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PacketTracerの使い方解説【ルーターとスイッチでネットワークを構築してみよう】

こんにちは、フルスタックエンジニアのryuです。

今回の記事は、PacketTracerの使い方について解説します。PacketTracerとはCiscoが提供しているネットワーク機器のシミュレーターです。

使い方の流れは、機器の配置、ケーブルの配線、CLIでの設定、pingでの疎通確認という4ステップです。この順番どおりに進めれば、はじめての方でも画面上にネットワークを構築できます。

PacketTracerを使ってネットワークを構築してみましょう。ネットワークが構築できるように、PacketTracerの使い方を詳しく解説します。

PacketTracerとは?Ciscoが無料で提供するシミュレーター

PacketTracerをインストールしたものの、使い方が分からない…と悩んでいませんか。操作を始める前に、まずはPacketTracerがどんなツールなのかを整理しておきましょう。

PacketTracerとは、Ciscoが無料で提供しているネットワークシミュレーターです。ルーターやスイッチを画面上に配置して、実機とほぼ同じコマンドで設定できます。

本物のCisco機器をそろえようとすると、1台で数万円以上かかることも珍しくありません。PacketTracerなら、パソコン1台で何台分でもネットワーク機器を動かせます。

しかも、操作を間違えて機器を壊してしまう心配がありません。初心者が思う存分試行錯誤できる、理想的な練習環境と言えますね。

PacketTracerでできること

PacketTracerでは、ネットワーク構築の一連の流れをまるごと体験できます。

機器の配置とケーブルの配線はもちろん、CLIからのコマンド設定やpingによる通信テストまで行えます。CCNAの学習で必要になる操作は、ほとんどこのツールの上で練習可能です。

さらにシミュレーションモードを使うと、パケットが機器の間を流れる様子をアニメーションで観察できます。目に見えないはずの通信を可視化できるのは、シミュレーターならではの強みです。

入手にはCisco Networking Academyのアカウントが必要

PacketTracerのダウンロードには、Cisco Networking Academy(NetAcad)のアカウント登録が必要です。登録もダウンロードも無料なので、費用は一切かかりません。

現在はPacket Tracer 9.0系が最新版として公開されています。9.0では産業用ネットワーク向けの機器が追加されるなど、対応範囲がさらに広がりました。

動作要件はバージョンによって変わるため、最新の情報はNetAcadの公式サイトで確認しましょう。インストールがまだの方は、PacketTracerのダウンロード方法を解説した記事を読んで準備してください。

今回構築するネットワークの全体像

この記事では、ルーターとスイッチ、PCを組み合わせた小さなネットワークを作っていきます。

作業のステップは、次の4つです。

ステップ やること 使う機能
1 機器を配置する ドラッグ&ドロップ
2 機器同士を配線する 雷マークの自動接続
3 機器を設定する CLIタブ
4 通信を確認する pingコマンド

1つずつ順番に進めていけば大丈夫です。では、詳しく解説します!

PacketTracerで機器を配置する方法

まず、PacketTracerで機器を配置してみましょう。PacketTracerの左下に各ネットワーク機器があるので、ドラッグ&ドロップで配置します。

ネットワーク機器を選択する

はじめに、配置するネットワーク機器を選択します。その後、ネットワーク機器の種類を決めて、ドラッグ&ドロップで配置します。

ネットワーク機器の配置

ネットワーク機器の種類は大量にあります。本来であれば構築する環境に合わせて適切な機器を選択しますが、シミュレーターなのでどの機器でも大丈夫です。

画面左下のパレットでカテゴリを選ぶと、その中の機種一覧が隣に表示されます。ルーターやスイッチはNetwork Devicesに、PCやノートパソコンはEnd Devicesというカテゴリにまとまっています。

