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CCNAに過去問はある?公開されない理由と、過去問の代わりに使える問題演習のやり方

著者: ryu | #CCNA #資格 #練習問題
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こんにちは、インフラエンジニアのryuです。

この記事は、CCNAの勉強を始めて、過去問を探している人に向けて書いています。

基本情報技術者試験のような国家試験なら、過去問が公式サイトで公開されています。なので、CCNAにも同じように過去問があると思って検索する人は多いはずです。

ところが、CCNAには公式の過去問がありません。検索すると「過去問」や「無料」と書かれたサイトは見つかりますが、その多くは使わないほうがいいものです。

この記事では、過去問が公開されない理由、ネットの「過去問」を使うリスク、そして過去問の代わりにどうやって問題演習をすればいいかを順番に紹介します。最後に、オリジナルの確認問題を5問つけました。

CCNAの勉強をどこから始めればいいか分からない人は、先にCCNAの勉強方法の記事を読んでおくと全体の流れがつかめます。

CCNAに過去問はある?

結論から書くと、Ciscoは CCNA(200-301)の試験問題を公開していません。基本情報技術者試験のように、過去の回の問題と正解をまとめてダウンロードできる仕組みはありません。

これはCCNAだけの話ではなく、ベンダーが実施するIT資格の多くに共通しています。LPICやAWS認定も、試験問題そのものは公開されていません。

試験 実施する団体 過去問の公開
基本情報技術者試験 IPA(国の試験) 公開されている
CCNA(200-301) Cisco 公開されていない
LPIC-1 LPI 公開されていない
AWS認定(CLF-C02など) AWS 公開されていない

この違いを知らずに探し続けると、時間を無駄にしてしまいます。CCNAでは、過去問を解いて傾向をつかむという勉強のしかたは最初から選べない、と考えておきましょう。

Ciscoが試験問題を公開しない理由

CCNAを受けるときは、試験の前に Cisco Certification and Confidentiality Agreement(認定と機密保持の契約)に同意します。

この契約では、試験の内容をどんな形でもほかの人に伝えてはいけないと決められています。Ciscoの社員であっても、認定プログラムの担当者以外には話してはいけない、というほど厳しいものです。

Ciscoの契約では、試験は受験者の知識を確かめるためだけに提供されるもので、Ciscoの許可なく試験の内容をコピー・公開・配布してはいけない、とされています。

もし問題が外に出てしまうと、知識がなくても答えを覚えるだけで受かる人が出てきます。それでは、CCNAを持っていることがネットワークの基礎を理解している証明にならなくなってしまいます。

試験問題を非公開にしているのは、資格の価値を守るためだと考えると分かりやすいです。

ネットで見かける「過去問」の正体

検索すると、CCNAの「過去問」「最新問題」「的中」とうたうサイトや問題集が出てきます。これには大きく分けて2種類あります。

1つは、参考書の著者や学習サイトが、試験範囲をもとに自分で作ったオリジナルの練習問題です。これは過去問ではありませんが、使ってもまったく問題ありません。

もう1つは、本番の問題を受験者が記憶して書き出したと称する、いわゆるダンプ(braindump)です。こちらは、上で紹介した機密保持の契約に反して集められた問題です。

種類 中身 使ってよいか
参考書・学習サイトのオリジナル問題 試験範囲をもとに作った練習問題 使ってよい
公式の練習問題・練習試験 Ciscoが用意した学習用の問題 使ってよい
ダンプ(「本番の問題」とうたうもの) 本番の問題を書き出したと称するもの 使わない

見分け方の目安は、「本番と同じ問題」「的中」「丸暗記で合格」のような書き方をしているかどうかです。こうした言葉で売っているものは避けましょう。

ダンプを使うと、何が起きる?

ダンプを使うのは、規約の面でも、勉強の面でも割に合いません。

規約に違反すると、資格を失うことがある

Ciscoの試験ポリシーでは、ルールに違反した場合の処分として、今後すべての試験を受けられなくなる生涯の受験禁止や、それまでに取った認定の取り消しまでありうると書かれています。

CCNAだけでなく、すでに持っているほかのCisco認定まで失う可能性がある、ということです。受験料は1回300米ドルなので、お金の面だけを見ても大きな損になります。

答えを覚えても、現場では使えない

もう1つの問題は、勉強の効果です。ダンプで答えの記号を覚えても、なぜその答えになるのかは分かりません。

CCNAで学ぶサブネットの計算、VLAN、ルーティング、ACLは、ネットワークエンジニアの仕事でそのまま使う知識です。資格を取っても、現場でルーターの設定を読めなければ、取った意味が薄れてしまいます。

また、CCNAは2027年2月3日から v2.0 に切り替わることがCiscoから発表されています。現行の v1.1 を受けられるのは2027年2月2日までです。古い問題をいくら覚えても、試験の範囲が変われば役に立ちません。

