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NTPとは?NTPの仕組みや時刻の同期方法などを詳しく解説!【初心者向け】

こんにちは、フルスタックエンジニアのryuです。

今回の記事では、NTPについて解説します。NTPとは、Network Time Protocolの略で、機器同士の時刻を同期するプロトコルになります。機器同士の時刻がバラバラの場合、システムが正常に動作しない場合があります。NTPを使って、ネットワーク内の時刻を統一させましょう。NTPの仕組みなども併せて解説します。

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NTPとは?

NTPって何?

今回の記事では、NTPについて初心者の方でも分かりやすく解説します。NTPとは、時間を同期させるためのプロトコルです。なぜ時間を同期させる必要があるのか、時間の同期はどうやってやるのかNTPについて詳しく解説します。

今回の記事の内容は以下の通りです。

  • NTPとは時刻を同期するプロトコル
  • NTPは階層構造で時刻を同期する
  • NTPの歴史
  • NTPの同期方法を解説

NTPとは時間を同期させるプロトコル

NTPとは時間を同期させるプロトコルのことです。自分のPCやスマホなど、正しい現在時刻が表示されていると思います。おそらく、時刻を自分で入力した人は少ないと思います。

時刻を自分で設定しなくとも、正しい時刻が表示されているのはNTPが時刻を同期しているからです。

NTPサーバーが基準となる時刻を決め、その他のサーバーはNTPサーバーの時刻に合わせます。多くのクライアントがNTPサーバーを指定することで、ネットワーク内のクライアントが同じNTPサーバーの時間を共有することができます。

簡単な構成はこちらです。

NTPサーバーの仕組み

NTPは階層構造を持っており、TOPのサーバーの時刻を同期します。

NTPの階層構造とは?

NTPは階層構造を持っており、この階層を「Stratum(ストラタム)」と言います。

最上位の階層を「Stratum0」と呼び、階層が一つ下がるごとに「Stratum1」、「Stratum2」・・・となります。Stratumの値は最大15までです。

Stratum0はGPSや原子時計などで正確な時間を保持しています。Stratum1はStratum0に同期し、そこからさらに、NTPサーバーやクライアントに同期します。この階層構造を図にするとこちらになります。

NTPサーバーの階層構造

このようにして、ネットワーク全体で時刻の一貫性が保たれます。

NTPの歴史

NTPは、1980年代にデビッド・L・ミルズ博士によって開発されました。

彼の目標は、インターネット上の分散システムで正確な時刻を保つための標準プロトコルを作成することでした。

1985年に最初のバージョンがリリースされ、その後の数十年にわたり改良が重ねられてきました。

続いて、NTPv2が1989年にリリースされ、セキュリティ機能やプロトコルの改善が図られました。NTPv3は1992年に登場し、これによりネットワークの耐障害性や精度が向上しました。

現在広く使用されているNTPv4は、1996年に導入され、IPv6のサポートやクロックの精度向上が実現されています。

NTPの通信について

次にNTPの通信についてを解説します。

NTPは、UDPポート123を使用して通信を行います。基本的な通信プロセスは、クライアントがNTPサーバーに対してリクエストを送信し、サーバーが時刻情報を返答するというものです。

この通信の中で、クライアントは自分の時刻とサーバーの時刻の差を計算し、それに基づいて自身のクロックを調整します。

このような流れで時刻同期を行います。

NTPで自分のPCを時刻同期させてみよう

ここからは、さらにNTPについて理解するために、自分のPC(Windows)をNTPサーバーに同期させてみましょう。

すでに同期の設定はされていますが、設定内容や設定する場所などを確認してみましょう。

NTPの設定場所

では、NTPサーバーに同期するための設定を行いましょう。

まず、コントロールパネル内の「時刻と地域」をクリックします。

時計と地域の設定

そして、「日付と時刻」をクリックします。

日付と時刻の設定

インターネット時刻」から「設定の変更」をクリックします。

PCの時刻設定

そして、NTPサーバーを指定すると完了です。

WindowsでNTPサーバーと同期する

日本標準時のNTPサーバー

先ほどまで、NTPサーバーの指定方法を解説しました。では、どのようなNTPサーバーを指定すればよいのでしょうか?日本標準時に直結しているNTPサーバーがオススメです。

ntp.nict.jp」と指定しましょうこれは、日本標準時に直結した時刻サーバーです。詳しくは、こちらからご確認して下さい。

日本標準時(JST)グループ (nict.go.jp)

公開NTPサーバー

Linuxで時刻同期をする方法

先ほどまで、Windowsの時刻同期方法を解説しました。ここからは、Linuxで時刻を同期する方法です。Linuxは簡単でコマンドを入力するだけです。

ntpdate  [NTPサーバ名]

ちなみに、手動で時刻を設定する方法はこちらの記事で解説しております。興味のある方はご覧ください。

【Linux】時刻設定をする方法を解説【date,hwclockコマンドの使い方】

また、LinuxでNTPサーバーを構築する方法も解説しているので、併せてご覧ください。

【Linux】NTPサーバーの設定方法解説【ntpをインストールしてクライアントと同期する】

NTPとは?まとめ

今回の記事では、NTPについて解説しました。

NTP(Network Time Protocol)は、ネットワーク上のデバイス間で正確な時刻を同期するための重要なプロトコルです。

その高精度な時刻同期、信頼性の向上、セキュリティの強化といった利点により、多くの分散システムやインターネットサービスで広く利用されています。

NTPの基本的な概念から技術的な詳細、実装方法、セキュリティの考慮点まで、理解を深めることで、システム管理者やネットワークエンジニアは、より安全で信頼性の高いネットワーク環境を構築することができます。

当ブログでは、このようなサーバーやネットワークに関連した内容を紹介しています。興味のある方はこちらからご覧ください。

さらにサーバーやネットワークを勉強したい方はこちらの参考者がオススメです。

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ryu@InfraAcademyというインフラ学習サービス運営
大手企業→上場ベンチャー→スタートアップでエンジニアをしていました。 インフラエンジニア歴10年以上。 Linuxやネットワークの学習ができるサービスInfraAcademyを運営中。
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