InfraAcademy

InfraAcademy Blog

スイッチにデフォルトゲートウェイを設定する方法解説【なぜデフォルトゲートウェイを設定するのか?】

| #ネットワーク #スイッチ
Linuxをブラウザで試してみる

Linux・ネットワーク・AWSを、環境構築なしで実践学習できます

こんにちは、フルスタックエンジニアのryuです。

Ciscoスイッチにデフォルトゲートウェイを設定する方法を解説します。

スイッチへ管理用IPアドレスを設定したものの、別ネットワークのパソコンからSSH接続できない。そんなときに確認したい設定が、ip default-gatewayです。

ただし、この設定でパソコンの通信をルーティングできるわけではありません。

L2スイッチ自身が、管理ネットワークの外へ通信するための設定だと理解することが大切です。

この記事では、管理用IPアドレスとゲートウェイの設定、確認コマンド、通信できない場合の切り分けまで解説します。

スイッチに設定するデフォルトゲートウェイとは

デフォルトゲートウェイとは、自分と異なるネットワークへ通信するときに、最初にパケットを渡す相手です。

パソコンやサーバーと同じように、管理用IPアドレスを持つL2スイッチにもデフォルトゲートウェイを設定できます。

ip default-gatewayを設定する目的

L2スイッチは、通常、MACアドレスを使って同じLAN内のフレームを転送します。

そのため、スイッチに接続したパソコンのデフォルトゲートウェイは、ルーターやL3スイッチのIPアドレスへ設定します。

一方、スイッチ自身も次のような通信を行います。

  • 別ネットワークの管理端末とのSSH通信
  • NTPサーバーとの時刻同期
  • Syslogサーバーへのログ送信
  • SNMPによる監視

これらの宛先が管理用IPと異なるネットワークにある場合、L2スイッチ自身にもデフォルトゲートウェイが必要です。

対象 IPアドレスの目的 ゲートウェイ設定
パソコン ユーザー通信 パソコン側へ設定
L2スイッチ SSHや監視などの管理通信 ip default-gateway
L3スイッチ 管理通信とルーティング 通常はデフォルトルート

【関連記事】デフォルトゲートウェイとは?役割を初心者向けに解説

スイッチにデフォルトゲートウェイを設定する方法

ここからは、Cisco IOSを使うL2スイッチを想定して設定します。

今回は、次のネットワーク構成を例にします。

項目 設定値
管理VLAN VLAN 10
スイッチの管理用IP 192.168.10.2/24
デフォルトゲートウェイ 192.168.10.1
別ネットワークの管理端末 192.168.20.10

管理用IPとデフォルトゲートウェイは、同じサブネットに設定します。

デフォルトゲートウェイを設定するコマンド

デフォルトゲートウェイを設定するためには、以下のコマンドを入力します。

Switch> enable
Switch# configure terminal
Switch(config)# ip default-gateway 192.168.10.1

今回は、192.168.10.1をゲートウェイとしています。

指定するのは、管理VLAN上にあるルーターまたはL3スイッチのIPアドレスです。スイッチ自身のIPアドレスではありません。

設定を削除するときは、先頭にnoを付けます。

Switch(config)# no ip default-gateway 192.168.10.1

通信するためにIPアドレスも設定

デフォルトゲートウェイを設定したら、IPアドレスも設定しましょう。通信するためには、IPアドレスは必須の設定です。

L2スイッチでは、通常、SVIと呼ばれるVLANインターフェースへ管理用IPを設定します。

Switch(config)# vlan 10
Switch(config-vlan)# name MANAGEMENT
Switch(config-vlan)# exit
Switch(config)# interface vlan 10
Switch(config-if)# ip address 192.168.10.2 255.255.255.0
Switch(config-if)# no shutdown
Switch(config-if)# exit

【関連記事】スイッチにIPアドレスを設定する方法

デフォルトゲートウェイの設定を確認する

先ほどまで、デフォルトゲートウェイを設定する方法について解説しました。設定が完了したら、確認をしましょう。

確認はshowコマンドでできます。

running-configから確認する

次のコマンドを実行します。

Switch# show running-config | include default-gateway

設定されていれば、次のように表示されます。

ip default-gateway 192.168.10.1

show running-configだけでも確認できますが、すべての設定が表示されます。

includeで必要な行を絞り込むと、設定を探しやすくなります。

【関連記事】show running-configコマンドの見方

管理用IPアドレスを確認する

SVIの状態は、次のコマンドで確認します。

Switch# show ip interface brief

正常な例は次のとおりです。

Interface              IP-Address      OK? Method Status  Protocol
Vlan10                 192.168.10.2    YES manual up      up

StatusProtocolの両方がupになっていることを確認します。

administratively downなら、VLANインターフェースでno shutdownが実行されているか確認してください。

pingで通信確認する

最初に、同じ管理ネットワークのゲートウェイへpingします。

Switch# ping 192.168.10.1

成功したら、別ネットワークにある管理端末へpingします。

Switch# ping 192.168.20.10

ゲートウェイには届くのに別ネットワークへ届かない場合は、ルーター側の経路、ACL、ファイアウォールを確認します。

スイッチにデフォルトゲートウェイを設定する意味は?

