こんにちは、フルスタックエンジニアのryuです。
今回の記事では、ネットワーク構築を練習する方法を解説します。
プログラミングはパソコンだけで始められますが、ネットワークはルーターやスイッチが必要に見えます。何を用意し、どこから練習すればよいのか迷っていませんか?
現在は実機だけでなく、Packet Tracerなどのシミュレーターやブラウザ演習もあります。それぞれの違いと、初心者におすすめの練習順を紹介します。
ネットワーク構築の練習をする方法解説¶
ネットワーク構築の練習方法は、大きく3つあります。
| 練習方法 | 費用 | 始めやすさ | 向いている段階 |
|---|---|---|---|
| ブラウザ演習 | 無料〜 | とても簡単 | 完全初心者 |
| Packet Tracer | 基本無料 | 簡単 | 基礎〜CCNA学習 |
| 実機 | 数千円〜 | 準備が必要 | 基礎習得後 |
最初から実機を買う必要はありません。シミュレーターでIPアドレスやVLANを理解し、必要になったら実機で配線やコンソール接続を経験する流れがおすすめです。
私はエンジニアとして10年以上インフラに関わっていますが、機器を買うことより、構成を作り、壊し、原因を調べて直す回数の方が成長につながると感じています。
【関連記事】ネットワークの勉強は何から始める?初心者向けロードマップ
実機を購入してネットワーク構築を練習する¶
実機とは、物理的なルーターやスイッチなどのネットワーク機器です。
実際にケーブルを接続し、コンソールから設定できるため、実務に近い経験ができます。
実機を購入するメリット¶
実機では、画面上の設定だけではなく、物理層の確認も必要です。
ケーブルの接続間違い、ポートがリンクアップしない、設定を保存せず再起動したといったトラブルも経験できます。
実務では、コマンドが正しくても配線や電源が原因で通信できないことがあります。リンクランプやケーブルまで確認する習慣が身につく点は、実機の大きなメリットです。
実機を購入するデメリット¶
実機には費用がかかり、置き場所も必要です。
中古機器なら価格を抑えられますが、古いOSで現在のコマンドが使えない場合や、ファンの音・消費電力が気になる場合もあります。
購入前に、CLIで設定できるか、VLANやルーティングなど学びたい機能へ対応しているかを確認してください。
実機でネットワークの構築を始めるには¶
実機でネットワークの構築を始めるには、ルーター、スイッチ、LANケーブルを揃えましょう。
下記のような機器です。
これらの製品を揃えるとネットワークを構築することができます。新品で購入すると高いので、中古も選択肢になります。
掲載商品は元記事で紹介していた例です。Cisco IOSのコマンドを練習したい場合、家庭向けルーターやWeb管理中心のスイッチでは目的の操作ができないことがあります。
実機を購入するお金がなくても問題ありません。シミュレーターを使えば、無料でネットワークの構築を練習できます。
シミュレーターでネットワーク構築を練習する¶
2つ目は、シミュレーターを使う方法です。
画面上へ複数の機器を配置でき、設定を間違えても構成を作り直せるため、初心者に向いています。
シミュレーターを使うメリットとデメリット¶
実機でルーターを3台使うなら3台購入する必要があります。シミュレーターなら、画面上へ必要な台数を配置できます。
配線も、機器間を線で結ぶ操作だけです。

シミュレーターにもデメリットはあります。物理的な配線、故障、ファン、電源、実際の通信速度などは完全に再現できません。
実機で使えるすべてのコマンドや機能へ対応しているとも限りません。設定の考え方はシミュレーターで学び、物理作業は必要に応じて実機で補いましょう。
無料で練習できるPacket Tracer¶
Packet Tracerは、Cisco Networking Academyが教育用途で提供するネットワークシミュレーターです。
Cisco Networking Academyへログインし、公式のリソースページや入門コースから入手できます。非公式サイトの古いインストーラーは、セキュリティや動作の問題があるため避けてください。
Packet Tracerでは、次のような練習ができます。
| 分野 | 練習例 |
|---|---|
| 基本設定 | ホスト名、パスワード、管理IP |
| スイッチ | VLAN、アクセスポート、トランク |
| ルーティング | スタティックルート、OSPF |
| サービス | DHCP、DNS、HTTP |
| 障害対応 | ping、traceroute、showコマンド |
