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インフラの外部研修、どれを選べばいい?失敗しない研修サービスの選定基準とチェックリスト

| #Eラーニング #新人研修 #人材育成
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こんにちは、インフラエンジニアのryuです。

「新人のインフラ研修を、そろそろ外部のサービスに任せたい」。そう考えて資料を集め始めたものの、気づけば手元にパンフレットとタブが山積みになっていた——そんな経験はないでしょうか。

集合研修、eラーニング、ハンズオン中心の講座、資格対策特化型。どれも「基礎から学べます」「現場で使えます」と書いてあって、正直、何を基準に選べばいいのか分からなくなってきます。

そして、選定に時間をかけられないまま「とりあえず有名なところ」「とりあえず安いところ」で決めてしまう。これが、あとで一番後悔しやすいパターンです。

今日は、インフラの外部研修サービスを「選ぶこと」そのものをテーマにお話しします。内製と外注のどちらにするか、という手前の判断はすでに済んでいて、「外部に任せると決めた。ではどれを選ぶ?」という段階の担当者に向けた記事です。

内製と外注で迷っている段階の方は、先にインフラ研修は内製と外注どっちがいい?を読んでいただくと、話がつながりやすいと思います。

なぜ今、「研修サービスを選ぶ力」が問われているのか

そもそも、なぜこれほど多くの企業がインフラ研修を外に求めるようになったのでしょうか。

背景には、深刻なIT人材の不足があります。IPA(情報処理推進機構)の「DX動向2025」によると、DXを推進する人材の量について「やや不足」「大幅に不足」と答えた日本企業は85.1%にのぼりました。米国の23.8%、ドイツの44.6%と比べても突出して高く、しかもこの数字は数年前からほとんど改善していません。

採用市場で人が採れないなら、自社で育てるしかない。けれど教える側にも余裕がない。だから外部の力を借りる——という流れは、いわば必然なのです。

需要が高まれば供給も増えます。矢野経済研究所の調査では、法人向け(BtoB)のeラーニング市場は2024年度に1,232億円(前年度比7.8%増)と伸びています。選択肢が増えるのは歓迎すべきことですが、その分だけ「選ぶ」という作業の重みも増しました。

言い換えると、今は「良い研修が世の中に存在するか」で悩む時代ではありません。良いものはたくさんある。悩ましいのは、その中から自社に合う一つを見極める目のほうです。ここを鍛えないまま数だけ比べても、結局は決め手を失って堂々巡りになります。

しかも研修は、一度入れたら数年は付き合う買い物です。合わないものを選んでしまうと、乗り換えの手間や、その間に育てそこねた新人の遅れという、見えにくいコストがじわじわ効いてきます。だからこそ、最初の選び方に少しだけ時間をかける価値があるのです。

「導入すること」がゴールになっていないか

ここで一つ、静かに進行しがちな落とし穴があります。研修サービスの導入それ自体が目的になってしまう、というものです。

「今年から新しい研修を入れました」と報告できれば、担当者としては一区切りついた気になります。でも、本当に測りたいのは「導入したか」ではなく「新人が現場で動けるようになったか」のはずです。

道具を買ったこと自体は、成果ではありません。良い包丁を買っても、料理がうまくなるとは限らないのと同じです。

研修は「買って終わり」ではない

もう一つ大事な前提があります。それは、研修サービスは買った瞬間に価値が出るものではない、ということです。

どんなに優れた教材でも、学んだ内容が現場の仕事につながらなければ、費用は宙に浮いてしまいます。学びを実務へ橋渡しする設計については研修は受けたのに現場で動けない問題で詳しく触れていますが、ここでは「サービス選びは、その橋渡しまで含めて考えるもの」とだけ押さえておいてください。

つまり選定とは、「良い教材を探すこと」ではなく「自社の育成の仕組みに、うまくはまる部品を選ぶこと」なのです。

研修サービスを選ぶ前に、決めておきたい3つのこと

比較表を作り始める前に、まず自社側の条件を言葉にしておきましょう。ここが曖昧なまま各社の資料を見比べると、営業トークの上手さで印象が決まってしまいます。

決めておきたいのは、次の3つです。

誰を、どのレベルまで引き上げたいのか

一番大事なのは、対象者とゴールの明確化です。

「新人全員」とひとくくりにしても、文系出身でPCに不慣れな人と、情報系の学部を出てLinuxをある程度触れる人とでは、必要な研修がまるで違います。前者に高度なクラウド設計の講座を当てても消化不良になりますし、後者に電源の入れ方から教えても退屈させてしまいます。

