こんにちは、インフラエンジニアのryuです。
ネットワークの参考書を読んだけれど、実際にルーターやスイッチを設定したことがない。ネットワーク構築を練習したいものの、実機を買うべきか、シミュレーターを使うべきか迷っていませんか。
ネットワークは、用語を読むだけでは理解しにくい分野です。
IPアドレス、ルーティング、VLANなどを学んでも、自分で機器を配置して通信を確認しなければ、知識同士がつながりません。
そこで役立つのが、ネットワーク構築を練習できる学習サイトやシミュレーターです。
この記事では、ネットワーク構築を学べるおすすめサイトを4つ紹介します。エンジニア歴10年の経験から、初心者が学ぶ順番や、サイトを選ぶポイントも解説します。
ネットワーク構築はなぜ実践が必要なのか¶
ネットワークの学習では、次のような用語が出てきます。
- IPアドレス
- サブネットマスク
- デフォルトゲートウェイ
- ルーティング
- VLAN
- NAT
- ACL
意味を読んだだけでは、設定がどの通信へ影響するのか分かりにくいですよね。
たとえば、2台のPCへIPアドレスを設定しても、サブネットマスクが異なれば通信できないことがあります。
ルーターを配置しても、経路がなければ別ネットワークへ届きません。VLANを作成しても、スイッチポートの設定が間違っていれば通信できません。
ネットワーク構築では、次の流れを繰り返します。
構成を考える
→ 機器を配置する
→ IPアドレスやコマンドを設定する
→ pingで通信を確認する
→ 通信できない原因を調べる
→ 設定を修正する
この繰り返しによって、参考書で学んだ内容が実際の通信と結びつきます。
ネットワーク構築を学べるおすすめサイト4選¶
今回紹介するサービスは、次の4つです。
| サービス | 主な学習方法 | 向いている人 |
|---|---|---|
| InfraAcademy | 教材+ブラウザシミュレーター | 基礎から順番に学びたい初心者 |
| Cisco Packet Tracer | PCへインストールするシミュレーター | Cisco機器の操作を無料で練習したい人 |
| Udemy | 動画+Packet Tracer演習 | 動画で講師の操作を見ながら学びたい人 |
| GNS3 | 仮想ネットワークエミュレーター | より実機に近い環境を作りたい中級者 |
どれか一つだけを選ぶ必要はありません。
最初は教材と演習が一体になったサービスを利用し、基礎を理解した後にPacket TracerやGNS3へ進む方法もあります。
1. InfraAcademy|ブラウザでネットワークを構築できる¶
InfraAcademyは、Linux、ネットワーク、サーバー構築、AWSなどを学べるインフラ専門の学習サイトです。
ネットワーク講座では、文章と図解による教材を読みながら、同じ画面のネットワークシミュレーターを操作できます。

インストールせずにすぐ練習できる¶
ネットワークシミュレーターを使うとき、ソフトウェアのインストールやアカウント設定で止まることがあります。
InfraAcademyでは、ブラウザ上でPC、スイッチ、ルーターを配置できます。
端末へIPアドレスを設定し、ケーブルで接続して、pingで通信結果を確認します。
初心者が環境構築だけで疲れず、すぐにネットワークの操作へ進める点が特徴です。
教材とシミュレーターを同じ画面で使える¶
ネットワークの演習では、参考書、動画、シミュレーターを何度も切り替えることがあります。
InfraAcademyでは、教材の説明を読み、その場で機器を操作できます。
たとえば、IPアドレスを学んだ直後に、2台のPCへ設定します。
PC1: 192.168.10.10/24
PC2: 192.168.10.20/24
設定後にpingを実行し、通信できることを確認します。
次にPC2を192.168.20.20/24へ変更すると、同じ構成のままでは通信できなくなります。
このように、設定を変えた結果をすぐに確認できます。
IPアドレスから段階的に学べる¶
InfraAcademyのネットワーク講座では、初心者が次の順番で学習できます。
| 学習段階 | 主な内容 |
|---|---|
| 1 | IPアドレスとサブネットマスク |
| 2 | PC同士の通信とping |
| 3 | ルーターとデフォルトゲートウェイ |
| 4 | 静的ルーティング |
| 5 | スイッチとMACアドレス |
| 6 | VLAN・アクセスポート・トランク |
| 7 | VLAN間ルーティング |
| 8 | 動的ルーティング |
| 9 | NAT・ACL |
いきなりCiscoコマンドを暗記するのではなく、なぜその設定が必要なのかを理解してから操作します。
構成を作りながら学べる¶

複数のPC、スイッチ、ルーターを使った構成も練習できます。