様々な種類の機器を配置してみよう

先ほど解説した手順で機器を配置してみましょう。下記の図では、Router、Switch、PCを配置しました。

PacketTracerで様々な種類の機器を配置してみよう

この状態では、通信はできません。各機器の配線を行う必要があります。

実機にたとえるなら、機材をラックに並べただけの状態です。次は、LANケーブルにあたる配線を追加していきましょう。

各機器をケーブルで接続してみる

先ほど配置した機器を配線してみましょう。実機の場合では、LANケーブルに接続するイメージですね。

まず、下記のアイコンをクリックします。雷マークのアイコンをクリックすると、機器の組み合わせに合ったケーブルを自動で選んでくれます。

クリック後、機器同士を順番にクリックすると、自動で配線してくれます。

PacketTracerの接続状態

ポートの状態によって、赤色や緑色が表示されます。ルーターはデフォルトでポートがシャットダウンされているので、ルーターとスイッチの間は赤色になっています。

ケーブルの種類と使い分け

自動選択は便利ですが、ケーブルの種類も知っておくと理解が一段深まります。実際の現場でも、機器の組み合わせによってケーブルを使い分けるからです。

主なケーブルの使い分けは、次のとおりです。

ケーブルの種類 主な用途
ストレートケーブル PCとスイッチ、スイッチとルーターなど異なる種類の機器をつなぐ
クロスケーブル スイッチ同士、ルーター同士など同じ種類の機器をつなぐ
コンソールケーブル PCから機器に直接ログインして設定するときに使う

どのポートにつなぐかを自分で指定したい場面も、いずれ出てきます。そのときは、PacketTracerでポートを指定して配線する方法を参考にしてください。

リンクの色が示す意味

配線が終わると、ケーブルの両端にポートの状態を示すランプが表示されます。この色を読み取れるようになると、トラブルの原因を素早く見つけられます。

ランプの色 ポートの状態
緑色 リンクアップしていて通信できる
赤色 リンクダウンしている(ポートの停止や設定不足)
オレンジ色 スイッチのSTPがポートをブロックしている

オレンジ色は、スイッチを配線した直後によく表示されます。時間が経つと自動で緑色に変わるので、慌てなくて大丈夫です。

ネットワーク機器の設定をしてみる

では、ネットワーク機器の設定をしてみましょう。まずはルーターのポートをONにして、赤色のリンクを緑色に変えていきます。

設定する機器をクリック

機器の設定を行う場合は、設定する機器をクリックしましょう。

PacketTracerで機器の設定

クリックすると、機器の詳細が表示されます。CLIタブをクリックすると、ルーターのターミナルが表示されます。

ルーターの設定

ここでルーターの設定ができます。実機にコンソールケーブルでつないだときと同じ操作感が、そのまま再現されています。

CLIのモードを理解しておこう

コマンドを入力する前に、CiscoのCLIにはモードという概念があることをおさえておきましょう。今いるモードによって、実行できるコマンドが変わります。

モード プロンプト 主な役割
ユーザーEXECモード Router> 基本的な状態確認
特権EXECモード Router# 詳細な確認や設定の保存
グローバル設定モード Router(config)# 機器全体の設定
インターフェース設定モード Router(config-if)# ポートごとの設定

enableと入力すると特権EXECモードへ、configure terminalと入力するとグローバル設定モードへ移動します。プロンプトの表示を見れば、自分が今どのモードにいるのかを判断できます。

ルーターに設定してみる

ここから、ルーターに実際に設定をおこないます。まずは簡単な設定から。

スイッチとルーターの接続したポートの状態をupにしてみましょう。ルーターで下記コマンドを入力します。

Router>enable
Router#configure terminal
Router(config)#int gi 0/0
Router(config-if)#no shutdown

no shutdownは、停止しているポートを起動するコマンドです。ルーターのポートは初期状態でシャットダウンされているため、配線しただけでは通信できません。

コマンドを入力すると、リンクの状態が赤から緑色に変わります。これでルーターに設定できることが確認できました!

PCにIPアドレスを設定してpingで疎通確認しよう

リンクが緑色になったら、次は通信のテストに進みましょう。PCとルーターにIPアドレスを設定して、pingが通るところまでやってみます。

pingが成功すれば、今回のネットワーク構築はゴールです。あと少しなので、頑張っていきましょう!

PCにIPアドレスを設定する

PCをクリックして、Desktopタブを開きます。その中のIP Configurationを選ぶと、IPアドレスの入力画面が表示されます。

ここでは例として、IPアドレスに192.168.1.2、サブネットマスクに255.255.255.0を入力します。デフォルトゲートウェイには、これからルーターに設定する192.168.1.1を入れておきましょう。

ルーターにIPアドレスを設定する

続いて、ルーター側にもIPアドレスを設定します。先ほどのCLIタブから、次のコマンドを入力してみましょう。

Router>enable
Router#configure terminal
Router(config)#interface gigabitEthernet 0/0
Router(config-if)#ip address 192.168.1.1 255.255.255.0
Router(config-if)#no shutdown

ip addressコマンドで、ポートにIPアドレスとサブネットマスクを設定しています。これで、PCとルーターが同じネットワークに所属しました。

設定が反映されたかどうかは、show ip interface briefコマンドで一覧確認できます。ルーティングテーブルの見方まで知りたい方は、show ip routeコマンドの使い方もあわせてご覧ください。

pingで通信を確認する

最後に、PCからルーターへpingを送ってみましょう。PCのDesktopタブにあるCommand Promptを開いて、次のコマンドを入力します。

C:\> ping 192.168.1.1

Reply from 192.168.1.1: bytes=32 time<1ms TTL=255

Reply fromという応答が返ってくれば、疎通確認は成功です。もしRequest timed outと表示されたら、IPアドレスの設定やリンクの色をもう一度見直してみましょう。

