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Linux Essentials 2.0で入門試験の範囲が変わった。systemd・journalctl・ipコマンドを今から覚えておく理由

著者: ryu | #Linux #LPIC #資格
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こんにちは、インフラエンジニアのryuです。

LPIC-1を運営しているLPI(Linux Professional Institute)が、2026年10月15日に入門資格のLinux Essentialsをバージョン2.0に改訂しました。

Linux Essentialsは、LPIC-1の手前に位置づけられている入門向けの認定です。今回の改訂では、サービスの管理やログの見方、ネットワークの確認に使うコマンドが、今の現場で使われているものに入れ替わりました。

この記事では、LPIの発表をもとに何が変わったのかを整理します。そのうえで、これからLPIC-1を受ける人や、Linuxを勉強している人にとってどんな意味があるのかを考えてみます。

Linux Essentials 2.0とは?

まずは、発表の中身を確認しておきましょう。

Linux Essentialsは、Linuxを使い始めた人向けにLPIが用意している認定です。LPIC-1のように2つの試験に分かれてはおらず、1つの試験で取得できます。

LPIの発表と公式ページでは、今回の改訂について次のように案内されています。

項目 内容
発表日 2026年10月15日
新しい版 バージョン2.0(試験番号 010-200)
旧版 バージョン1.6(試験番号 010-160)
旧版の受験期限 新版の公開から6か月間(LPIのページでは2027年4月まで)
改訂の範囲 出題範囲(Objectives)、学習教材、試験、認定証
提供言語 まず英語で提供し、各言語への翻訳は数か月のうちに順次公開

LPIは今回の改訂を、学習者や教える側が試験対策を見直す必要がある大きなリリースだと説明しています。

なお、2.0の正式公開の前には、2026年8月15日から9月15日までベータ試験が行われていました。ベータ試験は40問・60分で、Pearson VUEのオンライン受験(OnVUE)で実施されています。

旧版の1.6はいつまで受けられる?

すでに1.6向けの参考書で勉強している人にとって、いちばん気になるのはここだと思います。

1.6は、2.0の公開から6か月間は引き続き受験できます。LPIのLinux Essentialsのページでは、1.6(010-160)は2027年4月まで受験できると案内されています。

日本語で受験したい人は、2.0の日本語版がいつ出るかにも注意が必要です。LPIは、2.0はまず英語で提供し、翻訳は数か月のうちに順次出すとしています。

日本語の試験をどの版で受けられるかは、申し込む前にLPIの公式ページで確認しておきましょう。

何が変わった?主な変更点

LPIで製品開発を担当するFabian Thorns氏は、主な変更点として次の3つを挙げています。

  • Linuxのディストリビューションと、よく使われるオープンソースのツールの更新
  • systemd・journald・iproute2への移行
  • リモート環境やクラウドでのSSHの使い方の追加

一方で、多くの項目は表現を直した程度で、出題範囲の大きな構成は変わっていないとも説明されています。シェルスクリプトの項目(013.3)も、1.6と同じく残っています。

変更の背景について、LPIは、最初のLinux Essentialsは自分のパソコンでLinuxを動かすことを前提にしていたが、今はLinuxの多くがクラウドで動いている、と説明しています。

サービスの管理はsystemctlが前提に

2.0では、サービスを起動・停止し、状態を確認する基本的な操作として、systemctl を使えることが求められます。

今の主なディストリビューションでは、サービスの管理はsystemdが担っています。古い教材では service コマンドや /etc/init.d/ のスクリプトで説明していることがありますが、新しく覚えるなら systemctl から入るのが自然です。

# サービスの状態を確認する(Ubuntu などでは ssh、RHEL系では sshd という名前)
systemctl status ssh

# サービスを起動・停止・再起動する(管理者の権限が必要)
sudo systemctl start ssh
sudo systemctl stop ssh
sudo systemctl restart ssh

# OSの起動時に自動で立ち上がるようにする
sudo systemctl enable ssh

ログはsyslogからjournalへ

ログについては、1.6にあったsyslogの内容が外れ、systemdのjournal(journald)に置き換わりました。journalctl や dmesg でシステムの情報やログを確認する操作が範囲に入っています。

