Linux

Linuxの仕組みは?Linuxの構造からカーネルの機能などを詳しく解説

こんにちは!

InfraAcademyというインフラ学習サービスを運営しております、ryuと申します。

今回の記事では、Linuxの仕組みについて詳しく解説したいと思います。

まずは、Linuxがそもそも何なのかという初歩的な部分から、構造やプロセス管理などLinuxを理解する上で重要な部分を詳しく解説します!

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Linuxとは何か?

まずは、Linuxが何なのかについて理解しましょう。

Linuxとは、OSの一種です。OSはオペレーティングシステムの略で、WindowsやMacOSなどもOSの一つです。

Linuxを理解するには、OSとは何なのかも理解する必要があります。

オペレーティングシステム(OS)とは?

まず、オペレーティングシステム(OS)とは何かを理解することが重要です。

OSとは、コンピュータのハードウェアとソフトウェアの間を取り持つ基本的なソフトウェアのことです。

私たちが普段使っているアプリケーション(例:Webブラウザ、メールクライアント、ゲームなど)は、直接ハードウェアとやり取りするのではなく、OSを通じてやり取りします。

OSの主な役割は以下の通りです。

  • ハードウェアリソースの管理
  • ソフトウェアの実行管理
  • ユーザーインターフェースの提供

まず、OSはハードウェアのリソースの管理を行います。CPU、メモリ、ディスク、ネットワークなどのハードウェアリソースを効率的に管理します。

次に、ソフトウェアの実行を管理します。アプリケーションの実行を管理し、必要なリソース(メモリやCPU)を割り当てます。

さらに、ユーザーがコンピュータを操作するためのインターフェースを提供します。

Linuxも上記のような役割を果たします。これらの機能を提供するために、さまざまな仕組みがあります。

Linuxの概要

次にLinuxの概要を説明します。

Linuxは、UNIXというOSの設計思想を元に開発されたOSです。1991年にフィンランドの学生リーナス・トーバルズが、UNIXに似たOSを作ろうとして始めたプロジェクトが発端です。

Linuxの特徴は、オープンソースであり、誰でも自由に使用、改良、再配布することができます。

このオープンソースの特性により、多くの開発者が参加して改善を続け、非常に安定していて信頼性の高いOSとなっています。

オープンソースのため、Linuxは幅広く使われています。

オープンソースについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

【関連】OSSとは?オープンソースソフトウェアについて詳しく解説します!

Linuxの基本的な構造

Linuxの仕組みを理解するためには、まずその基本的な構造を知ることが必要です。

Linuxは、大きく分けて以下の部分から構成されています。

  • カーネル(Kernel)
  • シェル(Shell)
  • ファイルシステム(File System)
  • アプリケーション(Applications)

それぞれについて解説します。

カーネル

カーネルは、Linuxの中心的な部分であり、OSの心臓部とも言える存在です。カーネルはハードウェアと直接やり取りを行い、ハードウェアリソースを管理します。

カーネルの動き図解

具体的には、以下のような役割を果たします。

役割説明
プロセス管理複数のプログラム(プロセス)を同時に実行し、各プロセスに適切なリソースを割り当てる。
メモリ管理システムメモリを効率的に管理し、メモリの競合を防ぐ。
デバイス管理ハードウェアデバイス(ディスクドライブ、ネットワークインターフェースなど)を制御し、プログラムからの要求に応じてデータを読み書きする。
ファイルシステム管理ファイルの保存、読み取り、書き込みを管理する。

Linuxでは、複数のプログラム(プロセス)が同時に実行されます。カーネルはそれらのプロセスを適切に管理します。

カーネルについては、こちらでさらに詳しく解説しています。

【関連】【Linux中級講座1】カーネルとは?

シェル

シェルは、ユーザーとカーネルの間に位置するインターフェースです。

ユーザーはシェルを通じてカーネルに命令を送り、結果を受け取ります。

シェルには、コマンドラインインターフェース(CLI)グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)の2種類があります。

代表的なシェルには、Bash(Bourne Again Shell)、Zsh(Z Shell)、Fish(Friendly Interactive Shell)などがあります。

シェルの詳細やカスタマイズ方法については、こちらで詳しく解説しています。

【関連】【Linux入門講座7】シェルと環境変数とコマンドの基礎

ファイルシステム

ファイルシステムは、データを整理し保存するための仕組みです。Linuxでは、すべてがファイルとして扱われます。

ファイルシステムの主な役割は以下の通りです。

役割説明
ファイルの保存と管理ファイルを効率的に保存し、必要に応じて迅速にアクセスできるようにする。
ディレクトリ構造の管理ファイルをディレクトリ(フォルダ)に整理し、階層構造を持たせることでデータの管理を容易にする。
アクセス権の管理ファイルやディレクトリへのアクセス権を設定し、ユーザーごとに異なる権限を与えることでセキュリティを確保する。