ゴールも具体的にしておきましょう。「半年後に、一人で基本的なサーバー構築と切り分けができる状態」といった、行動で語れる目標です。ここが決まっていないと、そもそも研修が成功したのかどうかも判定できません。

このゴール設計は、外部研修を使わない場合でも育成の土台になります。考え方はインフラ未経験の新人研修、どう設計する?にまとめてあります。

学んだことを、誰がどう現場につなぐのか

次に、研修と現場のあいだをつなぐ人と仕組みを決めます。

eラーニングを配って「はい、あとは各自で」では、多くの新人は途中で止まります。誰が進捗を気にかけ、分からないところを拾い、学んだ内容を実務のどこで使わせるのか。この座組みを先に描いておくと、研修サービスに求める条件も自然と見えてきます。

いくらまでなら、投資として説明できるのか

最後に予算です。ただし、単純な安さで選ぶのは危険です。

安い研修で新人が伸びず、独り立ちが半年遅れれば、その間の人件費のほうがずっと高くつきます。研修費用は「支出」ではなく「投資」として見る視点が要ります。費用対効果の測り方は新人インフラ研修のROIはどう測る?を参考にしてください。

この3つを、目的タイプごとに整理すると次のようになります。

育てたい方向 重視すべき要素 相性のよい形式
手を動かせる即戦力 演習環境・課題の量 ハンズオン中心の講座
幅広い基礎知識 体系性・カリキュラムの網羅性 体系型eラーニング
資格による裏づけ 出題傾向への対応・問題数 資格対策特化型
自走できる学習習慣 質問対応・伴走の手厚さ メンター付きの伴走型

自社が今どの列を最優先するのか。ここが決まれば、候補の絞り込みは一気に楽になります。

失敗しない研修サービスの選定基準

自社側の条件が固まったら、いよいよサービスを評価していきます。私が見てきた中で「入れてよかった」と言われる研修には、いくつか共通点があります。逆に言えば、この観点が抜けていると後悔しやすい、ということでもあります。

主な評価軸を表にまとめました。

評価軸 見るべきポイント よくある落とし穴
実践性 手を動かす演習・環境が付くか 動画を見るだけで終わる
可視化 進捗・理解度が管理者から見えるか 受けっぱなしで放置される
網羅性 Linux・ネットワーク・クラウドを筋道立てて学べるか 断片的な単発講座の寄せ集め
鮮度 教材が定期的に更新されるか 数年前のバージョンのまま
サポート 質問できる仕組みがあるか 疑問を放置して離脱する

以下、特に大事な3点を掘り下げます。

手を動かす環境があるか

インフラは、読んで分かった気になっても、いざ端末の前に座ると手が止まる分野です。

コマンドを実際に打ち、設定ファイルを書き換え、わざと壊して直す。この体験の量が、現場での応用力を決めます。だから、演習環境が用意されているかどうかは最優先の確認事項です。

たとえば同じ「Linux基礎」でも、動画を眺めるだけの講座と、手元で次のような操作を繰り返させる講座とでは、身につき方がまるで違います。

# ユーザーを作り、権限を確認し、ログを追う——
# こうした一連の操作を「自分の手で」繰り返せるか
sudo useradd -m ryu
id ryu
sudo tail -f /var/log/secure

資料を見るときは、「この研修で、新人は結局どれだけ手を動かすのか」を必ず質問してください。パンフレットには演習と書いてあっても、実際は用意された答えをなぞるだけ、というケースもあります。自分で考えて試行錯誤する余地がどれくらいあるのかまで踏み込んで聞くと、講座の実力が見えてきます。

進捗と理解度が、管理者から見えるか

外部に任せると、どうしても中身がブラックボックスになりがちです。

誰がどこまで進んでいて、どこでつまずいているのか。それが管理画面で見えるかどうかは、研修を「放置しない」ための生命線です。見えていれば、遅れている新人に早めに声をかけられます。見えていなければ、修了報告が来て初めて「実は全然進んでいなかった」と気づくことになります。

進捗をどう追い、どう育成に生かすかは新人研修の進捗が見えない問題にまとめています。サービス選びの段階でも、この「見える化」の機能があるかを必ず確かめておきましょう。

質問できて、教材が新しいか

分からないところを放置された新人は、静かにやる気を失っていきます。

質問できる窓口があるか、回答は早いか。地味ですが、離脱を防ぐうえで効いてくる要素です。あわせて、教材の更新頻度も見てください。クラウドやツールは進化が速く、数年前の画面のままの教材だと、新人が「習った通りにやったのに違う」と混乱します。