通信がどのような経路をたどっているのか気になった方は、tracerouteコマンドの使い方を読むと理解が広がりますよ。

覚えておくと便利なPacketTracerの機能

基本の流れをつかんだら、作業を効率化する機能も覚えておきましょう。ここでは、使う頻度が高いものを3つ紹介します。

作成したネットワークの保存

作ったネットワークは、メニューのFileからSave Asを選ぶと保存できます。ファイルは.pktという拡張子で保存され、次回そのまま開き直せます。

学習した内容ごとにファイルを分けておくのがおすすめです。うまく動いた構成を残しておけば、あとで見返せる自分だけの教材になります。

シミュレーションモードでパケットを可視化

画面の右下では、リアルタイムモードとシミュレーションモードを切り替えられます。シミュレーションモードにすると、パケットが機器の間を移動する様子を一コマずつ追いかけられます。

pingのパケットがどう往復しているのかを、目で見て確認できます。プロトコルの動きを学ぶときに、特に効果を発揮する機能です。

機器の削除とメモの追加

配置をやり直したいときは、右側のツールバーにある削除ツールを選んでから機器をクリックします。ケーブルだけを削除して、配線をやり直すこともできます。

また、Place Noteのツールを使うと、ワークスペース上にメモを書き込めます。機器の横にIPアドレスを書いておくと、構成図がぐっと見やすくなりますよ。

PacketTracerのよくある疑問

最後に、PacketTracerについて初心者の方からよく質問される疑問に答えていきます。同じところでつまずいている方は、参考にしてください。

本当に無料で使えるの?

PacketTracerは、無料で利用できます。Cisco Networking Academyのアカウント登録にも、費用はかかりません。

有料の本格的なシミュレーターも存在しますが、CCNAレベルの学習ならPacketTracerだけで十分に練習できます。まずは費用をかけずに始めてみましょう。

実機と同じコマンドが使える?

基本的なコマンドは、Cisco実機とほぼ同じ感覚で使えます。今回使ったenableやno shutdownも、実機とまったく同じコマンドです。

ただし、実機のIOSが持つすべての機能に対応しているわけではありません。マイナーなコマンドは省略されている場合があると覚えておきましょう。

ポートが赤色のまま変わらないときは?

配線してもリンクが赤色のままなら、まずポートの状態を疑いましょう。ルーターのポートは初期状態で停止しているため、no shutdownの実行が必要です。

コマンドを打ったのに変わらない場合は、設定したポート番号が配線したポートと合っているかを確認してください。ケーブルの種類の間違いも、よくある原因の1つです。

CCNAの勉強はPacketTracerだけで足りる?

コマンド操作やネットワーク構築の練習という意味では、PacketTracerで十分カバーできます。試験範囲の設定作業を、何度でも繰り返し練習できるからです。

一方で、参考書での知識のインプットは別に必要です。書籍で仕組みを学び、PacketTracerで手を動かすという組み合わせが、一番効率の良い勉強法だと思います。

遠隔ログインの練習もできる?

できます。PacketTracerでは、TelnetやSSHを使って別の機器へ遠隔ログインする練習も可能です。

実際の現場では、機器に直接つながず遠隔で設定する場面がほとんどです。具体的な手順はTelnetコマンドの使い方で解説しています。

PacketTracerの使い方解説まとめ

今回の記事では、PacketTracerの使い方について解説しました。

機器を配置して、雷マークで配線し、CLIから設定するという流れでしたね。pingでの疎通確認までできれば、ネットワーク構築の基本は身についています。

PacketTracerの魅力は、失敗しても壊れない環境で何度でも試せることです。手を動かした回数の分だけ、ネットワークの理解は深まっていきますよ。

構築の練習をもっと積みたい方は、ネットワーク構築におすすめの勉強サイトも参考にしてください。

当ブログでは、このようなネットワークやインフラに関連した技術を発信しているので興味のある方は是非ご覧ください。体系的に学びたい方は、ネットワーク入門講座一覧Linux入門講座一覧AWS入門講座一覧からどうぞ。

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