ファイルシステムの詳細や操作方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。

アプリケーション

プリケーションは、ユーザーが具体的な作業を行うためのプログラムです。

Linuxでは、オープンソースのアプリケーションが豊富に提供されており、以下のような種類があります。

  • オフィス系・・・LibreOffice、OpenOfficeなど
  • ブラウザ・・・Firefox、 Goolge Chromeなど
  • 開発ツール:Visual Studio Code、Eclipseなど

このようにLinuxは、カーネル、シェル、ファイルシステム、アプリケーションといったものから構成されています。

カーネルの動作

Linuxカーネルは、オペレーティングシステムの中心的な役割を果たしており、その動作は非常に多岐にわたります。

カーネルの主な機能として、上記で説明したとおり、プロセス管理、メモリ管理、デバイス管理、ファイルシステム管理があります。

それぞれについて、さらに深掘りしていきます。

プロセス管理

カーネルのプロセス管理は、コンピュータが複数のタスクを同時に実行できるようにするめの重要な機能です。

ここで、プロセス(プログラム)を生成から終了までの流れを見ていきましょう。

新しいプロセスを動作させる場合、既存のプロセスがforkシステムコールを呼び出すことで生成されます。

forkは、親プロセスの正確なコピーを作成し、新しいプロセス(子プロセス)として実行します。

その後、子プロセスは通常、execシステムコールを使って別のプログラムを実行します。プロセスが終了する際には、exitシステムコールが使われ、カーネルはプロセスの終了ステータスを管理し、リソースを解放します。

このような流れでカーネルはプロセスを生成したりします。

また、コンテキストスイッチと呼ばれる機能もあります。

コンテキストスイッチとは、CPUが異なるプロセスを実行する際に、カーネルはプロセスの状態(コンテキスト)を保存し、次に実行するプロセスのコンテキストを復元します。

コンテキストスイッチによってマルチタスクを可能にしています。

メモリ管理

カーネルは、プロセスやカーネル内部のデータ構造のためにメモリを動的に割り当て、不要になったメモリを解放します。

kmallocやvmallocなどの関数を使って、必要なメモリを確保し、kfree関数を使ってメモリを解放します。

また、カーネルは、仮想メモリシステムを使用して、各プロセスに独立したメモリ空間を提供します。

仮想メモリにより、物理メモリの容量を超えたメモリ使用が可能となり、メモリ保護も実現します。仮想メモリは、ページングという技術を使って管理され、メモリページが必要に応じてディスクとの間でスワップされます。

デバイス管理

デバイス管理は、ハードウェアデバイスとソフトウェアの間のやり取りを効率的に行うための機能です。

カーネルはデバイスドライバを使用して、特定のハードウェアデバイスを制御します。

デバイスドライバとは、コンピュータのハードウェアデバイスを制御し、その機能をオペレーティングシステム(OS)およびアプリケーションに提供するためのソフトウェアコンポーネントです。

また、カーネルは、デバイスとの間の入力/出力(I/O)操作を管理します。

これには、バッファリング、キャッシング、およびI/Oスケジューリングが含まれます。これにより、デバイスアクセスの効率と性能が向上します。

ファイルシステム管理

ファイルシステム管理は、データの保存、組織化、アクセスを効率的に行うための機能です。

Linuxカーネルは、ext4などの複数のファイルシステム形式をサポートしています。カーネルは、これらのファイルシステムをマウントし、ユーザーやアプリケーションがファイルにアクセスできるようにします。

このようなカーネルの機能や仕組みでLinuxが動いているのです。

まとめ

今回の記事では、Linuxの仕組みについて詳しく解説しました。

Linuxの仕組みは難しい内容ですが、インフラエンジニアとしてレベルアップしたい方は理解しておきたい内容です。

これらの内容が理解できるようになると、Linuxの保守やトラブルシューティングなどが用意になります。どのような部分で問題が発生しているのかを理解しやすくなるからです。

今回の記事が何かのお役に立てれば幸いです。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

ABOUT ME
ryu@InfraAcademyというインフラ学習サービス運営
大手企業→上場ベンチャー→スタートアップでエンジニアをしていました。 インフラエンジニア歴10年以上。 Linuxやネットワークの学習ができるサービスInfraAcademyを運営中。
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