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CCNAの勉強が進まない人へ。問題集を何周しても解けない原因と、手を動かして抜け出す方法

著者: ryu | #CCNA #ルーティング #資格
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こんにちは、インフラエンジニアのryuです。

この記事は、CCNAの勉強を始めたものの、途中で手が止まってしまっている人に向けて書いています。

参考書を読み進めても頭に残らない。問題集を2周、3周しているのに、少し聞き方が変わると解けない。そんな状態が続くと、自分には向いていないのでは、と思ってしまいますよね。

ただ、CCNAの勉強が進まない原因は、才能よりも勉強のやり方にあることがほとんどです。問題の答えは覚えているのに、ネットワークの中で何が起きているかを説明できないという状態になっていないか、まず確認してみましょう。

この記事では、停滞の原因の見分け方と、ルーターやスイッチを実際に設定して抜け出す方法を紹介します。途中で、今日その場でできる練習も用意しました。

なお、一般的な勉強の進め方や教材の選び方は、CCNAの勉強方法の記事でまとめています。この記事では、すでに勉強を始めていて止まっている人の立て直しに絞ります。

CCNAの勉強が進まないのはなぜ?

勉強が止まる原因は、人によって少しずつ違います。ただ、よく見かけるパターンは次の4つです。

よくある状態 起きていること 主な原因
問題集の2周目は解けるのに、模試で点が取れない 問題と答えの組み合わせを覚えている 仕組みを理解しないまま暗記している
VLANやOSPFの章で急に分からなくなる 用語の意味は言えるが、動きが想像できない 構成を組んで動かしたことがない
サブネットの計算に毎回時間がかかる その場で考え方を思い出している 計算の手順が身についていない
参考書が進まず、同じ章を読み直している 読んで分かった気になって次に進めない 読むだけで、確認の作業がない

自分に当てはまる行はいくつありましたか。

多くの場合、原因は1つではなく2つ以上が重なっています。特に1行目と2行目はセットで起きやすいので、順番に見ていきます。

暗記だけで止まっているときのサイン

暗記で止まっているかどうかは、問題を解いたあとに簡単なチェックをすると分かります。

正解した問題について、なぜ他の選択肢が間違いなのかを一言で説明できるかを試してみてください。正解の選択肢は分かるのに、ほかの選択肢を説明できない場合は、答えを覚えているだけの可能性が高いです。

問題集を何周もすると、問題文の最初の数行を見ただけで答えが浮かぶようになります。これは理解が進んだのではなく、問題に慣れただけのことが多いです。

CCNAは同じテーマでも、構成図やコマンドの出力を変えて聞いてきます。暗記した答えは、聞き方が変わると使えなくなります。

もう1つの確認方法は、問題を解く前に選択肢を隠してみることです。問題文だけを読んで、自分の言葉で答えを書けるかを試します。選択肢を見ないと答えられない場合は、選択肢の見た目で答えを思い出している状態です。

このチェックで引っかかる問題が多くても、落ち込む必要はありません。どこを理解し直せばいいかが分かったので、むしろ前に進むための材料がそろったと考えましょう。

構成を組んだことがないときのサイン

もう1つのサインは、設定の問題で手が止まることです。

たとえば、VLAN 10と20をスイッチに作ってPCを分けるという問題を見たとき、どのコマンドをどの順番で打つかが浮かばない。トランクの設定とアクセスポートの設定の違いが、文章では説明できても、コマンドに落とせない。

この状態は、参考書の図だけで勉強してきた人によく見られます。

ネットワークは、パケットがどこを通ってどこで止まるかを追えるようになると、急に分かるようになります。その感覚は、自分で設定して ping を打ち、通らない理由を探す経験からしか身につきません。

停滞から抜け出すには、何をすればいい?

原因が分かったら、次は勉強のやり方を変えます。やることは、読む・解くの間に、設定して確かめる作業を挟むことです。

ここでは、1日に使える時間が1〜2時間くらいの人を想定して、1つの章の進め方を表にしました。

順番 やること 時間の目安 ポイント
1 参考書の章を読む 30分 全部覚えようとせず、設定例と図だけ印をつける
2 設定例を自分で打つ 30分 シミュレーターで同じ構成を作り、ping で確認する
3 わざと壊して直す 15分 ポートのVLANを変える、ルートを消すなどして結果を見る
4 問題を解く 15分 正解した問題も、他の選択肢がなぜ違うか説明する

ポイントは3番目のわざと壊す作業です。

正しく動く設定を打つだけだと、手順をなぞって終わってしまいます。1か所だけ設定を変えて、どこで通信が止まるかを確認すると、その設定が何のためにあるのかが分かります。

