを共有したいと考えています。最も適したサービスはどれですか。

  • A. Amazon EFS
  • B. Amazon FSx for Windows File Server
  • C. Amazon EBS
  • D. インスタンスストア

正解:B

FSx for Windows File Serverは、Windowsのファイル共有で使われるSMBに対応した、マネージドのファイルストレージです。EFSもファイル共有のサービスですが、NFSを使うLinux向けのものなので、この条件には合いません。

問題7

Amazon EBSについての説明として、正しいものはどれですか。

  • A. 別のリージョンのEC2インスタンスに、そのままアタッチできる
  • B. EC2インスタンスを停止すると、データが消える
  • C. 同じアベイラビリティーゾーンにあるEC2インスタンスにアタッチして使う
  • D. 実際に保存したデータの量だけに料金がかかる

正解:C

EBSのボリュームは1つのAZの中に作られ、同じAZのEC2にアタッチして使います。別のリージョンで使うには、スナップショットをコピーしてボリュームを作り直します。停止でデータが消えるのはインスタンスストアの特徴です。EBSの料金は、用意した容量に対してかかります。

問題8

社内のデータセンターにあるサーバーから、AWSのストレージをバックアップ先や共有のファイル置き場として使いたいと考えています。オンプレミスとAWSのストレージをつなぐためのサービスはどれですか。

  • A. AWS Storage Gateway
  • B. Amazon EBS
  • C. インスタンスストア
  • D. AWS Lambda

正解:A

Storage Gatewayは、オンプレミスの環境からAWSのストレージを使えるようにする、ハイブリッドクラウド向けのサービスです。EBSやインスタンスストアは、EC2に付けて使うストレージなので、オンプレミスのサーバーから直接使うものではありません。

間違えやすいポイントのまとめ

練習問題で間違えた問題があったら、次の点を見直してみてください。

問題文のキーワード 選ぶもの
複数のLinuxサーバーで共有、NFS EFS
Windowsのファイル共有、SMB FSx for Windows File Server
EC2のディスク、OSの起動、データベース EBS
消えてもよい一時データ、追加料金なし インスタンスストア
画像や動画、容量を決めない、静的サイト S3
長期保存、めったに取り出さない S3 Glacier 系
オンプレミスからAWSのストレージを使う Storage Gateway

CLF-C02のストレージの問題は、「何台から使うか」「止めたら残るか」「どれくらいの頻度で取り出すか」の3つを読み取れれば、ほとんど解けます。

S3を実際に使ってみたい方は、『S3とCloudFrontで静的サイトをHTTPSで公開する方法』で手順を紹介しています。EBSを付けて使うEC2そのものは『EC2とは?』、Lambdaとの違いは『EC2とLambdaの違い』で解説しています。

InfraAcademyで問題演習を続けよう

ストレージの使い分けが分かったら、ほかの分野の問題も解きながら、試験の形式に慣れておきましょう。

InfraAcademyでは「AWS認定 クラウドプラクティショナー模擬試験150問」を用意しています。ストレージだけでなく、4つの分野の問題を本番に近い形で解き進められます。

InfraAcademyの資格模擬問題 から、CCNAやLPICの問題集とあわせて確認できます。

試験のあとも見すえて、AWSの基礎を順番に学びたい方は、AWSロードマップ で学ぶ順番を確認してみてください。

まとめ

S3・EBS・EFSの違いについて、ポイントを振り返ります。

  • S3はオブジェクト、EBSはブロック、EFSはファイルのストレージ
  • EBSは同じAZの1台のEC2に付けるディスク、EFSは複数のEC2から同時に使える共有
  • インスタンスストアは停止や終了でデータが消える一時的なディスク
  • EBSは用意した容量、S3とEFSは保存した量に応じて料金がかかる
  • 長期保存はS3 Glacier系、Windowsのファイル共有はFSx for Windows File Server

3つのサービスは、保存のしかたの違いから整理すると覚えやすくなります。問題文を読んだら、まず「何台から使うのか」を確認する習慣をつけてみてください。

参考

Next Action

記事で読んだ内容を、講座で実装してみましょう

InfraAcademyでは、ブラウザ上でLinuxやネットワークの実践環境を使いながら学習できます。無料で始められる講座から、学習の流れを試せます。

この記事を書いた人

ryu

株式会社InfraAcademy 代表 / エンジニア

大手メーカーでインフラエンジニアとして勤務した後、ベンチャー企業・スタートアップでフルスタックエンジニアを経験。その後、起業し学習サービス「InfraAcademy」を運営しています。
保有資格:ネットワークスペシャリストなど 運営会社:株式会社InfraAcademy

Related

関連記事

ブログ一覧へ

Roadmap

まずはこの4講座から

ログインすれば無料で始められる講座です。気になったテーマから手を動かして学べます。

講座一覧を見る