VLANを使って部署ごとにネットワークを分け、トランクポートでスイッチ間を接続し、ルーターやL3機能でVLAN間通信を設定します。
正しく設定できなければ通信は失敗します。
完成形を見るだけでなく、自分で配線と設定を行うため、どの設定が必要なのかを確認できます。

最初の講座は無料で試せます。
InfraAcademyのネットワーク学習ロードマップを見る
2. Cisco Packet Tracer|Cisco機器の操作を無料で練習できる¶
Cisco Packet Tracerは、Ciscoが提供するネットワークシミュレーターです。
PCへインストールし、画面上へルーター、スイッチ、PC、サーバーなどを配置してネットワークを作成します。
Ciscoコマンドを練習できる¶
Packet Tracerでは、Cisco IOSに近いコマンド操作を練習できます。
たとえば、ルーターのインターフェースへIPアドレスを設定します。
enable
configure terminal
interface GigabitEthernet0/0
ip address 192.168.10.1 255.255.255.0
no shutdown
その後、show ip interface briefで状態を確認します。
show ip interface brief
CCNAの学習や、Ciscoルーター・スイッチの基本操作を練習したい人に向いています。
Packet Tracerが向いている人¶
次のような人におすすめです。
- Ciscoコマンドを無料で練習したい
- CCNAの資格取得を目指している
- 自分で自由に構成を作りたい
- インストールや初期設定に抵抗がない
- 英語を含む公式教材も利用できる
一方、初めてネットワークを学ぶ場合は、何を配置して何を設定するのか迷うことがあります。
Packet Tracer単体ではなく、参考書、動画、学習ロードマップなどを併用しましょう。
公式のダウンロード・導入方法は、Cisco Skills for Allで確認できます。
3. Udemy|動画を見ながらPacket Tracerを操作できる¶
Udemyは、講座ごとに購入して学べる動画学習サービスです。
ネットワーク分野では、CCNA対策、TCP/IP、Packet Tracer演習、ネットワーク構築などの講座があります。
講師の操作を見ながら進められる¶
動画では、講師が機器を配置し、コマンドを入力する流れを確認できます。
Packet Tracerを初めて利用する人でも、画面操作を見ながら進められます。
ただし、動画を眺めるだけでは操作できるようになりません。
動画を一度止め、自分のPacket Tracerで同じ構成を作りましょう。
動画を見る
→ 自分で同じ構成を作る
→ 動画を閉じてもう一度作る
→ 一部の設定を変える
→ 通信結果を確認する
最後に手順を見ずに再現すると、理解度を確認できます。
Udemyが向いている人¶
次のような人に向いています。
- 動画で説明を聞きたい
- CCNAの知識と操作をまとめて学びたい
- 特定の講師から体系的に学びたい
- 買い切り型の教材を繰り返し見たい
講座を選ぶときは、公開日だけでなく最終更新日、対象者、利用するPacket Tracerのバージョン、プレビュー動画を確認してください。
4. GNS3|実機に近い仮想ネットワークを作れる¶
GNS3は、仮想ルーターや仮想マシンを組み合わせてネットワークを構築できるソフトウェアです。
Packet Tracerがシミュレーターであるのに対し、GNS3は実際のネットワークOSや仮想アプライアンスを動かす構成にも対応しています。
複数ベンダーやLinuxを組み合わせられる¶
GNS3では、ルーターやスイッチだけでなく、Linux、Docker、ファイアウォールなどを組み合わせられます。
たとえば、次のような構成を作れます。
Linuxクライアント
→ 仮想ルーター
→ ファイアウォール
→ Linux Webサーバー
ネットワークだけでなく、サーバーやセキュリティを含む構成を練習できます。
GNS3が向いている人¶
次のような人に向いています。
- Packet Tracerより高度な構成を試したい
- LinuxやDockerも組み合わせたい
- 複数ベンダーの機器を検証したい
- 仮想化やイメージの準備ができる
- 実務に近い検証環境を作りたい
初心者には、導入やイメージ準備が難しく感じる場合があります。
最初からGNS3を使う必要はありません。IPアドレス、ルーティング、VLANの基本を理解した後に進むとよいでしょう。
ネットワーク構築サイトを選ぶポイント¶
おすすめサイトを選ぶときは、知名度だけで判断しないようにします。
自分の目的と現在のレベルに合わせて選びましょう。
学ぶ順番が用意されているか¶
初心者は、自由に機器を配置できても、何を作ればよいか分かりません。
