こんにちは、インフラエンジニアのryuです。
今回はIT初心者向けにスイッチとはどのようなものかを解説します。スイッチとはスイッチングハブの略称で、ネットワーク機器の1つでPC同士を接続するための機器です。スイッチを使うことで、様々なネットワークを作ることができます。初心者向けにわかりやすく解説します。
目次
スイッチとは?わかりやすく解説
スイッチって何?ボタン?
スイッチとは、PC同士を接続するためのネットワーク機器です。
今回の記事では、スイッチについてIT初心者の方でも分かりやすく解説したいと思います。
まず、実物を見たことの無い人もいると思います。スイッチは、このような機器です。
では、スイッチがどのような機器なのか具体的に解説します。
スイッチとはPC同士の通信を制御するための機器
スイッチとは、Wikipediaには以下のように書かれています。
スイッチングハブ (switching hub) とは、コンピュータネットワークにおけるLAN(Local Area Network)の装置の一種である。
(wikipediaより)
どういうこと?
つまり、複数のPCを接続してネットワークを構築するための機器です。
PCにLANケーブルを差せる口は1つです。PC同士を接続すると2台のネットワークしか構築できません。そこで、LAN口がたくさんあるスイッチを使うことで、複数台のPCでネットワークが構築することができます。
ハブ(HUB)と同じでは・・・?
ハブとは違い、スイッチには通信を制御する機能があります!
ここまでの説明を聞くと、スイッチとハブは同じようなもの?と思ってしまいます。次にスイッチとハブの違いを解説します。その違いが分かるとスイッチの特徴が分かります。
ハブが何か分からない方はこちらの記事をご覧下さい。
スイッチはMACアドレスで通信を制御する
次にスイッチの特徴についての説明をします。
先ほどスイッチはPC同士を繋げてネットワークを構築する機器と説明しました。この場合ハブとスイッチ同じような物と思ってしまいます。
ハブとスイッチには以下のような違いがあります。
- ハブ→受け取ったデータを全てのポートに流す
- スイッチ→受けっとったデータの宛先を見て、通信を宛先のPCに流す
ちなみに、上記のハブのことをリピーターハブといい、スイッチのことをスイッチングハブといいます。これは、仕事場によって変わったり、人によって変わったりします。私の職場では、ハブ=リピーターハブ、スイッチ=スイッチングハブで通じるので、ハブとスイッチで書いていきます。
ハブは受け取ったデータを全てのポートに流すため、通信量の増加やパケットの盗聴がされるというデメリットがありました。
スイッチは、MACアドレスを登録することで、受け取ったデータを制御し、上記のデメリットを解消できます。
スイッチの主な機能をわかりやすく解説
ここからは、スイッチの主な機能を2つ紹介します!
ここからは、スイッチの主な機能を2つ紹介します。それぞれネットワークを構築する上で重要な技術です。
今回はこちらの2つについて、紹介します。
- MACアドレスを保存するMACアドレステーブル
- ネットワークを仮想的に分割するVLAN
こちらの機能を理解すると、スイッチがどのような物かさらに理解できます。それでは、解説します。
MACアドレスを保存するMACアドレステーブル
どうやってスイッチは送られてきたデータを制御しているの?
それは、スイッチの中にあるMACアドレステーブルです。
先ほどまで、スイッチは送られてきたデータを制御すると言ってきました。では、その送られてきたデーターはどのように制御しているのでしょうか?
