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インフラ未経験の新人研修、どう設計する?現場で戦力になるまでの育て方

こんにちは、インフラエンジニアのryuです。

未経験の新人をインフラエンジニアに育てたいけれど、研修をどう組めばいいのか悩んでいませんか。何を、どの順番で、どこまで教えればいいのか。頭を抱えている研修担当の方は多いのではないでしょうか。

インフラは目に見えにくく、未経験者にとってはとくにイメージしづらい分野です。だからこそ、教え方の設計しだいで、独り立ちまでの時間は大きく変わります。

今回は、現場で戦力になるまでをどう設計すればよいのかを、育てる側の視点で整理していきます。人材の確保が年々難しくなるなか、育成の巧拙は会社の競争力に直結するテーマです。

実際、経済産業省の調査では、IT人材の不足は2030年には最大で約79万人にのぼると試算されています。採用だけに頼るのが難しい時代だからこそ、自社で育てる力がこれまで以上に問われています。

即戦力の経験者を採用しようとしても、そもそも市場に人が足りません。採用コストは上がり続け、条件の良い会社に人材が集まっていきます。

だとすれば、未経験者を採用して自社で育てる道は、これからますます現実的な選択肢になります。問題は、その育成を「なんとなく」で進めていないか、という点です。

なぜ新人インフラ研修は難しいのか

まずは、なぜインフラの新人研修がうまくいきにくいのか、その理由から見ていきましょう。

原因が分かれば、対策も立てやすくなります。つまずきには、はっきりとしたパターンがあります。

「見えない」インフラは初心者がつまずきやすい

いちばんの難しさは、インフラが目に見えないことです。

アプリの開発なら、画面という成果物が目の前に現れます。ボタンを押せば反応があり、動いていることを実感できます。

ところがインフラは違います。サーバーやネットワークは、正常なときほど何も起きません。うまくいっていることが、見た目には分からないのです。

新人にとって、この「手ごたえのなさ」は大きな壁になります。自分のやっていることが正しいのか確かめづらく、不安ばかりが募っていきます。

アプリなら「動いた」という達成感がこまめに得られますが、インフラではそれが少ないのです。この違いを教える側が理解しておくだけでも、新人への声かけは変わってきます。

さらに、ネットワークやLinuxには専門用語が次々に出てきます。言葉の意味があいまいなまま進むと、どこかで必ず行き詰まってしまいます。

教える先輩の時間も奪われる

もうひとつの難しさは、教える側の負担です。

現場の先輩は、自分の仕事を抱えながら新人の面倒を見ることになります。質問のたびに手を止めていては、自身の業務も進みません。

しかも、教える内容が人によってバラバラになりがちです。Aさんに聞いたことと、Bさんに聞いたことが食い違う。新人はますます混乱してしまいます。

こうして、教える側も教わる側も疲れてしまう。これが、多くの現場で起きているインフラ研修の実情です。

現場で戦力になるまでを設計する3ステップ

では、どう設計すればよいのでしょうか。おすすめは、独り立ちまでを3つのステップに分けて考えることです。

いきなり実務に放り込むのではなく、段階を踏むことで、無理なく力がついていきます。全体像を、まず表で見てみましょう。

ステップ 期間の目安 ゴール
1. 土台の言葉をそろえる 最初の2〜4週間 用語と全体像を理解する
2. 手を動かして体で覚える 1〜2か月 基本操作を自分でできる
3. 小さな実務で自信をつける 2〜3か月 先輩の補助のもと実務をこなす

