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AWSのアカウント作成が変わる。クレジットカード不要・Googleアカウントで登録できる新しいサインアップと、学習者が気をつけること

著者: ryu | #aws #CLF-C02 #AWS無料利用枠
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こんにちは、インフラエンジニアのryuです。

AWSのアカウントを作るとき、最初にクレジットカードの登録で手が止まった人は多いと思います。

その入口が変わりつつあります。AWSは2026年9月16日に、新しいサインアップの仕組みを発表しました。GoogleやGitHubなどのアカウントで登録でき、多くの新規利用者はクレジットカードなしで始められる、という内容です。

この記事では、新しいサインアップで何が変わったのかと、これからAWSを勉強する人・CLF-C02を受ける人がどこに気をつければいいのかを整理します。

なお、この仕組みは一部の新規利用者から順番に提供されている段階です。登録する時期や環境によっては、これまでどおりの画面が表示されることもあります。

AWSの新しいサインアップとは?

まずは発表の中身を確認しておきましょう。

AWSのブログでは、新しい始め方として次のような点が紹介されています。

項目 新しいサインアップ
登録方法 Google・GitHub・Apple・Amazonのアカウントで登録できる
クレジットカード 多くの新規利用者は不要
無料クレジット 登録時に100ドル、対象サービスを試すと最大100ドル追加
環境の単位 プロジェクト(1つのAWSアカウントを含む)
費用の上限 有料プランでは、プロジェクトごとに月額の支出上限を設定できる
権限の設定 IAMユーザーを作らなくても使い始められる

これまでは、メールアドレスとパスワードでルートユーザーを作り、住所と支払い情報を入れて、電話番号を確認する、という流れでした。

新しいサインアップでは、手元にあるログイン手段をそのまま使って、すぐに作業を始められるようにしています。

無料プランとクレジットの仕組み

無料で使える範囲の考え方は、2025年7月から始まったクレジット方式がベースになっています。

AWSの発表によると、新規利用者は登録時に100ドル分のクレジットを受け取り、EC2やLambda、Budgetsなど決められたサービスを試すことで、さらに最大100ドル分を受け取れます。

無料プランは、6か月が過ぎるか、クレジットを使い切るか、どちらか早いほうで終わります。その時点で有料プランに切り替えなければ、アカウントは閉じられます。

以前のような「EC2のt2.microが12か月間、毎月750時間まで無料」という枠は、2025年7月15日より前に作ったアカウント向けの内容です。古い解説記事を読むときは、どちらの方式の話なのかを確認しましょう。

「プロジェクト」という新しい単位

新しいサインアップで作った環境は、プロジェクトという単位で管理されます。

1つのプロジェクトには1つのAWSアカウントが含まれていて、その中にEC2やS3などのリソースを作ります。別のプロジェクトのリソースとは、初期状態では分けられています。

チームで使う場合は、メンバーのメールアドレスに招待を送り、どのプロジェクトを触れるかを指定します。招待された側は、IAMの細かい設定を知らなくても参加できるようになっています。

これまでのサインアップと何が違う?

新しい仕組みは「早く始めたい人」向けで、細かく設定したい人向けの方法も残っています。

AWSのドキュメントでは、新しい方式を「Sign up for AWS (new)」、従来に近い方式を「Sign up for AWS (advanced)」として比べています。主な違いを表にすると次のとおりです。

比べる点 new(新しい方式) advanced(従来に近い方式)
リージョンの選択 選べない(自動で決まる) 選べる
オプトインリージョン 使えない 使える
支出上限 使える 新しい方式のような上限機能はない
IAM Access Analyzer 含まれない 使える
向いている人 すぐに試したい人、学習や個人開発 細かく管理したい人、規制のある業務

あとから細かい設定が必要になった場合は、AWS Settingsから高度な機能を有効にできます。移行作業や停止は不要ですが、有料プランになっている必要があります。

