こんにちは、インフラエンジニアのryuです。
今回の記事では、IPアドレスのクラスとCIDRについて、ネットワーク初心者向けにわかりやすく解説します。
ネットワークの学習を始めると、「192.168.1.0/24」のような表記を目にします。
「24は何を表すの?」「クラスとCIDRは何が違うの?」と迷う方も多いでしょう。クラスはIPアドレスを大まかな規模で分けていた以前の仕組み、CIDRはネットワークの範囲を柔軟に決める現在の一般的な方法です。
CIDR、クラスとは?わかりやすく解説¶
クラスとCIDRを理解するには、まずIPアドレスがネットワーク部とホスト部に分かれていることを知る必要があります。
ネットワーク部は、端末がどのネットワークに所属しているかを表す部分です。ホスト部は、そのネットワーク内にあるパソコンやサーバー、ルーターなどの機器を識別する部分です。
同じネットワークではネットワーク部をそろえ、ホスト部を変えて端末を区別します。IPアドレスの基礎から確認したい方は、先に次の記事をご覧ください。
IPアドレスのネットワーク部とホスト部¶
IPv4アドレスは、32個のビットで構成されています。人が読みやすいように8ビットずつ4つに区切り、192.168.1.10のような10進数で表記します。
しかし、IPアドレスを見ただけでは、どこまでがネットワーク部で、どこからがホスト部なのか判断できません。
そこで使用するのが、サブネットマスクやCIDR表記です。
たとえば、次のIPアドレスがあるとします。
192.168.1.10/24
/24は、先頭から24ビットがネットワーク部であることを表します。IPv4は全部で32ビットなので、残りの8ビットがホスト部です。
この場合、同じネットワークに所属するアドレスの範囲は、基本的に192.168.1.0から192.168.1.255までとなります。
IPアドレスのクラスとは?¶
クラスとは、IPアドレスをネットワークの規模ごとに分けていた仕組みです。
IPアドレスを先頭の値によってクラスA、クラスB、クラスCなどに分類し、ネットワーク部とホスト部の長さを固定していました。

主なクラスは次のとおりです。
| クラス | 先頭アドレスの範囲 | 標準のネットワーク部 | 標準サブネットマスク |
|---|---|---|---|
| クラスA | 1〜126 | /8 | 255.0.0.0 |
| クラスB | 128〜191 | /16 | 255.255.0.0 |
| クラスC | 192〜223 | /24 | 255.255.255.0 |
クラスAはホスト部が24ビット、クラスBは16ビット、クラスCは8ビットです。ただし、現在はクラスだけを基準にネットワークを区切る方法はほとんど使われません。資格試験で問われる基礎知識と考えましょう。
クラスの判断方法¶
クラスはどうやってわかるのか。IPアドレスの先頭を見れば、従来のクラスを判断できます。
たとえば、10.1.1.1は先頭が10なのでクラスA、172.16.1.1は先頭が172なのでクラスB、192.168.1.1は先頭が192なのでクラスCに該当します。
ここで注意したいのが、プライベートIPアドレスとクラスは別の考え方だという点です。
プライベートIPアドレスとして予約されている範囲は、次のとおりです。
10.0.0.0/8172.16.0.0/12192.168.0.0/16
これらをクラスA・B・Cと説明することもありますが、プライベートIPアドレスの範囲と従来のクラスは別の考え方です。現在はCIDR表記で範囲を確認しましょう。

CIDRとは?¶
CIDRは、Classless Inter-Domain Routingの略です。日本語では、クラスレスアドレス方式などと呼ばれます。
名前にClasslessとあるとおり、クラスA、B、Cの固定された区切りに依存せず、必要な規模に合わせてネットワーク部の長さを柔軟に決める仕組みです。
たとえば、次のように表記します。
192.168.1.0/24
192.168.1.0/26
10.0.0.0/8
172.16.0.0/12
スラッシュの後ろにある数字を、プレフィックス長と呼びます。
/24なら先頭24ビット、/26なら先頭26ビットがネットワーク部です。数字が大きくなるほどホスト部が短くなるため、1つのネットワークで利用できるIPアドレスは少なくなります。
CIDRはクラスよりも効率的にネットワークを区切れる¶
クラスを使った従来の方法では、ネットワーク部の長さが/8、/16、/24などに固定されていました。
たとえば、50台の端末を接続したい場合、/24を割り当てると256個分のアドレス領域を確保することになります。実際に必要な数よりもかなり多く、アドレスが無駄になってしまいます。
CIDRを使えば、必要な端末数に近い大きさでネットワークを区切れます。50台程度であれば、64個のアドレスを持つ/26を利用する方法が考えられます。