分野ごとに、手を動かす内容を決める

CCNA(200-301 v1.1)の出題範囲は6つの分野に分かれています。分野によって、手を動かすべき内容が違います。

分野 割合 手を動かす内容の例
Network Fundamentals 20% サブネットを紙で計算する、PCのIPアドレスを変えて疎通を確認する
Network Access 20% VLANとトランクを設定する、show vlan brief で所属を確認する
IP Connectivity 25% スタティックルートとOSPFを設定し、show ip route を読む
IP Services 10% DHCPやNATを設定して、割り当てや変換を確認する
Security Fundamentals 15% ACLを書いて、通る通信と止まる通信を確かめる
Automation and Programmability 10% JSONの形を読む、設定を手作業で管理する場合との違いを整理する

いちばん割合が大きいのはIP Connectivityで、ルーティングテーブルを読めるかどうかが問われます。ここで止まっている人は、まずスタティックルートを1本ずつ足して、テーブルがどう変わるかを見るところから始めましょう。

ルーティングの考え方そのものに不安がある場合は、ルーティングとは?の記事を先に読んでおくと、設定の意味がつかみやすくなります。

練習の環境はどう用意する?

実機を買う必要はありません。CCNAの範囲の多くは、シミュレーターで練習できます。

Cisco Networking Academyでは、Cisco Packet Tracerというシミュレーターを、無料のアカウントを作ったうえで入手できます。入手方法と使い方は、Packet Tracerで練習する方法の記事にまとめています。

インストールが面倒な人や、まずはブラウザだけで試したい人は、スイッチとルーターのシミュレーターの記事も参考にしてみてください。

間違えた問題は、構成を作って確かめる

問題集で間違えた問題は、解説を読んで終わりにしないようにしましょう。

設定やルーティングの問題で間違えたときは、問題の構成図をシミュレーターで再現して、選択肢の設定を実際に入れてみます。正解の設定では ping が通り、間違いの選択肢では止まる。これを自分の目で見ると、同じ聞き方の問題にはまず迷わなくなります。

全部の問題でやる必要はありません。1日1問、いちばん納得できなかった問題だけで十分です。

それでも進まないときに見直したいこと

やり方を変えても進みが遅いと感じるときは、勉強の量や範囲の決め方に原因があるかもしれません。よくある2つを紹介します。

一度に範囲を広げすぎていないか

参考書を最初から最後まで一気に読もうとすると、後半に入るころには前半の内容を忘れています。すると、また最初から読み直すことになり、いつまでも前に進みません。

1つの章を読んだら、その章の設定と問題まで終わらせてから次に進みましょう。読む範囲を狭くして、そのかわり確実に手を動かすほうが、結果的に早く進みます。

1日にやる量を決めているか

時間があるときにまとめてやろうとすると、仕事や学校が忙しい週に勉強がゼロになりがちです。数日空くと、前回どこまで進んだかを思い出すのに時間がかかります。

おすすめは、時間ではなく作業の量で決めることです。たとえば、平日はサブネット計算を5問と、設定を1つ打つ。休日に1つの章を進める。このくらいの量なら、忙しい日でも続けやすいです。

今日やる練習:3つの課題で理解度を確かめよう

ここからは、今日その場でできる練習です。紙とペンを用意して、解いてから解説を見てください。

課題1:サブネットを2問計算する

まずは計算の手順が身についているかの確認です。電卓は使わずに解いてみましょう。

問1: 192.168.10.77/26 が所属するネットワークアドレスとブロードキャストアドレスは?
問2: 172.16.0.0/16 を、ホストが最大60台入るサブネットに分けたい。
     使うプレフィックス長はいくつか?

問1の正解:ネットワークアドレス 192.168.10.64、ブロードキャストアドレス 192.168.10.127。/26はブロックの大きさが64なので、0・64・128・192で区切られ、77は64〜127の範囲に入ります。

問2の正解:/26。/26のホスト部は6ビットで、使えるホスト数は2の6乗から2を引いた62台です。/27だと30台なので60台は入りません。

2問とも1分以内に解けなかった場合は、計算の手順がまだ自動化されていません。CCNAのサブネット計算問題の記事で、10問を時間を測って解いてみてください。

課題2:VLANの設定を紙に書き出す

次は、設定をコマンドに落とせるかの確認です。次の条件を満たす設定を、コマンドで書いてみてください。

スイッチの GigabitEthernet0/1 をVLAN 10(名前 SALES)のアクセスポートにする。GigabitEthernet0/24 はルーターにつながるトランクポートにする。

