こんにちは、インフラエンジニアのryuです。
CCNAの勉強を進めていると、参考書を読んでいるときは分かったつもりなのに、問題になると手が止まることがありませんか?
特にサブネットの計算や、ルーティングテーブルからどの経路が選ばれるかを答える問題は、読むだけではなかなか身につきません。
この記事では、CCNA(200-301)の6つの出題分野から、練習問題を10問用意しました。すべてオリジナルの問題で、1問ずつ正解と解説を付けています。
勉強の始め方や教材選びについては『CCNAの勉強方法』で書いているので、ここでは問題を解くことに集中していきます。
CCNA(200-301)の試験の基本¶
問題に入る前に、試験の基本を確認しておきます。
CCNAは、Ciscoが認定しているネットワークの資格です。試験は 200-301 の1科目だけで、合格するとCCNAに認定されます。
現在の試験はバージョン1.1で、試験時間は120分です。Ciscoの発表では、v1.1を受けられるのは2027年2月2日までで、2月3日からはv2.0に切り替わります。
この記事の問題は、現行のv1.1の出題範囲をもとに作っています。v2.0で範囲の分け方が変わる予定なので、受験日が2027年2月以降になる方は、Ciscoの公式サイトでv2.0の出題範囲も確認してください。
6つの出題分野と割合¶
CCNA v1.1の出題範囲は、次の6つの分野に分かれています。
| 分野 | 割合 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 1.0 Network Fundamentals | 20% | ネットワーク機器の役割、TCPとUDP、IPv4とIPv6のアドレス |
| 2.0 Network Access | 20% | VLAN、トランク、STP、無線LAN |
| 3.0 IP Connectivity | 25% | ルーティングテーブル、スタティックルート、OSPF |
| 4.0 IP Services | 10% | NAT、DHCP、DNS、NTP |
| 5.0 Security Fundamentals | 15% | ACL、ポートセキュリティ、パスワードの管理 |
| 6.0 Automation and Programmability | 10% | REST API、JSON、構成管理ツール |
いちばん割合が大きいのは、ルーティングを扱うIP Connectivityの25%です。
今回の10問も、この割合に近くなるように振り分けています。
| 問題 | 分野 |
|---|---|
| 問題1〜2 | Network Fundamentals |
| 問題3〜4 | Network Access |
| 問題5〜7 | IP Connectivity |
| 問題8 | IP Services |
| 問題9 | Security Fundamentals |
| 問題10 | Automation and Programmability |
正解は各問題の下にある引用ブロックに書いています。先に答えを見ないように、自分の答えを決めてから読み進めてください。
Network Fundamentalsの練習問題¶
まずは、ネットワークの基礎の分野から2問です。
問題1:サブネットのネットワークアドレス¶
ホストに 192.168.10.70/26 というIPアドレスが設定されています。このホストが所属するネットワークのネットワークアドレスはどれですか?
- A.
192.168.10.0 - B.
192.168.10.64 - C.
192.168.10.70 - D.
192.168.10.127
正解:B
/26のサブネットマスクは255.255.255.192で、第4オクテットは64ずつに区切られます。範囲は0〜63、64〜127、128〜191、192〜255の4つです。70は64〜127に入るので、ネットワークアドレスは192.168.10.64です。Dの192.168.10.127は、同じ範囲のブロードキャストアドレスになります。
サブネットの計算は、ほかの分野の問題にも出てくる土台です。マスクの意味があいまいな方は『サブネットマスクとは?』を、計算のスピードを上げたい方は『サブネット計算の練習』を使ってみてください。
問題2:UDPの特徴¶
UDPの説明として正しいものはどれですか?
- A. 通信を始める前に、3ウェイハンドシェイクで接続を確立する
- B. 届かなかったデータを、UDP自身が再送することはない
- C. シーケンス番号を使って、受け取ったデータを順番どおりに並べ直す
- D. ウィンドウサイズを使って、送信する量を調整する
正解:B
UDPはコネクションレス型のプロトコルで、接続の確立も再送もしません。そのぶん処理が軽く、音声や動画、DNSの問い合わせなどに使われます。A・C・Dはどれも、信頼性を確保するためのTCPの仕組みです。
TCPの接続の始まり方は『TCPの3ウェイハンドシェイク』で詳しく説明しています。
Network Accessの練習問題¶
次はスイッチの分野です。VLANとSTPから1問ずつ出します。
問題3:トランクのネイティブVLAN¶
2台のスイッチを 802.1Q のトランクでつないでいます。ネイティブVLANのフレームは、トランク上でどのように送られますか?