先ほどまで、スイッチにデフォルトゲートウェイを設定する方法について解説しました。

では、なぜスイッチにデフォルトゲートウェイを設定する必要があるのでしょうか。

それは、スイッチを別ネットワークからリモート操作するときに必要になるからです。

IPアドレスやデフォルトゲートウェイを設定しなくても、L2スイッチとして端末間のフレームを転送できる場合があります。

しかし、会社のスイッチはサーバールームやネットワークラックに設置されるため、毎回現地で操作するのは大変です。

管理用IPとデフォルトゲートウェイがあれば、別のフロアや管理ネットワークからSSHで接続できます。

私もインフラ運用に関わる中で、現地へ行かずに状態確認や設定変更ができることの重要性を何度も感じました。

リモート管理を有効にする場合は、TelnetではなくSSHを使い、管理元IPをACLで制限することも大切です。

ip default-gatewayとip routeの違い

ここは、初心者が特に混乱しやすいポイントです。

ip default-gatewayは、IPルーティングを行わないL2スイッチで、スイッチ自身のゲートウェイを指定するコマンドです。

一方、IPルーティングを有効にしたL3スイッチやルーターでは、デフォルトルートを設定します。

Switch(config)# ip routing
Switch(config)# ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 192.168.10.1
機器の状態 使用する設定
ip routingが無効 ip default-gateway 192.168.10.1
ip routingが有効 ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 192.168.10.1

IPルーティングが有効な機器では、ip default-gatewayを設定しても期待どおり使われないことがあります。

設定は次のコマンドで確認できます。

Switch# show running-config | include ^ip routing

ip routingが表示されれば、ルーティング機能が有効です。

デフォルトゲートウェイを設定しても通信できない原因

コマンドが表示されていても、通信できないことがあります。

よくある原因を順番に確認しましょう。

管理用IPとゲートウェイのネットワークが違う

管理用IPが192.168.10.2/24なら、ゲートウェイも通常は192.168.10.0/24内に必要です。

次の組み合わせは同じネットワークではありません。

管理用IP: 192.168.10.2/24
ゲートウェイ: 192.168.20.1

IPアドレスだけでなく、サブネットマスクも確認してください。

VLANインターフェースがdownになっている

show ip interface briefdown/downなら、次の項目を確認します。

  • VLANが作成されているか
  • SVIへno shutdownを設定したか
  • そのVLANに所属する有効なポートがあるか
  • トランクで管理VLANが許可されているか

VLANの状態は、次のコマンドで確認できます。

Switch# show vlan brief

ゲートウェイ側の設定がない

ip default-gatewayへ指定するIPは、実際に管理VLAN上で動作している必要があります。

スイッチからゲートウェイへpingできなければ、別ネットワークを調べる前に、同じVLAN内の設定を確認します。

ACLやSSH設定で拒否されている

pingは通るのにSSH接続できない場合は、VTY、SSH、アクセスリストを確認します。

Switch# show running-config | section line vty
Switch# show access-lists
Switch# show ip ssh

設定を変更したら、最後にstartup-configへ保存したかも確認しましょう。

デフォルトゲートウェイを設定する方法まとめ

今回の記事では、スイッチにデフォルトゲートウェイを設定する方法を解説しました。

L2スイッチでIPルーティングを行わない場合は、次のコマンドを使用します。

Switch(config)# ip default-gateway 192.168.10.1

ただし、この設定だけでは通信できません。

管理VLAN、SVIのIPアドレス、VLANを通すポート、ルーター側の設定、SSHやACLも合わせて確認します。

IPルーティングを有効にしたL3スイッチでは、ip default-gatewayではなくデフォルトルートを使用します。

Switch(config)# ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 192.168.10.1

設定後は、show running-configshow ip interface brief、pingの順番で確認しましょう。

当ブログでは、このようなネットワークやインフラに関連した技術を発信しています。

さらにネットワークについて勉強したい方は、こちらの参考書がオススメです。

参考資料

Next Action

記事で読んだ内容を、講座で実装してみましょう

InfraAcademyでは、ブラウザ上でLinuxやネットワークの実践環境を使いながら学習できます。無料で始められる講座から、学習の流れを試せます。

この記事を書いた人

ryu

InfraAcademy運営 / エンジニア

エンジニア歴10年。Linux、ネットワーク、クラウドを中心に、実務で役立つインフラ技術を初心者にもわかりやすく解説しています。

X: @ryu63614894

Related

関連記事

ブログ一覧へ

Roadmap

まずはこの4講座から

ログインすれば無料で始められる講座です。気になったテーマから手を動かして学べます。

講座一覧を見る