これまでは、/var/log/messages や /var/log/syslog をテキストとして読むのが入門の定番でした。journalは、サービスごとや時間で絞り込んで読めるのが特徴です。

# 特定のサービスのログだけを見る
journalctl -u ssh

# 今日のログだけに絞る
journalctl --since today

# 新しく出たログを流し続けて見る(Ctrl+C で終了)
journalctl -f

# カーネルのメッセージを見る
dmesg

systemctl status の下にも、そのサービスの直近のログが数行表示されます。サービスが起動しないときは、まず systemctl status を見て、足りなければ journalctl -u で前後を読む、という順番が基本です。

ネットワークの確認はipコマンドとssへ

ネットワークの項目では、古いnet-toolsの内容がiproute2のコマンドに置き換わりました。ip や ss が範囲に入っています。

LPIの説明でも、ifconfig や route は、今では多くのディストリビューションで最初から入っていないと書かれています。新旧のコマンドの対応は、次の表のとおりです。

やりたいこと 古いコマンド(net-tools) 新しいコマンド(iproute2)
IPアドレスを確認する ifconfig ip addr(短く見るなら ip -br addr)
ルーティングテーブルを見る route -n ip route
待ち受け中のポートを見る netstat -tln ss -tln
ARPのキャッシュを見る arp -n ip neigh

ifconfig が入っていないサーバーでIPアドレスを調べる方法は、LinuxでIPアドレスを確認する方法の記事でも紹介しています。ip コマンドが見つからないときの対処は、ipコマンドが使えないときの記事を見てください。

SSHとセキュリティの項目が追加

もう1つの大きな変更が、リモート環境やクラウドでのSSHの使い方です。サーバーが手元ではなくクラウドにある以上、SSHで接続して操作するのは最初に覚える操作の1つになります。

あわせて、パスワードマネージャーや多要素認証(MFA)、パスキーといった、今のセキュリティの話題も加わったと紹介されています。

これからLPIC-1を受ける人に関係はある?

ここからは、学習中の人や受験を考えている人への影響を見ていきます。

最初に結論を書いておくと、今回改訂されたのはLinux Essentialsだけで、LPIC-1の試験は変わっていません。 LPIC-1は引き続き 101-500 と 102-500(バージョン5.0)の2つの試験に合格して認定されます。

それでも、LPIC-1を目指す人にも関係のある話です。理由は、今回Linux Essentialsに入ったsystemd・journal・iproute2が、LPIC-1ではすでに出題範囲に入っているからです。

2.0で入った内容 LPIC-1(5.0)の主な関連項目
systemctl によるサービス管理 101.3 ランレベルとブートターゲットの変更、システムの停止と再起動
journalctl によるログの確認 108.2 システムのログ
ip・ss によるネットワークの確認 109.2 ネットワークの設定、109.3 基本的なネットワークのトラブルシューティング

つまり、入門のLinux Essentialsが、LPIC-1と同じ道具で学ぶ形にそろってきたと考えることができます。

Linux Essentialsを受けてからLPIC-1に進む人

Linux Essentialsは、LPIC-1を受けるための必須条件ではありません。いきなりLPIC-1から受けることもできます。

それでも、Linuxにまったく触ったことがない状態から始めるなら、Linux Essentialsで基本をひととおり確認してからLPIC-1に進む方法はあります。2.0なら、そこで覚えたコマンドがそのままLPIC-1の102試験のネットワークやログの範囲につながります。

これから受けるなら、教材は2.0に対応したものを選ぶのがおすすめです。1.6の教材で勉強していて、2027年4月までに受ける予定なら、そのまま1.6で受けてもかまいません。

すでにLPIC-1の勉強をしている人

LPIC-1の勉強中の人は、試験の予定を変える必要はありません。

ただ、今回の改訂は、LPIが入門の段階からsystemdやiproute2を前提にし始めたということでもあります。102試験の勉強で ifconfig や netstat だけを覚えて済ませている人は、ip や ss の書き方も一緒に覚えておきましょう。

LPIC-1の範囲の全体像と勉強の順番は、LPICの勉強方法の記事にまとめています。試験が近い人は、LPIC 102の直前対策の記事で、ネットワークやログの項目の見直し方も確認できます。