- A. VLAN 1のタグを付けて送られる
- B. ネイティブVLANの番号のタグを付けて送られる
- C. タグを付けずに送られる
- D. トランクでは送られず、破棄される
正解:C
802.1Qのトランクでは、ネイティブVLANのフレームだけはタグを付けずに送ります。受け取った側は、タグが無いフレームを自分のネイティブVLANのものとして扱います。そのため、両端のスイッチでネイティブVLANの番号がそろっていないと、別のVLANにフレームが流れてしまいます。
ネイティブVLANの設定は、『ネイティブVLANとは?』で実際のコマンドと一緒に確認できます。
問題4:STPのルートブリッジの選ばれ方¶
3台のスイッチが同じVLANでSTPを動かしています。ブリッジプライオリティはすべて初期値の 32768 で、MACアドレスは次のとおりです。
| スイッチ | MACアドレス |
|---|---|
| SW1 | 0011.2233.4455 |
| SW2 | 0011.2233.4400 |
| SW3 | 00AA.2233.4401 |
ルートブリッジに選ばれるのはどのスイッチですか?
- A. SW1
- B. SW2
- C. SW3
- D. 3台とも同じなので、ルートブリッジは決まらない
正解:B
ルートブリッジは、ブリッジIDがいちばん小さいスイッチに決まります。ブリッジIDはプライオリティとMACアドレスの組み合わせで、まずプライオリティを比べ、同じならMACアドレスを比べます。今回はプライオリティが同じなので、MACアドレスがいちばん小さいSW2がルートブリッジになります。
STPの問題では、「プライオリティを先に比べる」という順番を忘れないことが大事です。プライオリティを下げて、特定のスイッチをルートブリッジにする設定もよく問われます。
IP Connectivityの練習問題¶
割合がいちばん大きい分野なので、3問用意しました。ルーティングテーブルの読み方が中心です。
問題5:どの経路が選ばれるか¶
ルーターのルーティングテーブルに、次の4つの経路があります。
S* 0.0.0.0/0 [1/0] via 10.255.0.1
O 10.0.0.0/8 [110/20] via 10.0.12.2, GigabitEthernet0/1
O 10.1.0.0/16 [110/30] via 10.0.13.3, GigabitEthernet0/2
S 10.1.1.0/24 [1/0] via 10.0.14.4
宛先が 10.1.1.20 のパケットは、どの経路で転送されますか?
- A.
0.0.0.0/0 - B.
10.0.0.0/8 - C.
10.1.0.0/16 - D.
10.1.1.0/24
正解:D
宛先に一致する経路が複数あるとき、ルーターはプレフィックス長がいちばん長い経路を選びます(ロンゲストマッチ)。
10.1.1.20には/0、/8、/16、/24のすべてが一致しますが、いちばん長い/24の10.1.1.0/24が使われます。
ルーティングテーブルの見方は『show ip routeコマンドの使い方』で、1行ずつ意味を説明しています。
問題6:同じ宛先の経路が2つあるとき¶
ルーターに、192.168.50.0/24 への経路として、スタティックルートとOSPFで学習した経路の両方があります。プレフィックス長はどちらも /24 で、設定は初期値のままです。
ルーティングテーブルに載るのはどちらですか?
- A. スタティックルート
- B. OSPFの経路
- C. 両方が載り、交互に使われる
- D. メトリックが小さいほう
正解:A
プレフィックス長が同じ経路が、別々の方法で学習されたときは、アドミニストレーティブディスタンス(AD)が小さいほうが選ばれます。初期値のADは、スタティックルートが
1、OSPFが110です。そのため、スタティックルートがルーティングテーブルに載ります。メトリックは、同じルーティングプロトコルの中で経路を比べるときに使う値です。
問題5と問題6は、判断の順番がセットになっています。まずプレフィックス長で比べ、同じならADで比べ、それも同じならメトリックで比べる、と覚えておきましょう。
問題7:スタティックルートの設定コマンド¶
Ciscoルーターで、192.168.20.0/24 宛てのパケットを、ネクストホップ 10.0.0.2 に送るスタティックルートを設定します。正しいコマンドはどれですか?
- A.
ip route 192.168.20.0 255.255.255.0 10.0.0.2 - B.
ip route 10.0.0.2 192.168.20.0 255.255.255.0 - C.
ip route 192.168.20.0/24 10.0.0.2 - D.
route add 192.168.20.0 255.255.255.0 10.0.0.2
正解:A
Cisco IOSのスタティックルートは、
ip route 宛先ネットワーク サブネットマスク ネクストホップの順に書きます。IOSのip routeでは、Cのように/24の形でマスクを書くことはできません。Dのroute addはCisco IOSのコマンドではありません。
スタティックルートの設定は『ルーターで静的ルートを設定する方法』で手順を追って確認できます。
IP ServicesとSecurity Fundamentalsの練習問題¶
ここからは、割合が10〜15%の分野から1問ずつです。
問題8:NATのアドレスの呼び方¶
社内のPC 192.168.1.10 が、ルーターのNATで 203.0.113.5 に変換されて、インターネット上のWebサーバー 198.51.100.80 と通信しています。
203.0.113.5 は、NATの用語で何と呼ばれますか?
