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kali linuxの始め方~セキュリティを勉強する~

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こんにちは、InfraAcademyを運営しているryuです。

今回は、Kali Linuxの始め方を初心者向けに解説します。

セキュリティを勉強しようとすると、Kali Linuxという名前を目にする機会が増えてきます。ただ、初めて触る方にとっては、普通のLinuxと何が違うのか、Windowsでも使えるのか、どの方法で始めればよいのか分かりにくいと思います。

Kali Linuxには多くのセキュリティツールが用意されていますが、インストールしただけでセキュリティが分かるようになるわけではありません。Linuxやネットワークの基礎を理解している方が、ツールの意味や結果もずっと分かりやすくなります。

この記事では、Windowsで手軽に始めるWSLと、検証用の仮想マシンを作れるVirtualBoxの2つを中心に、Kali Linuxの始め方を順番に解説します。

Kali Linuxとは?

Kali Linuxは、DebianをベースにしたLinuxディストリビューションです。

セキュリティ検証や調査に使うツールを導入しやすいように作られており、ネットワーク調査、Webアプリケーションの確認、ログ解析、デジタルフォレンジックなど、さまざまな用途で利用されます。

ただし、Kali Linuxはセキュリティそのものを教えてくれるOSではありません。あくまで、セキュリティを調査・検証するための道具を使いやすくしたLinuxです。

例えば、IPアドレスやポート番号の意味が分からなければ、ネットワーク調査ツールの結果を見ても内容を判断できません。Linuxのファイル権限が分からなければ、アクセスできない理由も理解しづらくなります。

そのため、Kali Linuxを使う前にLinuxやネットワークの基礎を身につけておくことが重要です。

Kali Linuxは許可された環境で使う

Kali Linuxには、セキュリティ診断で使われるツールが多数含まれています。ただし、他人のWebサイトやWi-Fi、サーバーなどに対して自由に試してよいわけではありません。

学習するときは、自分で用意した仮想マシン、自分が管理している環境、CTFなど明確に検証が許可されている環境を利用してください。初心者のうちは、自分のPCの中に検証環境を作る方が安全で、失敗してもやり直しやすいです。

初心者はWSLとVirtualBoxのどちらを選ぶ?

Kali Linuxを始める方法として、WindowsではWSLとVirtualBoxが使いやすいです。

違いを整理すると次のようになります。

WSL 2 VirtualBox
始めやすさ とても簡単 少し設定が必要
Linuxコマンドの練習 向いている 向いている
GUIの利用 Win-KeXで可能 最初から使いやすい
別のVMとの通信実験 やや不向き 向いている
環境を丸ごと戻す やや手間 スナップショットが便利
おすすめ用途 まず触ってみたい 検証環境も作りたい

まずKali Linuxを触ってみたいだけなら、WSLで十分です。一方で、Kali Linuxとは別にLinuxサーバーを用意し、ネットワークを分けながら学習したい場合はVirtualBoxの方が向いています。

WindowsならWSLでKali Linuxを始めるのが簡単

Windows 11や対応しているWindows 10では、WSLを使ってKali Linuxを利用できます。以前のようにWindowsの機能を手動で有効化する手順は少なくなり、現在はコマンドから導入できます。

まず、PowerShellまたはWindows Terminalを管理者として実行してください。Kali Linuxをインストールする場合は、次のコマンドを実行します。

wsl --install kali-linux

環境によっては、ディストリビューションを明示する次の書き方でもインストールできます。

wsl --install -d kali-linux

インストールできるLinuxディストリビューションを先に確認したい場合は、次のコマンドを使います。

wsl --list --online

一覧に kali-linux が表示されていれば、その名前を指定してインストールできます。

初回起動では自分のユーザーを作成する

Kali Linuxを初めて起動すると、Linuxで利用するユーザー名とパスワードの作成を求められます。画面の案内に従って、自分で一般ユーザーを作成してください。

古いKali Linuxの記事では root / toor が初期認証情報として紹介されていることがありますが、現在のWSL版Kali Linuxではその前提で利用しません。初回起動時に作成した一般ユーザーを普段使い、管理者権限が必要なときだけ sudo を利用します。

例えば、パッケージ情報を更新する場合は次のように実行します。

sudo apt update

最初からrootユーザーで作業するより、必要な操作だけ sudo を付ける方がLinuxの基本も理解しやすくなります。

WSL 2で動いているか確認する

インストール後は、Kali LinuxがWSL 2で動いているか確認してみましょう。Windows側のPowerShellで次のコマンドを実行します。

wsl -l -v

例えば、次のように表示されます。

NAME          STATE      VERSION
kali-linux    Running    2

VERSION2 になっていれば、WSL 2として動作しています。

Kali Linuxを起動したら最初に何をする?