リージョンは自動で決まる

学習者が特に気をつけたいのが、リージョンの扱いです。

新しい方式では、連絡先の住所の国をもとに、次の3つのリージョンのどれかが自動で割り当てられます。

リージョン コード
米国東部(オハイオ) us-east-2
欧州(ストックホルム) eu-north-1
アジアパシフィック(シドニー) ap-southeast-2

この中に東京リージョン(ap-northeast-1)は入っていません。また、あとで連絡先を変えても、割り当てられたリージョンは変わりません。

教材や本の手順は東京リージョンを前提にしていることが多いので、画面の右上に出るリージョン名が違っていても慌てないようにしましょう。どのリージョンになったかは、AWS Settingsのプロジェクトの画面で確認できます。

リージョンの考え方そのものは、CLF-C02でも問われる基本です。EC2とは?で、リージョンとアベイラビリティーゾーンの関係もあわせて押さえておくと理解しやすくなります。

支出上限で、使いすぎを止められる

もう1つの大きな変更が、支出上限です。

有料プランに切り替えるときに支払い方法を登録し、プロジェクトごとに月の支出上限を決めます。上限は月20ドルから設定できます。

上限に達すると、そのプロジェクトはその月のあいだ一時停止されます。上限の50%、75%、90%に達したときや、10日以内に上限を超えそうなときには通知が届きます。

これまでのAWSでは、AWS Budgetsで作れるのは基本的に通知で、使いすぎを自動で止める仕組みは自分で用意する必要がありました。そのため、消し忘れたEC2で請求が来た、という失敗談がよくありました。

EC2の無料枠を超えて課金されてしまった話のような事故を防ぐ仕組みが、最初から用意された形です。

AWSを勉強中の人・CLF-C02受験者への影響は?

ここからは、学習者にとって何が変わるのかを見ていきます。

結論から言うと、AWSを触り始めるハードルは下がりますが、試験で問われる内容がこの変更で変わるわけではありません。

練習用の環境は作りやすくなる

クレジットカードを持っていない学生や、カードを登録するのが不安だった人にとっては、まず触ってみるまでの距離が短くなります。

支出上限があるので、有料プランに切り替えたあとも、想定外の請求を受ける心配は小さくなります。手を動かしながら覚えたい人には、うれしい変更です。

ただし、この方式がすべての人に表示されるわけではありません。過去にAWSアカウントを持っていた人は、無料プランやクレジットの対象外になることがあります。

IAMの勉強は、これまでどおり必要

新しい方式では、IAMユーザーを作らなくても使い始められます。

だからといって、IAMを勉強しなくてよいわけではありません。CLF-C02の配点でいちばん大きいのは「クラウドテクノロジーとサービス」(34%)ですが、次に大きい「セキュリティとコンプライアンス」(30%)では、ルートユーザーの扱いやIAMの考え方が中心に出てきます。

また、実際の仕事で使うAWSアカウントの多くは、従来の方式で作られた環境です。現場ではIAMユーザーやIAMロールを読んだり作ったりする場面がたくさんあります。

試験と現場の両方を考えるなら、IAMユーザーとIAMロールの違いは、新しい方式で始めた人こそ一度読んでおいてほしい内容です。

請求とコストの問題は、むしろ考えやすくなる

CLF-C02には「請求、料金、およびサポート」という分野があり、配点は12%です。

支出上限、無料プラン、クレジットといった仕組みは、まさにこの分野と関係します。自分のアカウントで「いくら使ったか」「上限はいくらか」を見る習慣がつくと、料金モデルの問題も身近に感じられるはずです。

試験の範囲は公式の試験ガイドで決まっているので、新しい機能の名前が出題されるかどうかは分かりません。勉強の軸は、これまでどおりCLF-C02の勉強方法で紹介している4分野で考えましょう。