CIDRにより、IPアドレスを効率よく割り当て、複数の経路情報もまとめやすくなります。
CIDRではどうやってネットワーク部とホスト部を決めるのか?¶
CIDRではどうやってネットワーク部とホスト部を決めるのか?
プレフィックス長とサブネットマスクで判断できます。
IPv4は32ビットなので、/24であればネットワーク部が24ビット、ホスト部が8ビットです。/26であればネットワーク部が26ビット、ホスト部が6ビットとなります。
アドレス総数は、次の式で計算できます。
アドレス総数 = 2の「ホスト部のビット数」乗
/24ではホスト部が8ビットなので、2の8乗 = 256個です。/26ではホスト部が6ビットなので、2の6乗 = 64個となります。
一般的なIPv4ネットワークでは、ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスを端末へ割り当てられないため、利用可能なホスト数はアドレス総数から2を引いて考えます。
| CIDR | サブネットマスク | アドレス総数 | 一般的な利用可能ホスト数 |
|---|---|---|---|
| /24 | 255.255.255.0 | 256 | 254 |
| /25 | 255.255.255.128 | 128 | 126 |
| /26 | 255.255.255.192 | 64 | 62 |
| /27 | 255.255.255.224 | 32 | 30 |
| /28 | 255.255.255.240 | 16 | 14 |
/31や/32には例外的な用途がありますが、まずはアドレス総数とネットワークアドレス、ブロードキャストアドレスの関係を理解しましょう。
サブネットマスクでネットワーク部を表す¶
ネットワーク部とホスト部の境界は、サブネットマスクでも表現できます。
サブネットマスクは、ネットワーク部を2進数の1、ホスト部を0として表したものです。

たとえば、/24を2進数で表すと、先頭から24個の1が並び、残り8個が0になります。
11111111.11111111.11111111.00000000
これを10進数へ変換すると、次のサブネットマスクになります。
255.255.255.0
つまり、次の2つは同じネットワーク範囲を表しています。
IPアドレス: 192.168.1.10
サブネットマスク: 255.255.255.0
192.168.1.10/24
サブネットマスクについては、次の記事でも詳しく解説しています。
192.168.1.0/24の範囲を確認してみよう¶
具体例として、192.168.1.0/24を考えてみましょう。
/24は、先頭24ビットがネットワーク部であり、最後の8ビットがホスト部です。そのため、最後の数字は0から255まで変化します。
- ネットワークアドレス:
192.168.1.0 - 利用可能なホスト範囲:
192.168.1.1〜192.168.1.254 - ブロードキャストアドレス:
192.168.1.255 - アドレス総数:256個
- 一般的な利用可能ホスト数:254台
ネットワークアドレスはネットワーク自体、ブロードキャストアドレスは同一ネットワーク内の全端末宛てを表すため、通常は端末へ割り当てません。
自分のPCのサブネットマスクを確認してみよう¶
自分のPCに設定されているサブネットマスクを確認してみましょう。
Windowsでは、コマンドプロンプトで次のコマンドを実行します。
ipconfig /all

表示結果からIPv4アドレスとサブネットマスクを探します。家庭では255.255.255.0がよく使われます。
Linuxでは、次のコマンドでIPアドレスとプレフィックス長を確認できます。
ip address
192.168.1.10/24のようにCIDR表記で表示されます。
CIDRとサブネットを実際に構築しながら学ぶ¶
CIDRは、説明を読むだけでは難しく感じやすい分野です。
「なぜ/24で254台使えるのか」
「/26に分割すると、ネットワークアドレスはどう変わるのか」
「異なるネットワーク同士を通信させるには何が必要なのか」
このような疑問は、実際にIPアドレスを設定し、通信を確認すると理解しやすくなります。
InfraAcademyのネットワーク入門講座では、IPアドレス、サブネットマスク、ルーティング、スイッチ、VLAN、NAT、ACLなどを基礎から学習できます。
ブラウザ上のシミュレーターでIPアドレスを設定し、ネットワークを構築しながら学べます。専用ソフトのインストールは不要です。
ネットワークの知識とあわせてサーバー操作も学びたい方は、Linux入門講座がおすすめです。また、AWSのVPCやサブネットを理解したい方は、AWS講座へ進むと、CIDRがクラウド環境でどのように使われているのかを確認できます。
クラス・CIDRまとめ¶
今回の記事では、IPアドレスのクラスとCIDRについて解説しました。
- クラスは、IPアドレスを規模ごとに固定された範囲へ分けていた以前の仕組み
- 現在は、ネットワーク部の長さを柔軟に決められるCIDRが一般的
/24などの数字は、ネットワーク部のビット数を表す- サブネットマスクは、ネットワーク部を1、ホスト部を0で表す
- プレフィックス長が大きいほど、1つのネットワークで使えるアドレス数は少なくなる
192.168.1.0/24では、一般的に192.168.1.1〜192.168.1.254を端末へ割り当てられる
実際のネットワーク設計では、CIDRとサブネットマスクを読み取る力が重要です。まずは/24、/25、/26の違いから確認し、ネットワークアドレスと利用可能なホスト数を求められるようにしましょう。