Kali Linuxを起動したら、最初からセキュリティツールを使う必要はありません。まずは普通のLinuxとして、基本的なコマンドを試してみるのがおすすめです。

現在いる場所を確認する場合は pwd を使います。

pwd

ファイルやディレクトリを表示する場合は ls を使います。

ls

Kali Linuxの情報を確認する場合は、次のコマンドを使えます。

cat /etc/os-release

ネットワークインターフェースを確認する場合は ip addr が便利です。

ip addr

待ち受けているポートを確認したい場合は、次のコマンドを利用できます。

ss -tuln

このあたりの結果がまだ理解できなくても問題ありません。分からない項目が多い場合は、セキュリティツールへ進む前にLinuxやTCP/IPを学ぶ方が理解しやすくなります。

GUIで使いたいならWin-KeXも利用できる

WSL 2上のKali Linuxでは、Win-KeXを利用してGUIデスクトップを使うこともできます。

まずパッケージ情報を更新します。

sudo apt update

続いてWin-KeXをインストールします。

sudo apt install -y kali-win-kex

インストール後、ウィンドウモードで起動する場合は次のコマンドを利用できます。

kex --win

Linux初心者だからといって、必ずGUIを使う必要はありません。Linuxの学習ではターミナルを使う機会が多いため、最初はCUIのまま操作してみるのもおすすめです。

もう少し本格的に学ぶならVirtualBox

WSLは手軽ですが、セキュリティ学習を進めると、Kali Linuxとは別に検証用サーバーを作りたくなることがあります。複数のVMを同じネットワークへ接続したり、設定を壊したあとに元へ戻したりする場合はVirtualBoxが便利です。

例えば、PCの中に次のような構成を作れます。

Windows
├─ Kali Linux
└─ 検証用Linuxサーバー

この構成なら、自分のPCの中だけでネットワークやセキュリティの動きを確認できます。

VirtualBoxについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

VirtualBoxでLinuxをインストールする方法

VirtualBoxならKali公式の構築済みVMが簡単

Kali LinuxをVirtualBoxへ入れる方法は、大きく分けてISOから自分でインストールする方法と、Kali Linuxが配布している構築済みVirtualBox VMを使う方法があります。

初めてKali Linuxを触るなら、構築済みVMの方が簡単です。Kali Linux公式サイトからVirtualBox向けのVMイメージを取得し、圧縮ファイルを展開します。

展開後は、VirtualBoxの「Add」から .vbox ファイルを選択します。これでOSを最初からインストールしなくても、Kali Linuxの仮想マシンを起動できます。

VirtualBoxへLinuxをインストールする手順そのものも学びたい場合はISO版、まずKali Linuxを動かしたい場合は構築済みVM、と使い分けると分かりやすいです。

構築済みVirtualBox VMの初期ユーザー

Kali公式の構築済みVirtualBox VMでは、初期ユーザー名とパスワードに次の値が使われています。

ユーザー名:kali
パスワード:kali

WSL版とは違い、構築済みVMにはあらかじめユーザーが作成されています。

ログイン後は、初期パスワードのまま使い続けず、自分のパスワードへ変更しておくとよいでしょう。パスワードは次のコマンドで変更できます。

passwd

WSLは初回起動時に自分でユーザーを作成し、構築済みVirtualBox VMでは kali / kali が用意されている、と分けて覚えておけば混乱しません。

VirtualBoxではスナップショットを使うと安心

VirtualBoxで学習するときは、スナップショットを使うと便利です。

Kali Linuxを正常に起動できた時点でスナップショットを取得しておけば、そのあと設定を変更して動かなくなっても元の状態へ戻せます。セキュリティ学習では設定を試行錯誤することが多いため、壊しても戻せる環境を作っておくと安心して操作できます。

ネットワーク設定は最初から複雑にしなくていい

VirtualBoxでは、仮想マシンのネットワーク設定も変更できます。ただ、最初からブリッジやホストオンリーなどをすべて覚える必要はありません。

Kali Linuxを更新したり、Linuxの操作を練習したりするだけなら、まずはVirtualBoxのNATで十分です。Kali Linuxと検証用Linuxだけで通信させたい段階になったら、外部ネットワークと分離した検証用ネットワークを作っていきます。