これからアカウントを作る人がやっておきたいこと

新しい方式でも、従来の方式でも、最初にやっておくと安心なことがあります。

次の表は、どちらの方式で登録したかによって、最初の確認ポイントをまとめたものです。

確認すること new(新しい方式) advanced・従来の方式
使いすぎを防ぐ 有料プランにするときに支出上限を決める AWS Budgetsで予算アラートを作る
どのリージョンか 自動で割り当てられたリージョンを確認する 自分で東京リージョンなどを選ぶ
ログインのしかた 登録に使ったGoogleなどのアカウントを守る ルートユーザーにMFAを設定し、作業用のユーザーを作る
無料の範囲 クレジットの残りと、無料プランの期限を見る 自分のアカウントがどの無料枠の対象か確認する

従来の方式で作った人は、AWS初心者が最初に試したい3つの操作で、予算アラートと作業用ユーザーの作り方をそのまま試せます。

新しい方式で作った人は、登録に使ったGoogleやGitHubのアカウントが、そのままAWSへの入口になります。そちらのアカウントにも2段階認証を設定しておきましょう。

自分の環境をCLIで確かめる

どちらの方式でも、CloudShellなどでAWS CLIが使えれば、自分が今どのアカウントで、どのリージョンを使っているかを確かめられます。

# 今の認証情報が、どのアカウントの誰なのかを表示する
aws sts get-caller-identity

# CLIが使うリージョンの設定を表示する
aws configure get region

get-caller-identity の結果には、アカウントIDと、操作している主体を表すARNが出てきます。

教材の手順と結果が合わないときは、まずアカウントとリージョンが想定どおりかを確認すると、原因を見つけやすくなります。

無料プランが終わる前に決めておくこと

無料プランは、期限が来るかクレジットを使い切ると終わります。有料プランに切り替えなければアカウントは閉じられるので、作ったリソースや練習の記録も使えなくなると考えておきましょう。

勉強が続きそうなら、期限が近づいた時点で、有料プランに切り替えて支出上限を決めるかどうかを判断します。

上限をいくらにするかは、学習でどれくらい使うかによって変わります。まずは小さめの金額で始めて、足りなくなったら見直す、という決め方で十分です。

InfraAcademyで、アカウントを作る前に練習する

新しい方式でAWSに登録しやすくなったとはいえ、無料プランには期限とクレジットの上限があります。

何をどう作るかを決めてから触ったほうが、限られたクレジットを有効に使えます。

InfraAcademyでは、AWSの講座の中にあるシミュレーターで、実際のアカウントを使わずに操作の流れを練習できます。AWSの学習ロードマップで順番を確認してから、シミュレーターで手順を覚え、最後に自分のアカウントで確かめる、という進め方がおすすめです。

AWSの全体像をつかみたい人は、AWSの勉強方法もあわせて読んでみてください。

まとめ

AWSの新しいサインアップのポイントを振り返ります。

  • GoogleやGitHubなどのアカウントで登録でき、多くの新規利用者はクレジットカード不要
  • 無料プランは、6か月かクレジットを使い切るまで。登録時に100ドル、対象サービスを試すと最大100ドル追加
  • 環境はプロジェクト単位で、リージョンは連絡先の国から自動で決まる(東京は含まれない)
  • 有料プランでは、プロジェクトごとに月20ドルからの支出上限を設定できる
  • まだ一部の新規利用者への提供で、従来の方式(advanced)も残っている

始めやすくなった分、IAMや料金の仕組みを理解しないまま進めてしまうこともありえます。

手を動かせる環境が手に入りやすくなった今こそ、試験の範囲と照らし合わせながら、AWSの基本を一つずつ確かめていきましょう。

参考

Next Action

記事で読んだ内容を、講座で実装してみましょう

InfraAcademyでは、ブラウザ上でLinuxやネットワークの実践環境を使いながら学習できます。無料で始められる講座から、学習の流れを試せます。

この記事を書いた人

ryu

株式会社InfraAcademy 代表 / エンジニア

大手メーカーでインフラエンジニアとして勤務した後、ベンチャー企業・スタートアップでフルスタックエンジニアを経験。その後、起業し学習サービス「InfraAcademy」を運営しています。
保有資格:ネットワークスペシャリストなど 運営会社:株式会社InfraAcademy

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