こんにちは、InfraAcademyを運営しているryuです。
ネットワークを勉強しているけれど、参考書を読んでも通信の流れがイメージできない。 Packet Tracerをインストールしたものの、何を作ればよいのか分からない。
そんなことはありませんか?
ネットワークは、IPアドレスやサブネットマスクを読むだけでなく、実際に機器を配置して通信を確認すると理解しやすくなります。
この記事では、Packet Tracerを使ってPCを2台接続し、pingで通信を確認する練習問題に取り組みます。
Packet Tracerとは?¶
Packet Tracerは、Ciscoが提供しているネットワークシミュレーションツールです。
ルーター、スイッチ、PCなどを画面上に配置し、実機を用意せずにネットワークを構築できます。
ネットワーク機器の設定だけでなく、パケットがどのように流れるのか確認できる点も特徴です。
Windows、macOS、Linux向けに提供されており、Cisco Networking Academyへログインして利用します。
スマートフォンやタブレット向けのアプリではないため、パソコンへインストールして使用してください。
Packet Tracerで何を練習できる?¶
Packet Tracerでは、初心者向けの小さなネットワークから、複数のルーターを使う構成まで作れます。
例えば、次のような練習ができます。
| 学習内容 | 練習できること |
|---|---|
| IPアドレス | PCへIPアドレスを設定する |
| ping | PC同士の疎通を確認する |
| スイッチ | 同じネットワークの端末を接続する |
| ルーティング | 異なるネットワークを接続する |
| VLAN | 1台のスイッチを論理的に分割する |
| OSPF・RIP | ルーター同士で経路情報を交換する |
| NAT | プライベートIPアドレスを変換する |
いきなりVLANやOSPFから始める必要はありません。
まずはPCを2台接続し、同じネットワーク内で通信できる状態を作ってみましょう。
今回のPacket Tracer練習問題¶
今回作る構成は、PCを2台だけ接続したシンプルなネットワークです。
設定する内容は以下の通りです。
| 機器 | IPアドレス | サブネットマスク |
|---|---|---|
| PC0 | 192.168.1.1 |
255.255.255.0 |
| PC1 | 192.168.1.2 |
255.255.255.0 |
2台は同じ192.168.1.0/24のネットワークに所属します。
同じネットワーク内で通信するため、今回の練習ではデフォルトゲートウェイを設定しません。
練習問題¶
Packet Tracerを使い、以下の条件を満たすネットワークを構築してください。
- PCを2台配置する
- 2台のPCをケーブルで接続する
- PC0へ
192.168.1.1/24を設定する - PC1へ
192.168.1.2/24を設定する - PC0からPC1へpingを実行する
ここからは、答えと操作手順を解説します。
先に自分で挑戦したい方は、Packet Tracerを開いて構築してみてください。
PCを2台配置する¶
Packet Tracerを起動すると、何も配置されていない作業画面が表示されます。
画面左下から、配置したい機器を選択します。

PCを選択し、中央の作業スペースへ2台配置してください。
機器名は通常、PC0とPC1になります。
Packet Tracerのバージョンによって、アイコンの位置や表示は少し異なる場合があります。
2台のPCをケーブルで接続する¶
次に、2台のPCをケーブルで接続します。
画面左下にある、雷のような接続アイコンを選択してください。

初心者の方は、接続方法を自動で選ぶアイコンを使用すると分かりやすいです。
PC0をクリックし、続けてPC1をクリックします。
接続するインターフェースを選ぶ画面が表示された場合は、EthernetまたはFastEthernetのポートを選択してください。

接続直後は、リンクを表すマークが赤色やオレンジ色になることがあります。
少し待ち、緑色になれば通信できる状態です。
PC0へIPアドレスを設定する¶
PC0をクリックすると、PCの設定画面が開きます。
上部のタブからDesktopを選択し、IP Configurationをクリックしてください。

IPアドレスの設定画面が表示されます。

PC0には、以下を入力します。
IPv4 Address: 192.168.1.1
Subnet Mask: 255.255.255.0
サブネットマスクは、IPアドレスを入力すると自動で表示される場合があります。
今回、Default GatewayとDNS Serverは空欄のままで構いません。
PC1へIPアドレスを設定する¶
PC1にも、同じ手順でIPアドレスを設定します。
設定内容は以下の通りです。
IPv4 Address: 192.168.1.2
Subnet Mask: 255.255.255.0
PC0とPC1に同じIPアドレスを設定してはいけません。
同じネットワーク内でも、それぞれ異なるIPアドレスが必要です。
IPアドレスの仕組みから確認したい方は、IPアドレスとは?初心者向けに仕組みを解説も参考にしてください。
pingで通信を確認する¶
IPアドレスを設定したら、PC0からPC1へ通信できるか確認します。
PC0をクリックし、DesktopからCommand Promptを開きます。