次のような順番が示されている教材を選びます。
IPアドレス
→ サブネット
→ ARP
→ ルーティング
→ スイッチ
→ VLAN
→ NAT・ACL
最初からOSPFや複雑な冗長化構成へ進むと、設定をコピーするだけになりやすいため注意してください。
自分で設定できるか¶
講師が操作する動画を見るだけではなく、受講者自身がコマンドやIPアドレスを設定できるか確認します。
ネットワーク構築は、正しく動かない状態から原因を探すことも重要です。
設定を間違えたときに、通信結果が変わる環境を選びましょう。
繰り返し作り直せるか¶
一度完成させただけでは、手順を覚えているのか、仕組みを理解しているのか分かりません。
構成を削除し、何も見ずに再度作れることが重要です。
失敗しても簡単に初期化できるシミュレーターなら、設定変更を試しやすくなります。
自分の目的に合っているか¶
目的によって適したサービスは異なります。
| 目的 | 選び方 |
|---|---|
| ネットワークを初めて学ぶ | 教材と演習が一体のサービス |
| CCNAを取得したい | Packet Tracer+CCNA教材 |
| 動画で学びたい | Udemy |
| 実務に近い検証をしたい | GNS3 |
| インストールせず試したい | ブラウザ型シミュレーター |
資格取得だけが目的でも、コマンド操作は早い段階から始めることをおすすめします。
初心者がネットワーク構築を学ぶ順番¶
ネットワーク構築は、次の5段階で進めると理解しやすくなります。
1. IPアドレスとサブネットを学ぶ¶
最初に、IPアドレス、サブネットマスク、CIDR、デフォルトゲートウェイを学びます。
ここが曖昧なままでは、ルーティングやVLANへ進んでも理解できません。
【関連記事】IPアドレスとは?仕組みと種類を初心者向けに解説
2. 2台のPCを通信させる¶
同じネットワークへ2台のPCを配置し、IPアドレスを設定します。
PC1: 192.168.10.10/24
PC2: 192.168.10.20/24
pingで通信を確認し、IPやサブネットを変更したときの違いを見ます。
3. ルーターで別ネットワークを接続する¶
次に、2つのネットワークをルーターで接続します。
192.168.10.0/24
|
Router
|
192.168.20.0/24
PCへデフォルトゲートウェイを設定し、ルーターへIPアドレスと経路を設定します。
4. スイッチとVLANを学ぶ¶
スイッチでは、MACアドレス、アクセスポート、トランクポート、VLANを学びます。
同じスイッチに接続していても、VLANが異なればそのままでは通信できないことを確認します。
5. 障害を自分で作って直す¶
完成した構成の設定を一つ変更します。
- IPアドレスを間違える
- サブネットマスクを変える
- デフォルトゲートウェイを削除する
- ルートを削除する
- VLAN番号を変える
- ACLで通信を拒否する
どこまでpingが届くかを確認し、原因を特定します。
エンジニア歴10年の経験でも、設定を覚えることより、通信できない場所を順番に確認する力が実務で役立ちます。
ネットワーク構築の学習でよくある失敗¶
参考書を読み終えてから操作しようとする¶
ネットワークの参考書を最後まで読んでから、まとめて演習しようとすると、最初に学んだ内容を忘れてしまいます。
IPアドレスを学んだらPCへ設定し、ルーティングを学んだらルーターを配置しましょう。
インプットと操作を近づけることが大切です。
コマンドをコピーするだけになる¶
手順書のコマンドをコピーすれば、構成は完成します。
しかし、なぜそのコマンドが必要なのか説明できなければ、別の構成では使えません。
設定前に結果を予想し、設定後にshowコマンドやpingで確認しましょう。
最初から難しい環境を選ぶ¶
GNS3や実機は、実践的な学習に向いています。
一方、初心者はイメージの準備や配線、初期化で止まることがあります。
まず簡単に作り直せる環境で基礎を学び、必要になったら高度な環境へ進みましょう。
まとめ¶
ネットワーク構築は、参考書や動画を見るだけでなく、自分で機器を配置して設定することが重要です。
初心者が基礎から順番に学ぶなら、教材とブラウザシミュレーターを同じ画面で使えるInfraAcademyが向いています。
Ciscoコマンドを無料で練習したい場合はPacket Tracer、動画で学びたい場合はUdemy、より実務に近い仮想環境を作りたい場合はGNS3が選択肢になります。
最初は2台のPCへIPアドレスを設定し、pingを成功させるところから始めましょう。
その後、ルーター、スイッチ、VLAN、NAT、ACLへ少しずつ構成を広げます。
InfraAcademyのネットワーク講座では、IPアドレスからルーティング、VLANまで、独自シミュレーターを使って順番に学べます。