書けたら、次の例と見比べてみましょう。

Switch(config)# vlan 10
Switch(config-vlan)# name SALES
Switch(config-vlan)# exit
Switch(config)# interface GigabitEthernet0/1
Switch(config-if)# switchport mode access
Switch(config-if)# switchport access vlan 10
Switch(config-if)# exit
Switch(config)# interface GigabitEthernet0/24
Switch(config-if)# switchport mode trunk

switchport mode access と switchport mode trunk の違いを説明できれば合格です。アクセスポートは1つのVLANだけを流し、トランクポートは複数のVLANのフレームにタグを付けて1本のケーブルで運びます。

なお、機種によってはトランクを設定する前に switchport trunk encapsulation dot1q が必要になります。VLANの基本からおさらいしたい場合は、スイッチのVLANの記事を見てください。

課題3:ルーティングテーブルの1行を読む

最後は、show ip route の出力を読めるかの確認です。次の1行が何を意味しているか、言葉で説明してみてください。

O        192.168.20.0/24 [110/2] via 10.0.0.2, 00:05:12, GigabitEthernet0/1

正解:OSPFで学習した 192.168.20.0/24 宛てのルートです。[110/2] はアドミニストレーティブディスタンスが110、メトリック(コスト)が2という意味です。この宛先へのパケットは、GigabitEthernet0/1 から次のルーター 10.0.0.2 に送られます。00:05:12 はこのルートを学習してからの経過時間です。

先頭の O がOSPF、[110/2] の左がアドミニストレーティブディスタンス、右がメトリック。この3つをセットで言えれば、ルーティングの問題でかなり迷わなくなります。

あわせて、アドミニストレーティブディスタンスの代表的な値も確認しておきましょう。同じ宛先へのルートを複数の方法で知っているとき、ルーターは値が小さいほうを使います。

ルートの種類 表示 アドミニストレーティブディスタンス
直接接続 C 0
スタティックルート S 1
OSPF O 110

たとえば、同じ 192.168.20.0/24 をスタティックルートとOSPFの両方で知っている場合、テーブルに入るのは値が1のスタティックルートです。この表も、シミュレーターでスタティックルートを足したり消したりすると、テーブルの入れ替わりを自分の目で確かめられます。

3つの課題のうち、手が止まったものがあなたの今の弱点です。次の1週間は、その分野から手を動かす練習を始めましょう。

InfraAcademy で練習を続けよう

今日の3つの課題で弱点が見えたら、続きはInfraAcademyで練習できます。

InfraAcademyのネットワーク講座には、ブラウザ上で動くシミュレーターがあります。ルーターとスイッチにコマンドを打って設定し、ping で通信を確かめられるので、課題2や課題3で扱ったVLANやルーティングを実際に動かしてみましょう。

学ぶ順番に迷ったら、ネットワークのロードマップを上から順に進めるのがおすすめです。基礎からルーティングまで、つまずきやすい順に並べています。

設定の練習をしたあとは、問題で理解を確かめます。InfraAcademy の資格模擬問題には「CCNA模擬試験200問」があります。正解した問題も、他の選択肢がなぜ違うかを説明しながら解くと、暗記で止まっていないかを確認できます。

模試の時間配分や復習のやり方は、CCNAの模擬試験の記事で詳しく書いています。

まとめ

CCNAの勉強が進まないときの原因と、抜け出す方法を紹介しました。

  • 問題集を何周しても解けないときは、答えを暗記しているだけの可能性が高い
  • VLANやOSPFで止まるのは、構成を組んで動かした経験がないことが多い
  • 読む・解くの間に、設定して確かめる作業と、わざと壊して直す作業を挟む
  • 割合の大きいIP Connectivityは、ルーティングテーブルを1行ずつ読めるようにする

勉強が止まっているのは、やり方を変える時期が来たという合図です。今日の3つの課題のうち、1つでも手が止まったものがあれば、そこから手を動かしてみてください。

ネットワークは、自分で設定して ping が通った瞬間に、一気に面白くなります。焦らず、1つずつ進めていきましょう。

参考

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この記事を書いた人

ryu

株式会社InfraAcademy 代表 / エンジニア

大手メーカーでインフラエンジニアとして勤務した後、ベンチャー企業・スタートアップでフルスタックエンジニアを経験。その後、起業し学習サービス「InfraAcademy」を運営しています。
保有資格:ネットワークスペシャリストなど 運営会社:株式会社InfraAcademy

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