資格を受ける予定がない人

資格を受ける予定がなくても、Linuxを勉強している人にとっては参考になる改訂です。

入門試験の範囲が変わったということは、今のLinuxの入門で覚えるべきコマンドが変わったということです。古い入門書やネットの記事には、ifconfig や /var/log/messages を前提にした説明がまだたくさん残っています。

そうした説明を読んだときに、今ならどのコマンドを使うのかを置き換えられるようにしておくと、実際のサーバーでも迷いにくくなります。

今のうちに手を動かして確認しておきたいこと

改訂の内容を読むだけでは、なかなか身につきません。手元のLinuxで、新しいコマンドを一度打っておきましょう。

UbuntuやRocky Linuxなど、今の主なディストリビューションなら、次のコマンドは最初から使えることが多いです。

# 1. 動いているサービスの一覧を見る
systemctl list-units --type=service --state=running

# 2. 気になったサービスの状態とログを見る
systemctl status cron        # RHEL系では crond
journalctl -u cron --since today

# 3. IPアドレスとルーティングを確認する
ip -br addr
ip route

# 4. 待ち受けているポートを確認する
ss -tln

ip -br addr では、ネットワークインターフェースごとにIPアドレスが1行で表示されます。ip route の default via の行は、デフォルトゲートウェイを表しています。

サービスが起動しないときの調べ方をもう少し詳しく知りたい人は、systemdのサービスが起動しないときの記事で、systemctl と journalctl の読み方を順番に解説しています。

練習用のLinuxをどのバージョンにするか迷っている人は、Ubuntu 26.10とLTSの26.04の違いの記事も参考にしてください。

ディストリビューションの名前の変化にも注意

2.0では、ディストリビューションの説明も更新されています。LPIのブログでは、CentOSがローリングリリースのCentOS Streamに移り、RHELと互換性のある役割をAlmaLinuxやRocky Linuxが担うようになったことが例に挙げられています。

古い教材でCentOSを前提に勉強している人は、今ならRocky LinuxやAlmaLinuxが同じ立ち位置にある、と覚えておくとよいでしょう。

InfraAcademyでLinuxの基本を練習する

InfraAcademyでは、ブラウザ上で動くLinuxの練習環境で、コマンドを実際に打ちながら学べます。サーバーを用意しなくても、ls や cd といった基本の操作から順番に試せます。

どこから学べばいいか迷っている人は、Linuxのロードマップを上から順に進めてみてください。基本のコマンドから、ユーザーやパーミッション、ネットワークの確認まで、LPIC-1につながる順番で並べています。

LPIC-1を受ける人は、InfraAcademyの資格模擬問題にある「(無料)LPICの練習問題で毎日トレーニング300問」で、101試験と102試験の問題を解いて理解度を確かめることもできます。

基本のコマンドをまだ覚えていない人は、先によく使うLinuxコマンドの記事から読むのがおすすめです。

まとめ

今回のLinux Essentials 2.0の改訂について、要点を振り返ります。

ポイント 内容
何が起きた? 2026年10月15日にLinux Essentials 2.0(010-200)が公開された
旧版は? 1.6(010-160)は公開から6か月間、2027年4月まで受験できる
主な変更 systemd・journald・iproute2への移行、SSHとセキュリティの追加
LPIC-1への影響 LPIC-1の試験は変わらない。2.0で入った内容はLPIC-1ではすでに範囲内
今やること systemctl・journalctl・ip・ss を手元で一度打っておく

入門試験の範囲が、現場で使われているコマンドにそろったのは、これから勉強する人にとってはよい変化だと思います。

古い説明と新しいコマンドの両方を知っておけば、どちらの環境に出会っても困りません。まずは今日、ターミナルで ip -br addr を打つところから始めてみてください。

参考

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この記事を書いた人

ryu

株式会社InfraAcademy 代表 / エンジニア

大手メーカーでインフラエンジニアとして勤務した後、ベンチャー企業・スタートアップでフルスタックエンジニアを経験。その後、起業し学習サービス「InfraAcademy」を運営しています。
保有資格:ネットワークスペシャリストなど 運営会社:株式会社InfraAcademy

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