- A. inside local
- B. inside global
- C. outside local
- D. outside global
正解:B
insideは社内側のホスト、outsideは社外側のホストを表します。localは社内のネットワークから見たアドレス、globalは社外から見たアドレスです。社内のPCが、外から見えるときに使うアドレスなので、
203.0.113.5はinside globalです。変換前の192.168.1.10はinside localになります。
4つの用語は、表にして覚えると整理しやすくなります。
| 用語 | 指しているもの | 今回の例 |
|---|---|---|
| inside local | 社内のホストの、社内での住所 | 192.168.1.10 |
| inside global | 社内のホストの、外から見た住所 | 203.0.113.5 |
| outside global | 社外のホストの、外での住所 | 198.51.100.80 |
NATの考え方は『NATとは?』で、Ciscoルーターでの設定は『NATの設定方法』で確認できます。
問題9:ポートセキュリティの違反時の動作¶
Ciscoスイッチのインターフェースで、switchport port-security だけを有効にしました。違反時の動作(violation mode)は設定していません。
許可されていないMACアドレスの端末がつながったとき、初期値ではどうなりますか?
- A. フレームを破棄するだけで、ログは残さない(protect)
- B. フレームを破棄し、違反のカウンターを増やす(restrict)
- C. インターフェースがerr-disabledになり、通信が止まる(shutdown)
- D. 何もせず、通信を許可する
正解:C
ポートセキュリティの違反時の動作は、初期値が
shutdownです。違反が起きるとインターフェースがerr-disabledの状態になり、そのポートの通信は止まります。元に戻すには、インターフェースでshutdownとno shutdownを入れ直すか、errdisableの自動復旧を設定します。
ポートセキュリティの設定方法は『ポートセキュリティの設定方法』で解説しています。
Automation and Programmabilityの練習問題¶
最後は、自動化の分野から1問です。
問題10:REST APIで情報を取得するメソッド¶
ネットワーク機器のコントローラーが、REST APIを提供しています。インターフェースの一覧を取得するだけで、設定は変更しません。
このとき使うHTTPメソッドとして、最も適切なものはどれですか?
- A.
GET - B.
POST - C.
PUT - D.
DELETE
正解:A
REST APIでは、情報の取得に
GETを使います。POSTは新しく作成するとき、PUTは置き換えて更新するとき、DELETEは削除するときに使うのが一般的です。CRUD(作成・読み取り・更新・削除)とHTTPメソッドの対応は、この分野でよく問われます。
自動化の分野は、ネットワークの経験が長い人ほど後回しにしがちです。割合は10%ありますが、覚えることは比較的少ないので、点を取りやすい分野でもあります。
間違えやすいポイントのまとめ¶
10問を解いてみて、どうでしたか?間違えた問題があったら、次の表で見直してみてください。
| テーマ | 間違えやすいところ |
|---|---|
| サブネット | ブロックサイズ(256からマスクの値を引いた数)で範囲を区切る |
| ネイティブVLAN | ネイティブVLANだけはタグが付かない |
| STP | プライオリティを先に比べ、同じならMACアドレスを比べる |
| 経路の選択 | プレフィックス長 → AD → メトリックの順に比べる |
| スタティックルート | IOSでは /24 ではなくサブネットマスクで書く |
| NAT | inside/outsideは社内か社外か、local/globalはどこから見たか |
| ポートセキュリティ | 違反時の初期値は shutdown |
CCNAの問題は、用語を知っているかよりも、判断の順番を理解しているかを問うものが多いです。
特にIP Connectivityの分野では、ルーティングテーブルを見て、どの経路が使われるかを答える問題がよく出ます。問題5と問題6で迷った方は、比べる順番をもう一度確認しておきましょう。
コマンドは、手を動かして覚える¶
問題7や問題9のように、コマンドの書き方を問う問題もあります。
こうした問題は、実際にコマンドを打ったことがあるかどうかで、答えるスピードがかなり変わります。Cisco Packet Tracerのようなシミュレーターや、ブラウザでCiscoのコマンドを練習できる『InfraAcademyのCiscoコマンド練習』を使って、手を動かしておくのがおすすめです。
InfraAcademyで続きの問題を解く¶
10問だけでは、本番の試験の感覚にはまだ届きません。
InfraAcademyでは、「CCNA模擬試験200問」を用意しています。今回の問題と同じように分野ごとに解けるので、この記事で見つけた苦手な分野を、そのまま問題演習で埋めていけます。
InfraAcademy の資格模擬問題 から、LPICやAWSの問題集とあわせて確認できます。
問題を解くだけでなく、ネットワークの基礎から順番に学び直したい方は、ネットワークロードマップ で学ぶ順番を確認してみてください。CCNAの範囲と重なる内容が多いので、試験勉強と並行して進めやすいはずです。
まとめ¶
CCNA(200-301)は、120分の試験で、6つの分野から出題されます。現行のv1.1は2027年2月2日まで受験でき、2月3日からはv2.0に切り替わります。
割合がいちばん大きいのはIP Connectivityの25%で、ルーティングテーブルから使われる経路を判断する力が問われます。プレフィックス長、AD、メトリックの順に比べる、という流れは必ず押さえておきましょう。
サブネットやVLAN、NATの用語も、表にして違いを一言で言えるようにしておくと、問題で迷いにくくなります。
今日の10問で手応えをつかめたら、次は問題数を増やして、時間を計って解いてみてください。



