こんにちは、フルスタックエンジニアのryuです。
今回の記事では、CiscoのスイッチにIPアドレスを設定する方法を解説します。
コマンドを入れたのに、pingが通らない。そんな経験はありませんか?
スイッチの管理用IPは、VLANインターフェースへ設定します。ただし、IPアドレスとno shutdownだけでは通信できないケースもあります。
管理VLAN、接続ポート、デフォルトゲートウェイ、確認コマンドまで順番に見ていきましょう。
スイッチにIPアドレスを設定する方法解説¶
CiscoのL2スイッチでは、SVIと呼ばれるVLANインターフェースへ管理用IPアドレスを設定します。
物理ポートへ直接設定するわけではありません。ここがルーターとの違いです。
スイッチへIPアドレスを設定する目的¶
L2スイッチは、IPアドレスがなくても同じLAN内のフレームを転送できます。
では、なぜIPアドレスを設定するのでしょうか?
目的は、SSH、SNMP、Syslog、NTPなどでスイッチ自身を管理するためです。
| 利用目的 | 例 |
|---|---|
| リモート管理 | SSHでログインする |
| 監視 | SNMPで状態を取得する |
| ログ・時刻 | SyslogやNTPを利用する |
| 疎通確認 | pingで管理経路を確認する |
接続されたパソコンの通信を中継するためのIPではありません。この違いは、最初に押さえておきましょう。
管理VLANとSVIの関係¶
SVIは、Switch Virtual Interfaceの略です。
次のコマンドでVLAN 10の仮想インターフェースへ移動できます。
Switch(config)# interface vlan 10
このVlan10へIPアドレスを付けると、スイッチはVLAN 10上でIP通信できるようになります。
学習用の例ではVLAN 1がよく使われますが、本番環境では管理用VLANを分ける構成がおすすめです。Ciscoも、セキュリティ上の理由からVLAN 1を管理VLANとして使わないことを案内しています。
今回は、次の構成で進めます。
| 項目 | 設定値 |
|---|---|
| 管理VLAN | VLAN 10 |
| スイッチ | 192.168.10.2/24 |
| 管理用パソコン | 192.168.10.100/24 |
| ゲートウェイ | 192.168.10.1 |
【関連記事】VLANとは?仕組みを初心者向けに解説
CiscoスイッチへIPアドレスを設定する¶
まず、特権EXECモードから設定モードへ移動します。
Switch> enable
Switch# configure terminal
続いて、管理用のVLAN 10を作成します。
Switch(config)# vlan 10
Switch(config-vlan)# name MANAGEMENT
Switch(config-vlan)# exit
name MANAGEMENTは必須ではありませんが、用途が一目でわかります。
SVIへIPアドレスを設定する¶
VLAN 10のインターフェースへ移動し、IPアドレスを設定します。
Switch(config)# interface vlan 10
Switch(config-if)# ip address 192.168.10.2 255.255.255.0
Switch(config-if)# no shutdown
Switch(config-if)# exit
元記事ではconfig-fiとなっていましたが、正しくはconfig-ifです。
no shutdownは、管理上の停止状態を解除するコマンドです。忘れやすいので注意してください。
ただし、ここが重要です。
no shutdownを入力しただけでは、SVIが必ずup/upになるわけではありません。
対象VLANに所属する有効なポートが必要です。
物理ポートを管理VLANへ所属させる¶
管理用パソコンをGigabitEthernet 0/1へ接続する場合は、次のように設定します。
Switch(config)# interface gigabitEthernet 0/1
Switch(config-if)# switchport mode access
Switch(config-if)# switchport access vlan 10
Switch(config-if)# no shutdown
Switch(config-if)# exit
パソコン側には192.168.10.100/24を設定します。
ケーブルが接続され、ポートがリンクアップすると、Vlan10もup/upになるはずです。
別のスイッチをトランクで経由するなら、管理VLANが許可されているかも確認します。
Switch# show interfaces trunk
デフォルトゲートウェイを設定する¶
同じVLAN内のパソコンから管理するだけなら、デフォルトゲートウェイは不要です。
別ネットワークからSSH接続するなら、戻りの通信先が必要になります。
L2スイッチでは、次のコマンドを設定します。
Switch(config)# ip default-gateway 192.168.10.1