それは、MACアドレステーブルにMACアドレスとそのPCの接続先ポートを登録して、そのテーブルを基に通信の制御を行っています。
実際にMACアドレステーブルの中身を見てみましょう。
Ciscoのスイッチを持っている方は、下記のコマンドを入力します。
show mac address-table
コマンドを入力すると、下記のようなMACアドレステーブルが表示されます。
このテーブルにMACアドレスと接続先のポートが書かれています。この表の一番下の「001d.7172.6c40」のPCは「100/1/20」番ポートに接続されていることが分かります。このPC宛てのデータは「100/1/20」番ポートに転送されます。
ちなみに、arpはIPアドレスとMACアドレスを紐づけるものなので、違うものと注意しましょう。arpの概要はこちらの記事で詳しく説明しています。
スイッチはVLANでネットワークを仮想的に区切ることができる
スイッチには、VLANという機能があります。
VLANとは、Virtual LANの略で仮想的にネットワークを区切ることです。
ハブの場合、1台で1ネットワークしか作れませんでした。しかし、スイッチでVLANを使用することで、1台のスイッチで複数のネットワークを作成することが可能になります。
例えば、ポート1に接続されたPCはネットワーク1、ポート2に接続されたPCはネットワーク2といったようなネットワークを構築することが可能です。
このように、スイッチを使うことでネットワークを仮想的に分割することができます。VLANについては、下記の記事で詳しく解説しております。
・関連記事:VLANとは?VLANの仕組み、スイッチへの設定方法などを詳しく解説します
スイッチの種類
先ほどまでは、スイッチの仕組みについて解説しました。ここからは、スイッチの種類について解説します。
スイッチは大きく2つ覚えてけば大丈夫です。以下の2つです。
- L2スイッチ
- L3スイッチ
それぞれについて解説します。
L2スイッチとは?
L2スイッチとは、レイヤー2のスイッチということです。レイヤー2というのはOSI参照モデルの2階層目に属しているということです。OSI参照モデルの階層は下記の通りです。
OSI参照モデルについては、こちらの記事をご覧ください。
OSI参照モデルの2階層目はデータリンク層でARPなどのプロトコルが
定義されています。
L2スイッチとは、先ほど説明したARPやVLANの基本的な機能があるスイッチのことです。
L3スイッチとの違いは、ルーティングができるかどうかの違いです。L2スイッチはネットワークの制御ができません。L3スイッチはルーターの機能があり、ルーティングすることができます。
では、L3スイッチについて、詳しく解説します。
L3スイッチではルーティングが可能
L3スイッチは、レイヤー3のスイッチのことです。レイヤー3は、ネットワーク層のことで、ネットワーク上の通信の制御を行います。つまりルーティングができます。ルーターの機能がスイッチにあるものがL3スイッチです。
ルーターについては、こちらの記事をご覧ください。
見た目はL2スイッチとL3スイッチであまり変わらないので型番などを確認してみましょう。
スイッチを操作してみよう!
先ほどまでは、スイッチの概要について解説しました。さらにスイッチの勉強をしたい方はスイッチを操作してみましょう。スイッチは購入しなくても、シュミレーターを使うことで簡単に操作・設定することができますよ。もちろん無料です。
スイッチのシュミレーターを使う
スイッチを操作するためには、スイッチを購入するか、シュミレーターを使うかの2パターんあります。オススメはシュミレーターを使うことです。スイッチやルーターなど勉強したい方はインストールしてみましょう!
インストール方法は以下のサイトで詳しく解説しております。
Ciscoのルーターやスイッチのシュミレーター「Packet Tracer」がすごい!【無料で使える!】
スイッチの設定方法など
スイッチの勉強をするためには、実際にスイッチに設定をすることが一番です。スイッチの設定方法については、以下の記事にまとめております。ぜひご覧ください。
スイッチとは?まとめ
今回の記事では、スイッチについて解説しました。今回の記事のまとめです。
- スイッチとは、PC同士の通信を制御するための機器
- MACアドレスで制御を行う
- VLANで仮想的にネットワークを分割できる
- L2スイッチとL3スイッチがある
スイッチはネットワークの基礎的な部分ですので、しっかり覚えておきましょう!
以上でスイッチの説明を終わります。そのほかの基礎的な技術を知りたい方はこちら↓
さらにネットワークを詳しく勉強したい方はこちら↓