セキュリティ学習では、何のための通信なのかを理解してからネットワーク設定を変える方が安全です。

Kali Linuxを触る前にLinuxの基本を覚えよう

Kali Linuxを起動すると、多くのセキュリティツールが目に入ります。しかし、ツールから覚えるより先にLinuxの基本を理解しておく方が、結果的に学習は早く進みます。

例えば、cd は何をしているのか、sudo はなぜ必要なのか、ファイルの所有者や権限とは何なのか、といった部分です。Linuxの基本が分かっていない状態でエラーが出ると、単純な権限やパスの問題でも原因を判断できません。

まず普通のLinuxを使えるようになることが、Kali Linuxを理解する近道です。

ネットワークの基礎もかなり重要

セキュリティを学ぶなら、Linuxと同じくらいネットワークも重要です。

IPアドレス、ポート番号、DNS、TCP、UDP、HTTP、HTTPSなどの意味が分からないと、セキュリティツールが表示した結果を判断できません。

Kali Linuxを入れたあとにツール名を暗記するよりも、まず正常な通信がどのように動いているのかを理解する方が大切です。正常な状態が分かるからこそ、不自然な通信や不要なポートにも気付けるようになります。

Kali Linuxで最初からツールを覚えすぎなくていい

Kali Linuxには多くのツールが入っていますが、すべてを覚える必要はありません。

ネットワークの状態を確認したい、Webアプリケーションの通信を確認したい、ファイルやログを調査したい、といった目的から考える方が分かりやすいです。

何のために使うのか分からないままコマンドだけコピーしても、少し結果が変わっただけで対応できなくなります。目的を理解し、仕組みを知ったうえでツールを使う順番がおすすめです。

Kali Linuxを入れたあとに何を勉強する?

Kali Linuxをインストールできたら、最初はLinuxのファイル操作、ユーザーと権限、プロセス、ログの見方を覚えるとよいでしょう。そのあと、IPアドレス、ルーター、DNS、TCP/UDP、HTTP/HTTPSなどネットワークの仕組みを学びます。

この基礎ができてからKali Linuxへ戻ると、画面に表示されている内容が以前より理解しやすくなります。

Kali Linuxを使うこと自体を目的にせず、Linuxやネットワークを学ぶための一つの環境として使う方が、初心者には分かりやすいと思います。

ブラウザからLinux・ネットワークを学ぶ方法もある

Kali Linuxを入れたものの、Linuxコマンドがほとんど分からない場合は、いったん基礎から学ぶのもおすすめです。

InfraAcademyでは、Linuxコマンドをブラウザ上のターミナルで実行しながら学べます。また、ネットワークもIPアドレスやルーター、DNSなどを仕組みから段階的に学習できるようにしています。

Kali Linuxのツールを触る前に、Linuxで何が起きているのか、通信がどこへ向かっているのか、なぜそのポートを使うのかを理解したい方は、基礎から進めてみてください。

InfraAcademyでLinux・ネットワーク・セキュリティを学ぶ

Kali Linuxの始め方まとめ

今回は、Kali Linuxの始め方を初心者向けに解説しました。

WindowsでまずKali Linuxを触ってみたい場合は、WSLが手軽です。管理者権限のPowerShellからKali Linuxをインストールし、初回起動時に自分のLinuxユーザーを作成します。

GUIで利用したい場合は、WSL 2上でWin-KeXを利用できます。一方、Kali Linuxとは別の検証用サーバーを用意したり、スナップショットで環境を戻したりしたい場合はVirtualBoxが便利です。

Kali公式の構築済みVirtualBox VMを使えば、OSを最初からインストールせずに始めることもできます。

一番大切なのはKali Linuxをインストールすることではありません。Kali Linuxで表示された情報を、自分で理解できるようになることです。

最初はLinuxやネットワークの基礎からで問題ありません。Kali Linuxを単にツールを実行するOSとして使うのではなく、なぜその結果になるのかを考えるための学習環境として使っていきましょう。

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この記事を書いた人

ryu

InfraAcademy運営 / エンジニア

エンジニア歴10年。Linux、ネットワーク、クラウドを中心に、実務で役立つインフラ技術を初心者にもわかりやすく解説しています。

X: @ryu63614894

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