指定するのは、管理VLAN上にあるルーターやL3スイッチのIPアドレスです。
L3スイッチでip routingが有効な場合は、ip default-gatewayではなくデフォルトルートを使います。
Switch(config)# ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 192.168.10.1
【関連記事】スイッチにデフォルトゲートウェイを設定する方法
設定したIPアドレスを確認する¶
設定したら、すぐにpingだけを試すのではなく、スイッチ内部の状態から確認します。
おすすめの順番は、VLAN、SVI、物理ポート、pingです。
show ip interface briefで確認する¶
Switch# show ip interface brief
正常な例はこちらです。
Interface IP-Address OK? Method Status Protocol
Vlan10 192.168.10.2 YES manual up up
GigabitEthernet0/1 unassigned YES unset up up
Vlan10のStatusとProtocolが、どちらもupか確認します。
詳細を見る場合は、次のコマンドです。
Switch# show interfaces vlan 10
Vlan10 is up, line protocol is up
Internet address is 192.168.10.2/24
設定内容はrunning-configでも確認できます。
Switch# show running-config interface vlan 10
入力したつもりでも、別のVLANへ設定していることがあります。思い込みではなく、表示結果を確認しましょう。
pingで疎通確認する¶
管理用パソコンから、スイッチへpingします。
ping 192.168.10.2
スイッチからパソコンへも確認してみましょう。
Switch# ping 192.168.10.100
片方向だけ失敗する場合は、パソコンのファイアウォールやサブネットマスクが原因かもしれません。
Vlanインターフェースがupにならない原因¶
no shutdownを設定したのに、Vlan10がdown/down。なぜでしょうか?
よくある原因を順番に確認します。
VLANが作成されていない¶
Switch# show vlan brief
一覧にVLAN 10がなければ、作成します。
Switch(config)# vlan 10
VLANに有効なポートがない¶
CiscoのSVIは、そのVLANに所属するポートが少なくとも1つリンクアップし、STPのフォワーディング状態になるとラインプロトコルが上がります。
Switch# show interfaces status
Switch# show vlan brief
ポートがconnectedか、VLAN 10へ所属しているかを見てください。
ケーブルが抜けていれば、コマンドが正しくてもSVIは上がりません。
トランクでVLANが許可されていない¶
別スイッチ側にだけ有効なポートがある場合、トランクでVLAN 10を通す必要があります。
Switch# show interfaces trunk
許可VLANの一覧へVLAN 10が含まれているか確認しましょう。
IPアドレスやマスクが間違っている¶
IPアドレスの重複やサブネットマスクの不一致も、通信できない原因です。
とりあえず空いていそうな番号を使う。実務では、この判断が後の障害につながります。
アドレス管理表を確認し、設計どおりに設定してください。
設定を保存する¶
動作確認が終わったら、running-configをstartup-configへ保存します。
Switch# copy running-config startup-config
短縮して、次のコマンドも使えます。
Switch# write memory
保存しなければ、再起動後に設定が消える可能性があります。
最後の保存までが設定作業。ここまで忘れずに進めましょう。
スイッチにIPアドレスを設定する方法まとめ¶
CiscoのL2スイッチでは、管理VLANのSVIへIPアドレスを設定します。
Switch(config)# vlan 10
Switch(config)# interface vlan 10
Switch(config-if)# ip address 192.168.10.2 255.255.255.0
Switch(config-if)# no shutdown
ただし、IPアドレスだけでは通信できません。
VLANに所属する有効なポート、トランクの許可、パソコン側の設定、必要に応じたデフォルトゲートウェイまで確認します。
show vlan brief
show ip interface brief
show interfaces vlan 10
show interfaces trunk
コマンドを覚えるだけでなく、「なぜVlan10がdownなのか?」と問いながら状態を確認してみてください。
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