以下のコマンドを実行してください。
ping 192.168.1.2
通信できる場合は、次のような応答が表示されます。
Reply from 192.168.1.2: bytes=32 time<1ms TTL=128
最初の1回だけタイムアウトして、その後は応答が返ることがあります。
これは、通信前にARPを使って相手のMACアドレスを確認しているためです。
PC1からPC0へも確認してみましょう。
ping 192.168.1.1
両方から応答が返れば、今回のネットワーク構築は完了です。
pingコマンドの結果の見方は、pingコマンドの使い方と通信確認の方法で詳しく解説しています。
pingが失敗するときの確認方法¶
pingが失敗しても、すぐに作り直す必要はありません。
どこに違いがあるのか、1つずつ確認してみましょう。
まず、PC0とPC1のIPアドレスを確認します。
PC0: 192.168.1.1
PC1: 192.168.1.2
次に、両方のサブネットマスクが255.255.255.0になっているか確認します。
ケーブルが正しいポートへ接続され、リンクが緑色になっているかも確認してください。
今回の構成では、デフォルトゲートウェイは不要です。
設定項目を増やしすぎると、どこが間違っているのか分かりにくくなります。
スイッチを追加してみる¶
PC2台の直接接続に成功したら、次は間にスイッチを配置してみましょう。
構成は以下のようになります。
PC0 ─ スイッチ ─ PC1
PCとスイッチをケーブルで接続し、IPアドレスは今回と同じものを使います。
スイッチを追加しても、同じネットワークに所属するPC同士ならルーターは必要ありません。
この構成を作ると、スイッチがMACアドレスを使ってフレームを転送する仕組みを学べます。
Packet Tracerの応用練習¶
基本的な通信を確認できたら、少しずつ機器やネットワークを増やしていきます。
いきなり大きな構成を作るより、1つ機能を追加するたびにpingで確認する方が、設定ミスを見つけやすいです。
VLAN間ルーティングを練習する¶
VLANを使うと、1台のスイッチを複数のネットワークに分けられます。
以下は、複数のVLANとルーターを使った構成例です。

VLANを作成しただけでは、異なるVLAN同士で通信できません。
ルーターやL3スイッチを使い、VLAN間ルーティングを設定する必要があります。
動的ルーティングを練習する¶
ルーターが複数になると、宛先ネットワークへの経路を設定する必要があります。
以下は、2台のルーターと3つのネットワークを使った構成例です。

静的ルートを1つずつ設定するだけでなく、RIPやOSPFを使って経路情報を交換する練習もできます。
ネットワークの勉強順に迷っている方は、ネットワークの勉強は何から始める?も参考にしてください。
Packet Tracerで練習するときのコツ¶
私もネットワークを学び始めたころは、設定例をそのまま入力して、pingが成功したら終わりにしていました。
しかし、それだけでは設定の意味を理解しにくいです。
例えば、PC1のサブネットマスクを意図的に変えてみる。
ケーブルを外してpingを実行してみる。
異なるネットワークのIPアドレスを設定し、なぜルーターが必要なのか確認してみる。
このように、正常な構成を作ったあとに、1か所だけ変更して結果を見ると理解が深まります。
エンジニアとして10年以上仕事をしてきましたが、障害対応でも同じ考え方を使います。
複数の設定を同時に変えるのではなく、1つずつ変更して結果を確認することが大切です。
Packet Tracerの練習問題まとめ¶
今回は、Packet TracerでPC2台を接続し、pingで通信を確認しました。
設定内容は以下の通りです。
PC0: 192.168.1.1 / 255.255.255.0
PC1: 192.168.1.2 / 255.255.255.0
2台は同じネットワークにいるため、ルーターやデフォルトゲートウェイを設定しなくても通信できます。
まずは小さなネットワークを完成させてください。
その後、スイッチ、ルーター、VLAN、動的ルーティングと少しずつ構成を広げると、ネットワークの仕組みを理解しやすくなります。
ネットワークを構築しながら学びたい方へ¶
InfraAcademyでは、独自のネットワークシミュレーターを使ってネットワークを構築しながら学習できます。
IPアドレスの設定から、スイッチ、ルーティング、VLAN、NAT、OSPFまで順番に取り組めます。