期間はあくまで目安です。大切なのは、この順番を飛ばさないことです。

ステップ1 土台の言葉をそろえる

最初にやるべきは、共通の言葉をそろえることです。

サーバーとは何か、IPアドレスとは何か、Linuxとは何か。こうした土台の言葉があいまいなままでは、その先の説明がすべて宙に浮いてしまいます。

この段階では、細かい設定を覚える必要はありません。まずは全体像をつかみ、専門用語に「聞き覚えがある」状態を作ることが目標です。

学ぶ順番に迷ったら、インフラエンジニアになるための学習ロードマップのような、体系立った道筋を土台にすると進めやすくなります。

ステップ2 手を動かして体で覚える

言葉が入ったら、次は実際に手を動かします。

読んだだけ、聞いただけの知識は、驚くほど早く抜けていきます。自分でコマンドを打ち、設定を変え、結果を確かめる。この繰り返しではじめて、知識は身につきます。

とはいえ、いきなり本番のサーバーを触らせるのは危険です。壊してしまう不安があると、新人は思い切って試せません。

だからこそ、失敗しても大丈夫な練習環境が重要になります。安心して何度でもやり直せる場所があれば、新人は自分から手を動かすようになります。

ステップ3 小さな実務で自信をつける

基本操作に慣れたら、いよいよ実務です。ただし、最初は小さな範囲から始めます。

先輩の補助のもとで、影響の小さい作業を任せてみる。うまくいけば、成功体験が自信になります。つまずいても、被害が小さいうちにフォローできます。

この「小さな成功」を積み重ねることが、独り立ちへの一番の近道です。人は、できたという実感があってはじめて前に進めるものです。

研修担当がやりがちな3つの失敗

3ステップの流れが見えたところで、逆に「これをやると失敗しやすい」というパターンも知っておきましょう。

先回りして落とし穴を避けておけば、研修はぐっとスムーズになります。

失敗1 いきなり難しいことを教えてしまう

熱心な担当者ほど、早く一人前にしたい一心で、最初から高度な内容を詰め込みがちです。

しかし、土台がないところに専門的な話を重ねても、新人の頭には残りません。むしろ「自分には向いていないのかも」と、自信を失わせてしまいます。

急がば回れ、です。まずはやさしい土台から。物足りないくらいの内容から始めるほうが、結果的に早く育ちます。

失敗2 座学ばかりで手を動かさせない

テキストや動画を渡して「読んでおいて」で終わってしまう。これもよくある失敗です。

インプットだけでは、知識はすぐに抜けていきます。分かったつもりと、できるは、まったくの別物です。

学んだらすぐ手を動かす。この往復があってはじめて、スキルとして定着していきます。

失敗3 進捗を確認せず放置してしまう

任せたきり、様子を見ない。気づいたときには新人が深く悩んでいた、というパターンです。

新人は、自分から「分かりません」と言い出しにくいものです。だからこそ、育てる側から歩み寄る必要があります。

定期的に進み具合をたずね、つまずきに早く気づく。この一手間が、離脱を防ぐ大きな差になります。

独学に任せると何が起きる?

ここで、あえて逆の話もしておきます。研修を設計せず、新人の独学に任せてしまうとどうなるか、です。

一見、コストがかからず楽に思えます。しかし、多くの場合はうまくいきません。

何を学べばいいか分からないまま放置された新人は、方向を見失い、成長が止まってしまいます。

独学任せの怖いところは、つまずきが見えないことです。新人がどこで困っているのか、周りが気づけません。

気づいたときには、すっかり自信をなくしていた。あるいは、静かに離職を考えていた。そんなケースは決してめずらしくありません。

さらに、教える内容が体系立っていないと、身につくスキルにもばらつきが出ます。同じ時期に入った新人でも、育ち方に大きな差がついてしまうのです。

もちろん、自分で学ぶ姿勢は大切です。けれども、それは適切な道筋を示したうえでの話です。地図も持たせずに「自分で歩いて」と言うのは、放任と変わりません。

eラーニングをどう活かすか

こうした課題を、現実的に解決する選択肢のひとつがeラーニングです。

先輩の時間を奪わずに、体系立った教材と練習環境を新人へ届けられます。教える内容のばらつきも抑えられます。

新人は自分のペースで、何度でも同じ単元を繰り返せます。分からなければ戻り、理解できたら進む。この自由度は、集合研修にはない大きな利点です。

会社にとっても、研修のたびに講師を確保したり、資料を作り直したりする手間がなくなります。育成の土台を、安定した形で持てるようになるわけです。

ここで、教材を選ぶときの視点を整理しておきましょう。動画を見るだけで終わる教材より、手を動かせる教材のほうが定着します。加えて、進捗が見えることも大切です。

InfraAcademyの法人プランは、まさにこの「手を動かす学習」と「進捗の見える化」を軸に作られています。Linuxやネットワーク、AWSのシミュレーター、練習問題を通して、新人が安全に何度でも試せる環境を用意しています。