過去問の代わりに使えるもの

過去問が無いなら、何を使って問題演習をすればいいのでしょうか。

使えるものは、大きく分けて次の4つです。どれか1つだけでなく、組み合わせて使うのがおすすめです。

使うもの 何が分かるか 使う時期
Cisco公式の試験範囲(Exam Topics) 何が出るか、各分野の割合 勉強を始めるとき・直前
参考書や学習サイトの練習問題 知識が身についているか 各分野を読み終えたとき
Packet TracerやCisco Modeling Labs 設定して動きを確かめられるか 設定の分野を勉強するとき
模擬試験 時間内に解けるか、苦手な分野はどこか 試験の2〜3週間前

試験範囲(Exam Topics)を過去問の代わりにする

過去問の代わりにいちばん役立つのは、Ciscoが公開している試験範囲です。Cisco Learning Networkで、200-301 v1.1 の Exam Topics を読めます。

試験範囲には、6つの分野と、それぞれが試験に占める割合が書かれています。

分野 割合
Network Fundamentals 20%
Network Access 20%
IP Connectivity 25%
IP Services 10%
Security Fundamentals 15%
Automation and Programmability 10%

過去問を解く目的の1つは、どこがよく出るかを知ることです。CCNAでは、この割合がその役割をしてくれます。割合の大きいIP Connectivity、Network Fundamentals、Network Accessを厚めに勉強しておけば、大きく外すことはありません。

試験範囲の項目は、そのままチェックリストとして使えます。たとえば、次のように項目ごとに自分の理解度をメモしていきます。

# CCNA 試験範囲チェック(例)
# ◎=説明できる  ○=問題なら解ける  △=あやふや  ×=まだ
1.6  IPv4のアドレスとサブネットの設定と確認   ○
2.1  複数スイッチにまたがるVLANの設定と確認   △
3.4  単一エリアのOSPFv2の設定と確認          ×
4.1  インサイドソースNATの設定と確認         △
5.6  アクセスリストの設定と確認              ○
6.5  REST APIの特徴                          ◎

△と×の項目が、次に勉強する場所です。

設定の問題は、手を動かして練習する

CCNAでは、用語の知識だけでなく、設定コマンドや show コマンドの出力を読む力も問われます。こうした問題は、問題集を読むだけでは身につきにくい分野です。

CiscoのCCNAのページでは、Cisco Modeling Labs が手を動かして練習する方法として紹介されていて、無料で始められると案内されています。Cisco Networking Academy の Packet Tracer もよく使われています。

ルーターとスイッチを実際に組んで確かめたい人は、CCNAのハンズオン課題の記事で、VLANからACLまでの構築課題をまとめています。

練習問題と模擬試験を使い分ける

練習問題と模擬試験は、目的が違います。

練習問題は、分野ごとに知識が身についているかを確かめるために使います。CCNAの分野別の練習問題は、CCNAの練習問題の記事にまとめています。サブネットの計算が苦手な人は、CCNAのサブネット計算の練習問題から始めてもかまいません。

模擬試験は、本番と同じように時間を計って、全体を通して解くために使います。CCNAの試験時間は120分です。模擬試験の解き方と復習のしかたは、CCNAの模擬試験の記事を参考にしてください。

過去問の代わりに、確認問題を解いてみよう

ここからは、CCNAの試験範囲をもとに作ったオリジナルの確認問題です。本番の問題ではありません。

答えの記号だけでなく、なぜその答えになるのかを自分の言葉で説明できるかを意識して解いてみてください。

問題1:administratively down の意味

ルーターで show ip interface brief を実行したところ、あるインターフェースの Status が administratively down になっていました。このインターフェースを使えるようにするには、インターフェースの設定モードで何を実行すればよいでしょうか。

  • A. ip address dhcp
  • B. no shutdown
  • C. switchport mode access

正解:B

administratively down は、管理者が shutdown でインターフェースを止めている状態です。Ciscoのルーターのインターフェースは、初期状態でこの状態になっていることがあります。no shutdown を実行すると、インターフェースが有効になります。

問題2:スイッチがMACアドレスを覚えるタイミング

スイッチは、フレームを受け取ったときにMACアドレステーブルを更新します。このとき、テーブルに登録するのはどのアドレスでしょうか。

  • A. 受け取ったフレームの送信元MACアドレスと、受け取ったポート
  • B. 受け取ったフレームの宛先MACアドレスと、受け取ったポート
  • C. 受け取ったフレームの送信元IPアドレスと、受け取ったポート

正解:A

スイッチは、フレームの送信元MACアドレスを見て、そのMACアドレスの機器がどのポートの先にいるかを覚えます。宛先MACアドレスは、どのポートへ転送するかを決めるために使います。宛先がテーブルに無いときは、受け取ったポート以外の同じVLANのポートへフラッディングします。