教材の鮮度は、意外と見落とされがちなポイントです。数年前に作られたきり更新されていない教材だと、画面の見た目や手順が今の環境と食い違い、新人は「本の通りにやったのに動かない」と自信をなくしてしまいます。最終更新がいつなのか、クラウドのサービス改定にどう追随しているのかは、遠慮せず聞いてよい質問です。

これらをまとめた確認リストを、資料請求や商談の前に手元に置いておくと、抜け漏れを防げます。頭の中だけで比べようとすると、直前に聞いた会社の印象に引っ張られがちです。同じ項目で機械的に採点していくほうが、冷静で公平な比較ができます。

[研修サービス選定チェックリスト]
□ 対象レベルと自社の新人像が合っているか
□ 手を動かす演習・環境が付いているか
□ 進捗・理解度が管理者から見えるか
□ Linux/ネットワーク/クラウドを筋道立てて学べるか
□ 質問できる仕組みと、その応答速度
□ 教材の更新頻度(いつ最終更新か)
□ 学びを現場につなぐ設計を一緒に考えてくれるか
□ 費用が投資として社内で説明できるか

良い研修サービスは、教材を売る相手ではなく、育成の伴走者として付き合える相手です。「うちの新人はどう伸ばせますか」と相談したとき、具体的な返答が返ってくるかどうかが、一つの見極めになります。

選んだあとに、効果を出すために

サービスを選び終えても、そこがゴールではありません。むしろ、育成が始まるスタート地点です。

導入したら、まず小さく始めてみるのがおすすめです。いきなり全員に展開せず、数人で試して、進み具合や理解度、現場への手応えを確かめる。そこで得た感触をもとに、フォローの仕方を調整してから広げていくと、大きな失敗を避けられます。

そして、学んだことを現場で使わせる機会を、意識的に作ってください。研修で覚えたコマンドを実際の作業で使わせる、簡単な構築を任せてみる。使う場面がないと、せっかくの学びはすぐに抜け落ちてしまいます。

もう一つ、選んだサービスを一年ほど使ったら、いったん立ち止まって振り返る時間を持つことをおすすめします。新人はきちんと伸びたか、途中で止まった人はどこでつまずいたか、教材の内容は現場の実態と合っていたか。こうした振り返りをしておくと、翌年の新人にはより良い形で渡せますし、サービスを続けるか見直すかの判断材料にもなります。

研修サービスは、一度選んだら永遠に固定するものではありません。会社の状況も、扱う技術も、新人の顔ぶれも毎年変わります。だから選定は、一回きりの大勝負ではなく、毎年少しずつ調整していく営みだと考えたほうが、気が楽になりますし、うまくいきます。

私たちが運営している学習サービス InfraAcademy も、まさにこうした「手を動かして基礎を固める」ことを大切に作っています。Linux・ネットワーク・クラウドを体系立てて学べて、法人での導入や育成のご相談もお受けしています。研修サービスの一つの選択肢として、法人向けプランものぞいてみてください。

「まず個人で学ぶ流れを見てみたい」という方は、ネットワークのロードマップインフラエンジニアの学習ロードマップから、学びの全体像をつかめます。

大事なのは、どのサービスを選ぶにせよ、「選んで終わり」にしないことです。選定は、育成という長い取り組みの入り口にすぎません。

まとめ

インフラの外部研修サービスは、種類が多く、どれも良さそうに見えます。だからこそ、比較表を作る前に「自社は誰を、どこまで、どうやって育てたいのか」を言葉にしておくことが、遠回りのようで一番の近道です。

選ぶときの基準は、派手な機能よりも地味な足腰です。手を動かせるか、進捗が見えるか、質問できて教材が新しいか。この3点を軸にすれば、大きく外すことはありません。逆に、機能の豊富さや価格の安さだけで決めると、あとから「思っていたのと違った」となりやすいので気をつけてください。

そして忘れてはいけないのが、研修は買って終わりではないということ。小さく始め、学びを現場につなぐところまで面倒を見て、はじめて投資が回収されます。

良いサービス選びは、新人が現場で笑顔になる第一歩です。焦らず、自社の育て方に一番はまる相棒を見つけてください。今日の視点が、あなたの研修選びを少しでも楽にできたなら嬉しいです。

参考記事

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この記事を書いた人

ryu

InfraAcademy運営 / エンジニア

エンジニア歴10年。Linux、ネットワーク、クラウドを中心に、実務で役立つインフラ技術を初心者にもわかりやすく解説しています。

X: @ryu63614894

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