研修の「見える化」で離脱を防ぐ

研修で見落とされがちなのが、進捗の把握です。

誰がどこまで進んだのか、どこでつまずいているのか。これが見えないと、フォローのタイミングを逃してしまいます。

進捗が見えれば、声をかけるべき相手がすぐ分かります。「あの単元で止まっているな」と気づけば、早めに手を差し伸べられます。

この小さな気づきの積み重ねが、離脱を防ぎ、独り立ちまでの時間を縮めます。管理担当者が受講状況を確認できる仕組みは、想像以上に効果を発揮します。

資格取得まで見据えるなら、AWS認定資格の勉強法のような目標を研修に組み込むのもよいでしょう。ゴールが具体的だと、新人のモチベーションも保ちやすくなります。

研修の設計や見積もりで迷ったら、InfraAcademyの法人プランのページもあわせてご覧ください。料金の仕組みや、ライセンスを研修ごとに割り当て直せる使い方などを紹介しています。

内製とeラーニング、どう組み合わせる?

ここで、よく受ける質問にも触れておきます。「では、研修はすべて外部に任せればよいのか」という疑問です。

答えは、いいえ、です。いちばん効果的なのは、内製とeラーニングを組み合わせることだと私は考えています。

なぜなら、両者は得意な部分が違うからです。役割を分けて考えると、うまくかみ合います。

eラーニングが得意なのは、体系立った基礎の習得です。用語や基本操作、練習問題は、教材に任せるほうが効率的で、教える人によるばらつきも出ません。

一方、先輩にしかできないこともあります。自社ならではのルールや、実際の現場の勘どころ、そして新人の相談に乗ること。ここは人の出番です。

先輩の時間を「教えるべきこと」に集中させる

この組み合わせの最大のメリットは、先輩の時間の使い方が変わることです。

基礎の説明を教材に任せられれば、先輩は同じ話を何度も繰り返さずに済みます。空いた時間を、自社固有の知識を伝えることや、新人のつまずきに寄り添うことに回せます。

つまり、人にしかできない価値の高い部分へ、先輩の力を集中させられるのです。

新人にとっても、基礎はいつでも教材で復習でき、分からないところだけ先輩に聞けばよい、という安心感があります。この役割分担が、育成のスピードと質を同時に引き上げます。

まとめ

今回は、未経験の新人インフラ研修をどう設計するかについてお話ししました。

インフラは目に見えにくく、初心者がつまずきやすい分野でしたね。だからこそ、土台の言葉をそろえ、手を動かし、小さな実務で自信をつける、という順番が大切でした。

独学任せはつまずきが見えず、離職やスキルのばらつきにつながりやすいという落とし穴もありました。体系立った教材と、進捗の見える化が、それを防ぐ鍵になります。

新人が育つかどうかは、本人の素質だけで決まるものではありません。育てる側の設計しだいで、独り立ちまでの時間は大きく変えられます。

まずは自社の研修を、この3ステップに当てはめて眺めてみてください。どこが抜けているかが見えれば、次の一手はきっと見つかりますよ。

そして、すべてを自社だけで抱え込む必要はありません。基礎は教材に任せ、人にしかできない部分に先輩の力を集中させる。この分担が、限られた時間のなかで新人を育てる現実的な答えになります。

育成は、会社の未来をつくる投資です。今日の設計が、一年後の戦力を左右します。焦らず、順番を守って、着実に育てていきましょう。

参考記事

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この記事を書いた人

ryu

InfraAcademy運営 / エンジニア

エンジニア歴10年。Linux、ネットワーク、クラウドを中心に、実務で役立つインフラ技術を初心者にもわかりやすく解説しています。

X: @ryu63614894

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