VLANとスイッチの動きをもう一度整理したい人は、VLANの解説記事も読んでみてください。

問題3:DHCPでアドレスを受け取るまでの順番

PCがDHCPサーバーからIPアドレスを受け取るまでに、4つのメッセージがやりとりされます。正しい順番はどれでしょうか。

  • A. Request → Offer → Discover → Ack
  • B. Discover → Offer → Request → Ack
  • C. Discover → Request → Offer → Ack

正解:B

PCはまず Discover でDHCPサーバーを探し、サーバーが Offer で使えるアドレスを提案します。PCが Request でそのアドレスを使いたいと伝え、サーバーが Ack で確定します。頭文字をとってDORAと覚えると、順番を間違えにくくなります。

問題4:SSHを使うための準備

Ciscoのルーターで、SSHでログインできるようにします。RSAの鍵を作る crypto key generate rsa を実行する前に、ホスト名とあわせて設定しておく必要があるものはどれでしょうか。

  • A. ip domain-name
  • B. ip default-gateway
  • C. service password-encryption

正解:A

RSAの鍵には、ホスト名とドメイン名を組み合わせた名前が付けられます。そのため、hostname を初期の名前から変えて、ip domain-name でドメイン名を設定してから鍵を作ります。service password-encryption はパスワードを設定ファイル上で読みにくくするコマンドで、SSHの鍵の作成には関係しません。

問題5:JSONのデータの型

ネットワーク機器の情報が、次のJSONで返ってきました。enabled の値のデータ型はどれでしょうか。

{
  "interface": "GigabitEthernet0/1",
  "enabled": true,
  "mtu": 1500
}
  • A. 文字列
  • B. 数値
  • C. 真偽値(ブール値)

正解:C

true はダブルクォーテーションで囲まれていないので、文字列ではなく真偽値です。"GigabitEthernet0/1" のようにダブルクォーテーションで囲まれたものが文字列、1500 が数値です。Automation and Programmability の分野では、JSONを読み取る力が問われます。

問題演習の効果を上げる復習のしかた

過去問が無いCCNAでは、同じ問題を何度も解くより、間違えた理由を記録して同じミスを減らすほうが効果があります。

問題を解いたら、正解したかどうかだけでなく、次のように理由もメモしておきましょう。

結果 理由の例 次にやること
正解・自信あり 説明できた 次の分野へ進む
正解・自信なし 2択まで絞って勘で選んだ 解説を読み、根拠を確認する
不正解 用語を知らなかった 参考書のその章を読み直す
不正解 知っていたのに読み違えた 問題文の条件に線を引く練習をする

特に、正解したけれど自信がなかった問題は、見落としやすいポイントです。本番では、同じ知識が別の聞かれ方で出てきます。根拠を説明できない問題は、間違えた問題と同じように扱いましょう。

設定の問題で間違えたときは、解説を読んで終わりにせず、シミュレーターで同じ設定を打って show コマンドで結果を確かめると、記憶に残りやすくなります。

InfraAcademyで問題演習を続ける

今日の5問で、説明できなかった問題はあったでしょうか。そこが、あなたの次に勉強する場所です。

InfraAcademyでは、トップページのInfraAcademy の資格模擬問題で「CCNA模擬試験200問」を解けます。どれも試験範囲をもとにした問題なので、過去問の代わりに分野ごとの理解度を確かめるのに使えます。

設定の問題が苦手な人は、InfraAcademyのネットワークの講座も使ってみてください。講座の中のシミュレーターで、ルーターやスイッチを設定して ping で通信を確かめられます。講座の順番はネットワークのロードマップにまとめています。

まとめ

CCNAの過去問について、要点を振り返ります。

  • Ciscoは CCNA の試験問題を公開していないので、公式の過去問は無い
  • 受験者は機密保持の契約に同意していて、試験の内容を外に出すことは禁止されている
  • ダンプを使うと、受験禁止や認定の取り消しまでありうる
  • 過去問の代わりに、公式の試験範囲で出題の割合を確かめ、練習問題と模擬試験で演習する
  • 設定の問題は、シミュレーターで手を動かして確かめる

過去問が無いのは不安かもしれませんが、試験範囲に沿って理解しながら進めれば、問題の聞かれ方が変わっても解けるようになります。

1問ずつ、なぜその答えになるのかを確かめながら進めていきましょう。応援しています。

参考

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この記事を書いた人

ryu

株式会社InfraAcademy 代表 / エンジニア

大手メーカーでインフラエンジニアとして勤務した後、ベンチャー企業・スタートアップでフルスタックエンジニアを経験。その後、起業し学習サービス「InfraAcademy」を運営しています。
保有資格:ネットワークスペシャリストなど 運営会社:株式会社InfraAcademy

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