| 通信確認 | Simulationモードでパケットを追跡 |
【関連記事】Packet Tracerでネットワークを練習する方法
最初に作りたいネットワーク¶
最初は、スイッチ1台とパソコン2台を配置します。
PC1: 192.168.10.10/24
PC2: 192.168.10.20/24
同じネットワーク内でpingできたら、VLAN 10とVLAN 20へ分けます。そのままでは異なるVLAN間で通信できないことを確認し、次にルーターやL3スイッチを追加します。
完成した設定を写すだけではなく、IPアドレスを1か所間違え、どの確認コマンドで原因を見つけられるか試してみてください。
ブラウザでネットワークを練習する¶
ソフトウェアのインストールが難しい場合は、ブラウザ上の学習環境も利用できます。
学ぶ内容に合わせた環境が用意されているため、ツールの操作で迷わず課題へ進める点がメリットです。
シミュレーターでネットワークの学習ができるInfraAcademy¶
ネットワークの構築を練習したい方におすすめしたいのがInfraAcademyという学習サービスです。
InfraAcademyでは、以下のように独自のネットワークシミュレーターを使ってインターネットを構築する方法を1から学習できます。PaketTracerのインストールなどの準備も不必要です。
単にコマンドをコピーするのではなく、IPアドレス、デフォルトゲートウェイ、ルーティングが必要な理由を確認しながら進められます。
初心者におすすめの練習順¶
環境を用意しても、いきなりOSPFや複雑な構成へ進むと混乱します。
次の順番で、少しずつネットワークを広げましょう。
1.同じネットワーク内で通信する¶
パソコン2台へ同じサブネットのIPアドレスを設定し、pingを実行します。
失敗した場合は、IPアドレス、サブネットマスク、ケーブル、ポート状態を確認します。
2.VLANでネットワークを分ける¶
1台のスイッチへVLAN 10とVLAN 20を作成します。
Switch(config)# vlan 10
Switch(config-vlan)# name SALES
Switch(config)# vlan 20
Switch(config-vlan)# name ENGINEERING
アクセスポートへVLANを割り当て、異なるVLAN間ではL2スイッチだけで通信できないことを確認します。
3.ルーティングで接続する¶
ルーターまたはL3スイッチを追加し、異なるネットワーク間を接続します。
最初はスタティックルートを使い、通信できたらshow ip routeで経路を確認しましょう。
4.DHCPとDNSを追加する¶
手動でIPアドレスを設定できたら、DHCPによる自動割り当てへ進みます。
次にDNSとWebサーバーを追加すると、IPアドレス、ゲートウェイ、名前解決の関係をまとめて理解できます。
5.障害を作って直す¶
正常な構成だけでは、トラブル対応の練習になりません。
サブネットマスクを間違える、ポートをshutdownする、ルートを削除するなど、意図的に障害を作ります。
次のコマンドで状態を比較しましょう。
show ip interface brief
show vlan brief
show interfaces trunk
show ip route
show running-config
効果的に練習するポイント¶
設定を始める前に、構成図とIPアドレス表を作ります。
| 機器 | インターフェース | IPアドレス | 接続先 |
|---|---|---|---|
| PC1 | NIC | 192.168.10.10/24 |
SW1 |
| SW1 | VLAN 10 | 192.168.10.2/24 |
管理用 |
| R1 | G0/0 | 192.168.10.1/24 |
SW1 |
実務でも、設計情報を確認せず、その場の思いつきでIPアドレスを設定することはありません。
一度成功した構成は翌日に削除し、何も見ずに作り直してみてください。詰まった箇所が、まだ理解できていない部分です。
ネットワーク構築の練習方法まとめ¶
ネットワーク構築は、ブラウザ演習、Packet Tracer、実機のどれでも練習できます。
初心者は無料環境でIPアドレス、VLAN、ルーティングを学び、必要になった段階で実機へ進む方法がおすすめです。
同一ネットワーク内の通信から始め、VLAN、ルーティング、DHCP・DNS、障害対応と順番に広げましょう。
当ブログでは、ネットワークやインフラに関連した技術を発信しています。


